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お嬢様 作戦をたてる 3

「ひっでぇーよ!おじょー、聞いてくれぇ、バエイ将軍もロンもスパルタでよぉ・・・。俺に集中攻撃だよ。」

「お前は根を上げすぎる!あらゆる事を想定し、鍛練しなければならないのだ。」

「将軍クラス2人に迫られるって、どんな状況だよ!」

(ははは・・・確かに。)


一般的な兵士だったら、2名でもフェイだったら余裕で勝てると思う。

でも、バエイほどの強さとなると苦戦はする。

その上、ロンまで迫って来たら、不満の1つも言いたくはなるだろう。


「それにそうなったら、即逃げるよ!」


それが正解だ。

ことわざであるだろう、『逃げるが勝ち』と。


「それでは訓練にならんのだか・・・」

「まぁまぁ、バエイ将軍。我々も少し厳しすぎました。もういいでしょう。」

「しかしだな・・・。」


バエイほどの武人であると、逃げるという選択は余りしたくはないようで、少し不満の所もあった。


「バエイ。強くなることも必要だと思うけど、逃げるのも戦略よ。大事なことは生き延びること。そうでしょ?」

「アメリア様・・・。」

「それはそれとして、一息休憩を入れましょう。今日は饅頭をもってきたのよ!」

「っっうぉっぅしゃゃぁぁぁーー!!!」


訓練中だった皆から、大きな雄叫びを上げた。

特にフェイの声は大きかった。

今の世界では、甘味と聞けばとても高価なものだ。

高価な物ではあるのだか、砂糖自体は高い訳でもない。

普段の生活で、調味料として国民も普通に使っている。

それなのに何故高価だと言うと、セイント王国では甘味=果実(フルーツ)もしくは、フルーツを使用したお菓子と言う認識なのだ。

確かにこの国では、果実は輸入が多くその取引の金額も高い。

アメリアも誕生日にフルーツの入ったケーキを口にできる位である。

砂糖はあるのにお菓子がないなんて・・・。

アメリアは、現世の知識を使い、砂糖を使ったお菓子を色々編み出していた。

クッキーやケーキもフルーツがなくても、砂糖やハチミツで作れるし小豆もあって、かなりのレパートリーが広がった。

そのなかでも特に人気なのが小豆を使った饅頭だ。

焼き饅頭、揚げ饅頭、蒸し饅頭とあって今ではヴィクトリア領の定番のお菓子となった。


「今日は、蒸し饅頭ね。セラ宜しく。」


******


「むぐっ・・・でも・・・うめっ」

「フェイ、一気に頬張るからですよ。」

「いいじゃん。俺、饅頭好きだし」

「バエイどう?今日の新作なの。」

「この、皮に入っている黒糖でしたかな?ちょうどいい甘さです。」


(うん、大成功ね!後で商品化の話もしとこ!)


アメリア、セラ、バエイ、ロン、フェイと囲み、皆でセラから渡された黒糖饅頭食べている。

好評はよかったみたいで、あっという間になくなってしまった。


「そういえば、お嬢様。」

「なに?ロン。」

「お嬢様が急に差し入れをもってくるなど、何か相談事でもあるのですか?」


(わっ・・・・忘れてた)


アメリアはロンに言われて思い出した。

新作のお菓子で頭が一杯だったので、オーガスタの御披露目の事などすっかり忘れてしまってたのだ。


「いや・・ね。ちょっと相談がございまして・・・」

「相談事?」


アメリアはことの詳細をバエイ達に話をした。


******


「で、お嬢様はどうにかして、オーガスタ殿下に目をつけられたくないと・・・。」

「そうなのよ、ロン。」

「おじょーだったら、何か策でもあるんじゃね?」

「昨日から考えているけど、全く思い付かない。」

「諦めて、いっそのこと普通にしたらどうでしょう。」

「やっぱりそうなる~。」


饅頭も食べ終わったので、セラがお茶を淹れてくれたので皆で飲んでいる最中だ。

饅頭といったらやっぱり緑茶でしょう。

これもアメリアが開発したものだ。

因みにバエイやロンは好んで飲むが、フェイは渋いのが苦手で飲まない。

兄は飲めるが紅茶の方が好きらしい。


「人前にでるなんて苦手だけど、普通におとなしくしとくわ。」


もう、相談と言うよりは、アメリアの愚痴を聞くだけになってしまった。

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