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お嬢様 平穏に過ごす 2


「それでクローム君が助けてくれたの。」

「まぁ、あのサジタリア様が・・・」

「守ってくださるなんて、羨ましいですわ。」

「えっ・・・そんなことないよぉ」

「まぁ、赤くなって・・・」

「そんな方、私も会ってみたい。」

「私もー。」


アメリアが見下ろした庭の所でマリア達がベンチに座って話をしていた。

話の内容から察するに多分クロームとマリアが教会から離れた所でフェイと刃を交えた時の事を言っているのだろうと推測が出来る。

アメリアもその件については、セラから報告を受けていて、当の本人であるフェイからも内容は聞いてはいた。

その時は、クロームがマリアの事を好意に見ることなど絶対にないとフェイが言うものだから、ほっといていたが学園に戻ってきたらクロームとマリアのことも噂が広まった。

噂と言うよりもマリアが周りに言いっているだけなのだが、女性は特にこのような話が好きだろう。

さっきから、うっとりとした顔しかしていない。


「サジタリア様は、確か婚約者がいないはずでしたわね。」

「そうなのですか?私はてっきりいるものだと。」

「えぇ、なんでも心に決めた方がいるとか・・・。」

「まぁ、素敵!誰なのでしょうか?」


(そういえば・・・クロームの初恋って誰だろう・・・)


ゲームの設定では、クローム・サジタリアだけ婚約者がいない。

多分、他人を拒絶する人間なのだから誰も婚約者にとは、しなかったのであろう。

もしくはクローム自身が断っていたか。

実は言うと、アメリア自身、余り詳しい事は知らなかった。

クロームルートに進むと死んだ父親がキッカケで他人を信じなくなったクロームが、マリアのおかげで人を信じるようにはなったのだが、過去に遡るのはこの時だけ。

恋愛に関しては、過去の事など全く出てこないのだ。


(まぁ・・・王道としてマリアだと思うけどね。)


王道でありがちな物だ。

幼い頃に出会った初恋の少女が学園で再会をして、様々な苦難を2人で乗り越え最後にはハッピーエンドにいるパターン。

実は言うと、アメリアはこのエンディングが1番好きだった。

初恋が叶うシーン、前世では胸をキュンキュンさせながらイベントを見たものだ。

さらに言うとクロームは騎士。

膝をついてヒロインを見上げながら「好きだ」とか言われたら・・・悶え死んでしまう。

けどヒロインであればそんな素晴らしいイベントがあるが、今のアメリアはヒロインではなく悪役令嬢。

そんな出会いとか有るわけがない。


(私には関係がない話だわ。)


アメリアはそっと図書室から去った。


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