2話・ダンジョンを作成しよう
今回からダンジョンの作成に入ります。
よろしくお願いします
4月22日 本文の改稿をしました。
「さてそれでは、迷宮の創造に入ろうか。
まずはコレ『迷宮核』を台座に設置してくれるか?
設置する際には気を付けてくれ。お主の転生も同時に行うのでな」
そう言われた久遠は注意して迷宮核に触れた。
何とも形容しがたい感覚が流れてきている気がする。
ゴトッ!!
「うぐぅっ!!!?*+`?@$#”%&」
身体中を電撃が走った気がする。痛みや痺れなどは一瞬で消え去った。
「かなり痛かったぞ・・・」
そういい、クランドールを睨み付ける。
「そう忠告したはずだがな?覚悟が足らなかったのではないか?
それはさておき、迷宮概要を開いてみてくれ。発声・思考どちらでも構わんぞ」
そう言われた久遠は念じてみた。
***のダンジョン
迷宮難易度 LV1
迷宮階層 1/10 (作成フロア数/最大フロア数 初回のみ表示)
迷宮支配者 クオン
ダンジョンポイント 2000DP
DP回復値 100/10000 (最低回復値/補正込みの回復値 初回のみ表示)
DP保有量 2000/10000 (現在値/最大保有量)
主要魔物 なし
配下数 0体
・・・と以上の表示が出た。
「なあクランドール。1日最大10000DPの回復もしかして壊れか?」
「そうだが?」
それが何か?と言いたそうだ。そうしたのは俺だが・・・。
「迷宮難易度は上がりにくいが、LVUP毎に10000ずつ許容量が増えてゆく。
迷宮難易度がLV10になると保有量は無限になる。ほとんどの迷宮はLV3くらいで消えてしまっているのだがな・・・」
「案外短期間で終わっているのか?・・・それとも迷宮難易度が恐ろしく上がりにくいのか・・・?」
久遠がその辺りのことを考えていると。
「迷宮難易度について考えておるな?それでは、迷宮難易度についてだが次の要素で決まる」
そう言いクランドールは指を立てた。
「一つ目が”階層”基本的に深いほど強い。正確に言うなら、深くなるほど”入り口付近”の魔素が薄くなる傾向がある。
これに関しては理由があり、魔素を生み出すのが”迷宮核”だからだ。それ故に深くなるほど入り口付近は弱くなる」
「工夫で改善出来そうだな」というと頷かれた。
「二つ目が”魔物の強さ”になる。これに関しては、一概に”こう”と言えんのだ。下位種でも強ければ難易度は高く、上位種でも弱いと低くなる。
この部分に関してはお主次第だ」
「罠に関してはどんなのがあるんだ?」
クランドールは首を傾げている。もしかするとその辺が原因かもしれない。
久遠は話の流れを切り替えることにした。
「迷宮の広さはどれくらいだ?」
「迷宮核から生み出す魔素が届く範囲が限界だが?」
何とも役立たずな情報をくれた。
その程度の知識・認識だからこそ失敗続きだったのだろう。
「魔素は魔物の活力源になるのか?あと、魔物の増殖・自然発生はあるのか」
「普通にあるぞ。ゴブリン・オーク・コボルトなんかはそちらの物語にある感じだ。だからこそ、結構討伐され経験は多い。
自然発生にかんしては、スライム・ウィプス・ゴーストなんかが有名だ」
「そいつ等はやはり居たか」それは久遠の心の声だった。テンプレ乙。
それはそうと迷宮を造りたい。
「迷宮作成時に注意する事はあるのか?コスト的なこととか・・・」
「ほとんどないぞ。ただ全ての作業でDPを使うからDPの消費はきちんと把握せんと、日毎の維持費でDPが切れて消滅する可能性がある」
「(もしもではなく、維持費が原因でLV3以上に成長しないのではないのか?)
LVが上がることによる、維持費の増加はあるのか?」
そこはやはり気になる。LVアップで増えていくとしたら、かなりやっかいだから。
「そこは安心してくれ。50DPの消費につき1DPの維持費になる。
魔物1体で最低1DP、個室作成が50DPからとある程度決まっているから、計算はしやすいと思うぞ」
それだと、2000DPだったら1950DP以内で作成したとして、維持費は39DP位になる。
まあ10000DPもある以上、それ相応の設備の充実に当てた方が良いだろう。
まず、何から行うのかを考えよう。(実は、いろいろ確認している間に1日経ちました)
「まず・・・範囲は5km×5kmで、”左手の法則”を活かせないように、ループ・隔離島型・落とし穴・天井の通風口・・・・・・・・・・」
内訳は、1㎞四方100DPの2500DP・ループ100m範囲10本の200DP×10の2000DPでここまでで4500DP、残り5500DP。
小部屋(5m×5m)50DP×5の250DPと大部屋(15m×15m)350DP×1にして、計5100DPで維持費100DPだから使える分は4900DP。
魔物は、スライム1DP×200の200DP。
ウルフ10DP×雄10・雌10で200DP(ちなみに外は森らしいので、フォレストウルフ)、魔獣になる熊”ローベア”50DPをペアで100DP。
一階層のボスとして、オーガ200DPを一体召喚して、現状の迷宮の主(表)を300DPのタイラントオーガ(オーガの派生種)にしよう。1000DP、あと必要なのは・・・。
迷宮核の周辺1km四方は核支配領域で、DPは不要なようだ。
ダンジョンボスの部屋として、20m×20mの大きな部屋を作ろう。拡張機能は要らないから外して・・・、200DPくらい削減出来て600DP。あとは、迷宮核安置所に繋げてそこには『隠し扉』を設置・迷宮支配者以外の通行不可設定をする。コレが以外と高く500DPもした。
ここまでで、7200DPの144DPで残2656DP。次は、自分の生活スペースの確保かな。
「クランドール、ヴェラリーズには温泉って存在するのか?」
やはり日本人として温泉は外せない。在るなら造りたい!なくても別のものを造るが。
「あるぞ。風呂に入る習慣こそないが、温泉自体はある」
久遠のテンションはうなぎ登りだ。昇竜の如く!
「風呂は超広く、大部屋で10m×20mくらいで手前10mは脱衣場、5mを洗い場・10m×5mを湯船にして・・・。効能は”自然治癒上昇・魔力回復速度上昇・美肌・保湿・状態異常回復”・・・・・・」
久遠は徹底的に、温泉のかいぞ・・・いや、魔改造を行う。浴場だけで1500DPも使ったと言えば異常性が分かるだろう。維持費も30DPになる。・・・残1126DP。
「ふむ。こんなところでいいか」
恐ろしいくらいに、やり遂げた男の顔をしている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
クランドールには何も声に出せなかった。
次に久遠は寝室の作成にかかった。中部屋(6m×6m)72DP、手前の2mをウォークインクローゼットにする。4m×6mの内4m×4mを超キングサイズのベッド300DPを購入。500DPの10DPで残1126。
寝相が酷いのでこのくらいの大きさのベッドで寝たかったのだ。
「こんなところか?一応の処は完成かな?残りは明日、回復してからだな。
この状態で『確定』を押したら、実行されるのか?」ポチッと押す。
合計9272DP・維持費186DP 総計9458DP 残542DP
こんな感じになった。実行したら、『ピロン♪ピロン♪』と音が鳴ったので、迷宮概要を開いてみた。
天災のダンジョン
迷宮難易度 LV3 ↑2UP
迷宮階層 2/30 ↑20UP
迷宮支配者 クオン
ダンジョンポイント 1126DP
DP回復値 300 ↑200UP/30000 ↑20000UP
DP保有量 1126/30000 ↑20000UP
主要魔物 スライム200・フォレストウルフ10/10・ローベア1/1・オーガ1・タイランドオーガ1
配下数 224
となっていた。クランドールに確認した方がいいのだろうか?
「クランドール、迷宮難易度が上がったんだが。
こんなに簡単に上がるものなのか?」
「え?」って言う感じの表情になるクランドール。
「お主はどんな構成にしたんだ!?」
声をあげて、完成した迷宮の映像を覗きみる。
「こんな感じだが?迷宮編成項目に載っていたもので作成しただけだぞ?
まあ、いろいろな”罠”や”魔物部屋”を作成したくらいだが?」
クランドールですら、罠の有用性を理解していなかったようだし、この世界の住人にそういったものの知識は皆無立ったのだろう。
罠を設置したとは現状の状態では言い切れないけどな。
「なるほど・・・。この辺りの知識も失われて久しい。異世界の方からお主を召喚したのは、幸運だったのかもしれん・・・・・・。
ラグドリーズに人族にとっては”災厄”としか言えんが・・・」
「まあ、この程度で少しでも上がるなら、かなりありがたい。
ところで、入り口付近を”フィールドダンジョン化”は出来ないのか?」
「出来るが、かかるDPに対しての効果はかなり低くなるぞ?」
「構わんさ。別に迷宮化として扱うわけではないから。
迷宮内を”支配・管理”するのが、迷宮支配者の仕事だ。なら話は簡単だろ?外のフィールドを迷宮の一部にしてしまえば”監視”対象に加えられるはずだ。
そうなればいち早く、侵入者の発見が出来るはずだからな」
クランドールは何度驚かされたのか、知識は小説で得たものであるがこれほどの”差”があったとは思ってもいなかった。
久遠の言葉は、実際のところはゲームやマンガから得た知識でもある。
「あった」
地表迷宮化・・・迷宮の入り口のある地表を一種の 迷宮として扱う。支配できるものは、地面に接したものだけになるので”支配力”は弱い。
迷宮化した地表は次のものを変更出来る。 草類・木類
100m四方で5DP必要。地表にあるのもの変更には別途DPが必要。
ちなみに、迷宮の入り口100m四方は迷宮となっている。
ほしい情報が手に入った。200m四方(ダンジョンを含める)を迷宮化するのに必要なのは8区×5DPの40DPになる。だが、実用性を考えるとそれだけでは少々物足りない。
なのでさらに100mほど範囲を広げる。24区×5DPの120DPにする。
他になにかないかと探すと、”迷いの森”と言うものがあった。効果は単純で、『迷い易くなる』というものだ。
効果としては低いので、200DP *勝手に増殖するので管理には気をつけてください。とある。
反映すると、残215DPになった。これ以上今日の作業は無理だろう。
そう判断するとクランドールと話のすり合わせを行って寝ようかな。
誤字・脱字の報告よろしくお願いします。
次回の投稿は1月20日の予定です。