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お嬢様 領に帰る3 イーゼスside

イーゼスside


兄イーゼスから見て、この妹は少し・・・いや、かなり変わっていると思う。

何故、あの両親からこのような子供が生まれたのか、不思議でしょうがない。


俺は、このヴィクトリア領の後継ぎとして生まれ、貴族として幼い頃より父親より厳しく教育を受けた。

母親はアメリアを生んで、病気で亡くなってしまった。アメリアはもうすぐ7歳、俺が8歳の時だ。

正直に言うと、その頃のアメリアは嫌いだった。

こっちは後継ぎとして、毎日講義やら訓練やらでやっているなか、アメリアは蝶よ花よと育てられいた為、我が儘になっていて毎日使用人で遊んでばかりいる。けして、使用人とじゃない。

使用人でだ。


その光景を見るたびに俺は、その歳から勉強をさせられているのに、贔屓ばかりを感じる日々だった。


変わったのはいつだろう・・・。

それはアメリアが7歳の誕生日だったと記憶している。

いつものように父親から『誕生日なにがいいい?』と聞いた時、『物はいらないので、人を雇い入れてほしい。』と言い出した。

この返事に俺と父親は驚いて、固まってしまった。

父親はアメリアに弱く、おねだりとかも直ぐに叶えてくれて、お人形とかお菓子とか買って貰ったりしている。

たまに宝石とかアクセサリーとかも強請るから、たちが悪い。

まぁ、それを買う父親もどうかと思うが・・・。


そんな我が儘な妹が、物をいらないだと言い出したもんだ。

流石に父親も、駄目だとは言えず良いと言った瞬間、『では、私兵を雇い入れてます。人選は私が決めますのでお願い致します。』


一瞬、耳を疑った。

私兵と言い出したぞ、この妹は。

お付きの使用人が欲しいとかだったら分かるが、まさかの私兵がほしい?何に使うのだか。

イーゼスはこの時、疑問に思うしかなかった。


******


その日からアメリアが、奇妙な事を言い出し始めた。

『全体での訓練を行いましょう。』

『軍に部隊を作りましょう。』

『武器を変えましょう。』

その他にも、生活用品の開発、貿易の改善など誰も聞いたことがない知識を広めていき、今まではセイント王国一栄えている領になったのではないかと思う。

でも、それらの知識を他の領に広めることなどしなかった。

特に軍事力は秘密厳守で徹底をしている。

まあ、父親は貿易や領中心で仕事をしていて、軍については殆ど知らない。

費用は出して、丸投げの状態だった。

まさか元将軍達が横領していたなんて、気付くはずもない。

全てアメリアが内々で解決をさせている。

そして今やヴィクトリア領はアメリアの私兵と言っても過言ではないはずだ。

もちろん、父親は知らない。

父親が今現在の姿を見たら驚くと思う。しかも、アメリア中心でやっていたと知ったら、多分倒れるだろう。

今さら知ったところで、もう遅いが・・・ね。

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