表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/59

お嬢様 平穏に過ごす 1

あの討伐から数日後・・・

アメリアはいつものように、髪の毛をみつあみにし、分厚い眼鏡をかけ図書室にこもり、本を読んでいる。

もちろん1人でだ。

あまり図書室にくる生徒などはいないので、アメリアの独占状態となる。


『・・・・ねぇ、聞きまして?あの噂。』

『えぇ。流石、殿下でありますねぇ。』

『そうですわねぇ・・・。』

(・・・当分、大人しくしていようかしら?)


アメリアは、読もうと思っていた本をパタリと閉じ、肘をついた。

毎日、図書室の外で話が聞こえてくるのだ。

今日も本を読む気にもなれなくなった。


(それにしても、まだ噂になっているなんて・・・秘密にしておいて正解だわ。)


『オーガスタ殿下が盗賊を討伐した。』


教会での戦いから翌日、学園内で一気にこの噂が広まった。

本当は、アメリア達が討伐をしたのだが、帰り際の時にイーゼスが自分達の事を話さないように脅し・・・いや、強く言っておいた。

まぁ、オーガスタ達が言っても他の生徒達は信じないと思うし、騎士団の人達も自分達から言いふらさないだろう。

一応、学園内や王都で偵察をしたが、そういった噂がたっていない。

それどころか、『オーガスタ殿下が不思議な力を使って炎を操り倒した』『慈悲なる説得により捕縛した』などと、とても英雄じみた噂が飛び交っていた。

この出来事によって、大きく学園の空気が変わった。

まず、ヒューデガルド・ブライト。

あの出来事の後、オーガスタに絡むことが少なくなった。

友人としてオーガスタと接することがあっても、前みたいに強引に誘うことがなくなった。

前まではオーガスタがヒューデガルドの誘いを断っても、いつもの「えーなんでー。」でそのまま押しきるのだが、最近はあっさりと去るらしい。

そして、いつも連れているポールに頼らず訓練にも真面目に取り組んでいるらしい。

これは生徒達の話の中で、かなり話題となっていた。

そして、オーガスタ。

噂によればセイント王の下で国政の仕事を学んでいるとか。

とにかく積極的に取り組んでいるらしい。

学園にいる時でも、監督生の仕事の手助けをしていて助かっているとイーゼスが言っていた。


(それに比べてあのマリア(ヒロイン)は・・・)


アメリアは座っていた椅子からガタリと立ち上がり、窓際へと移動した。

図書室の窓は、温かい光が射し込んでいるのだがアメリアは窓際の端に寄ってカーテンの隙間から、そっと庭を見下ろした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ