第3話 しょうじょとの出会い
対人抹殺兵器、デズロイドを破壊し続けるロボット、GH。
バイクで大地を駆け巡り、ブレーキをかけた先にはデズロイドに襲われているキャラバンが…
それを撃破し、生存者を確認するGHだが…
キャァァァァァァ!
「GH!」
「お願い…殺さないで…!」
「GH…」
リョウキが見た光景は、GHが少女の涙を拭いてあげようとしていただけだった。
それなのに少女は…
「リョウキすまない。誤解されてしまった。」
「いや、GH…お前が謝る必要はないよ。」
「あなた…どうしてこうまともに喋れるの?」
GHの目の前にいた少女は、リョウキと同じ年頃だった。
「いやだ…殺さないで…殺さないで…殺さないで…殺さないで…殺さないで…」
「………」
GHは何も言わなかった。
彼女にとって、自分とデズロイドは同じものだという言うことを痛感したからだ。
「…ほら、まず今の状況をなんとかしないと。」
リョウキはなんとか慰めようとしたが、それ以上はなんとも言えなかった。
バキ!…バキ!…バキ!…バキ!
GHはキャラバンの中にあった鉄骨を縦に割り、1:2にして割った。
「どうした?GH…」
今度はクロスさせた鉄骨を針金で巻き始めた。
しっかりと、結び、
十字架が二つ、できた。
「ドライバーとコックをきちんと埋葬しなければならない。」
GHはキャラバンの中のスコップを使って掘り、ドライバーとコックを埋めた…
そして2人の墓ができた。
「GH…」
「…?」
少女もGHが何をしたいのか気がついた。
弔うこと、だった。
人の死を悲しみ、きちんと天に昇れるようにしたのだ。
モンド様?…
…これで良し。初期のロイドのマニューバも完了した。これであのロボットの破壊もできる。
それでは出撃だ。DE-E-5、ディーロイド!
ビューン!
「…あの。」
リョウキに少女が話しかけてきた。
「…あのロボットって、イイもんなのワルもんなの?」
「それは…俺にもわからない。でもイイもんだったら…というかイイもんだな。」
リョウキと少女はキャラバンの影で話していた。
「リョウキ。」
GHがリョウキを呼んだ。
「半径1キロ以内にデズロイドらしき反応がある。」
キィシャア…
しかしそれはデズロイドよりも巨大な…まぁ少なくとも敵だ。
「あれはなんだ?」
「見たことない…」
キィシャア…
デズロイドより巨大でマッシブな鉄の塊が近づいてきた。
「オレの型式番号はDE-E-5、ディーロイドだ!」
仲間との通信だけで、話すことは必要ないデズロイドとは違い、スピーカーを通して言葉を発した。
「逃げよう!」
リョウキは少女の手を掴んで駆けようとしたが、少女が動こうとしない。
固まっている。
「グラァ!」
キャラバンの3台目を腕で潰した。
「早く動けって!」
「さぁけべーッ!」
ギャァァァ!
ズドン!
「…クッ、拳に穴が!」
ディーロイドがリョウキを潰そうとしたその瞬間、バズーカで拳に穴をあけたのは…
「GH!」
「俺は壊し続ける。人間のために!」
To be continued!