表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/59

お嬢様 討伐する 1

敵sideになるのかな・・・。

お兄ちゃんをかっこよくさせたい!

ボッと一気に火が灯され辺りが明るくなった。

相手の顔がはっきり見える。


(やっぱりか・・・。)


声からして小僧だと思ったら、予想した通り小僧だ。

今いる人数に対して、今目の前にいるのは小僧とその横にいる槍をもった兵士。

たったそれだけ。

それだけで、盗賊に挑もうとしているのだ。

正直言って馬鹿げている。


「おいおい、お前らだけで俺達を倒そうとしているのか?」

「ぎゃはは、無謀だぜ。よほどの馬鹿だなお前ら。」

「さっさと降参して、金と食料を全て渡せば、見逃してやるぞ。」


ちょっと剣で脅してやれば、ひびって泣きながら降参するだろう。

今までもそうだ。


『盗賊風情か何を言っている。このわしがお前らにやられるとでも・・・笑わせる』

『俺は商人だ。商人の誇りにかけて死んでもお前らには屈しない!』


どんなに偉そうにしていても、どんなに強がっていて結局最後には「荷物をやるから命だけは」と泣きながら両手を組んで懇願する。

涙と鼻水だらけの顔を見下しながらこう思う。

この快感だけはたまらない。


「なんだ・・・ひびっているのか??」


さっきから小僧が一言もしゃべってない。

顔はうついているから、わからない。

地面に剣を突き刺し、両手をのせている。

体の震えはない。


「動かざること山の如し。」

「なんだそれ?」

「例え敵の陽動や挑発があろうとも、山の如く動かず守りに徹する。」


言っている意味がわからない。

周りにいる手下達もその言葉は聞こえたようだが、誰一人としてその意味がわかるものはいなかった。

ただ、わかることは脅しは聞かないと言うことだけ。

それだけだ。


「ほぉ~。つまりお前らだけで俺達とやり合おうというわけだ。」

「僕達だけではないけどね・・・。」

「後から味方がくるってか?」

しずかなること林の如く。」

「またそれか・・・。」

「それは静かな森の如く、ひっそりと森の一部となり潜む。」


背中に悪寒が走った。

思わずゴクリと喉を鳴らす。

森の空気が変わった。

いや・・・違う。

俺達の見方が変わっただけだ。

ただの森だと思っていた。

普通の何もないただの森。

だけど、あいつの一言でただの森が恐ろしく感じた。


「そして!侵略すること火の如く!攻撃は燃え広がる炎の如く。一気にかたをつけよう!」


お兄ちゃんに風林火山を言わせたかった!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ