お嬢様 幼少期に攻略対象と出会う 2
突如、下の方から声が聞こえた。
オーガスタとクロームが振り向くと何もなかった場所から突如盾を持った兵士が出てきて道の横一列に並び始める。
「なんだ…。これは…」
「いまだ!かえせーーー!」
再び声が聞こえたと思ったら盾を構えていた盾部隊が持っていた盾を一斉にひっくり返した。
「なっなんだ!!」
下り坂からなぜか光がきて、オーガスタ達は目をつぶってしまう。それはオーガスタ達だけではなく、ニーレイ軍も同じで遠くから「なんだこれは」、「まぶしいぃ!!」と聞こえた。
「部隊はそのまま維持を!!フェイ!!!」
「あいよ!」
今度は左右の崖の上から下にいるニーレス軍に向かって無数の矢が降ってきた。
「ぐぁ…」
「てった…い……がはっ…」
「うああああぁぁぁぁーーーー」
敵の叫び声だけしか聞こえない。
オーガスタ達は今目の前でなにが起こっているのわかるのだが理解をすることができなかった。
ただわかるのは坂の下からの光によって動けなくなったニーレス軍が崖の上から降り注ぐ弓矢により倒れていく姿だけだ。
「父上。あの軍はどこの領でありましょうか…?」
息子クロームの問いかけに、セバスは答えることができなかった。
いや、答える前にセバスも理解することができない。
(なんだ、この戦い方は……)
長年戦ってきたセバスでも見たことがない戦い方である。
盾は本来飛んできた弓矢などを防ぐ為のものであり、あのような光を発することなどみたことはない。
(それに………あの弓矢も……)
最初は光で見えなかったが徐々に崖の上から矢を撃っている弓もセイント軍で使用している弓とはまったく違っていた。
「セイント軍 セバス・サジタリア殿とお見受けする」
「貴殿は・・・・」
「われはセイント国の一領にお仕えする者で名はバエイと申します。」
バエイと名乗った髭を蓄えた武人はセバスに軽く一礼をした。
「味方か…助かった…」
「敵はわれらに任せ、セバス殿は殿下をつれて安全なところに移動を…」
「いや、殿下だけ安全な場所で私はこのままニーレス軍とここで戦う所存でございます」
セバスは再び剣を構える。
バエイもセバスの横で武器を構えるが見たことがない武器を携えていた。
(なんだ…この武器は…??)
「セバス殿。きますぞ。」
「承知。」
いや、今はその様なこと考えることはよそう。
今やるべきことは目の前の敵を倒すことのみ。
セバス達はそのまま敵陣へと、突っ込んいった。
******
「弓矢で敵の約7割が倒されたけど、まだ迫っていくのね。武人として流石だと褒めたいかどうかわからないけど、一軍の将として脳筋バカといってやりたいわ。」
「それ結構耳が痛いっス…。」
アメリアはフェイと共に崖の上から戦場をみていた。
(残った敵軍3割のうち2割は逃亡していが1割が無謀にもせまっているのね…)
「しっかし、やっぱりおじょーはすごいっすね。こんな簡単に勝利をあげるなんて…おれ、そんけーするっす」
「……フェイ…まだ敵がいる限り 戦いには勝利してはいないし。それに……」
「…それに…??」
「ここではおじょーって言わないでくれる??私がここにいることがばれたらバエイに怒られるじゃないのよ!!」
今回の策を考えたのはアメリアだが戦場の指揮はバエイがおこなっている。
アメリア本人もイベントの確認の為にここの場所に行きたかったのだがバエイやロンにもきつく止められてしまった。
それでもここに来たくて崖上に待機をしていたフェイに頼み込んでここにきたのだった。
もちろん、ここでバエイとかにばれたらこっぴどく怒られるのは目に見えているのでフェイの部隊と同じ茶色のローブを着ている。
「たしかにおれもあのおっさんにおこられるのはすっげぇーいやだ。」
フェイも軍にはいってからバエイになんども雷をおとされているのでその気持ちもわかるし、想像すうだけでも顔が真っ青になる。
「ナギサ部隊からも追ってがくるっていう報告もうけていなしそれに、バエイが今ニーレス軍の将軍を生け捕りにしたから万々歳って感じ。」
一先ず安心ねと言おうした矢先、後ろからこの場にはいるはずのない者が声をかけてくる。
「何が万々歳でしょうか?」
お嬢様のお仲間達です!
少し三國志が入っています!
わかる方には、すぐに分かるかもしれませんね。