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ダブル・サイド  作者: 四宮 皇季
序章・神に喚ばれてみた
2/39

プロローグ2 共通部

 説明の中で、他の作品と似通ったものがあったり、独自のものがあります。

 紛らわしくてすみません。


 4月10日 本文の改稿・修正をしました。

 

 無言でアテンドールを見つめる二人。

 無言の空気が少し痛い。


 「で?特典の内容は?」


 永久の言葉で凍りついた時間が動き出した。

 アテンドールは一つ咳払いをすると、何のなかったかのように話し出した。


 「ワシらから与えられる特典は、”不老長寿”何千年かかるか分からんからな。

 とりあえず年老いて死ぬことはない。

 普通に死ぬので”不死”と勘違いせぬようにな?」


 「今のまま不老長寿になるのか?怪しいってレベルじゃないぞ?」


 久遠の問いに答えたのは、クランドールである。


 「その為に種族を”人”から”高位精霊族(ハイエルフ)”に変更したいと思う。

 外見・年と多少は変更できるが、性別だけはそのままで頼みたい」


 「管理するだけじゃない?」


 永久はクランドールに問いかける。


 「先程の説明でも言ったが、両方の世界で人口が減っておる。

 お主たちには悪いが、向こうでは多くの子をなしてほしい」


 「その為に必要と思うものはワシから渡そう。感動ものだぞ」


 アテンドールが何かくれるらしい。

 何故か不安が久遠を襲った。永久も同じらしい。


 「まず、先程も言った”不老長寿”に”身体能力上昇”・”LVアップ時ステータス上昇補正”・"獲得経験値・増"・"必要経験値・減"・”絶倫"・"好感度補正"を標準装備しよう」


 ヤナ予感は当たった。『ハーレム乙』じゃねえ!


 「少々もの足りんかもしれんが許して・・・『ガシィッ!Σ( ̄□ ̄;)!』」


 久遠は遠慮うなくアテンドールの頭にアイアンクローを噛ました。

 ミシィ!ミシィ!!と音が聞こえそうだ。


 「この世界の均衡のために、アテンドールの再教育が要るんじゃないかい?」


 慌てたクランドールは、なんの行動も起こせていなかった。

 ただその場であわあわしていただけだ。


 「久遠、アテンドール(それ)を離して。

 何の為に必要かは言われずとも分かっているのだろ?」


 それは・・・言われずとも理解をしている。ただの八つ当たりだ。そう八つ当たりだ。(重要なことなので2回言う)


 「大丈夫だ。峰打ちだ。(アイアンクローに刃も峰もないです。)

 その言葉の裏には『血を引く子供のステータスを上げる』とかの補正を隠しているのだろう?

 俺たち二人だと何千年かけても無理だろうからな・・・」


 実際、アテンドールら神の計算でも個人では現状維持がいいところで、改善にはほど遠いのは分かっていた。

 けどいくつか確認しないといけないこともある。


 「基本的に能力値の遺伝はどうなるんだ?

 半分の数値か、%かでかなり無理が出そうな気がするが・・・」


 「この世界では一律1%になる。

 産まれた赤子は両親の1%を足した数値だ。お主らも例外でなくその制約からは外せなかった」


 平均値次第ではある程度の数値になるまでに、かなりの時間がかかりそうだ。

 さらに気になる事がある。


 「それだと、母親の能力値が低いと恐ろしいくらいに絶望的だ!千より万単位になる。

 その辺は考えがあるんだよな?」


 「あるある!!だから放して!!」

 

 最早、神としての威厳はなかった。(>_<)


 「そこで役立つのが”レベルアップ時ステータス上昇補正”だ!

 このスキルは固有能力(ユニークスキル)のさらに上の能力(スキル)で、本人は当然のことに、パーティーメンバーにも補正がかかる。それで対象の女性のステータスを上げればよい」 


 それは上々だが、その程度で変わるとは思えない。


 「能力(スキル)の種類とか聞きたいけど、ステータスとかを数値化出来るのか?」


 この問いにはクランドールが答えてくれた。

 

 「完全な数値化は出来てない・・・より正確に言うと、体調によって上下するし、感情にも左右され揺れ幅が酷いのだ。

 それ故に、数値は大まかなランクで別れておる」


 クランドールの話しによると、F-~A+の15段階表記で表されるらしい。

 これは世界を創造(つくった)神により更新されたらしい。

 最低のF-で10程度の数値で、基本産まれたばかりの赤ちゃんらしい。

 100を越えるとFクラスになる。最高値A+で1700近い数値になる。

 とは言っても各クラスの最低数値なので、クラスは目安にしかならない。


 「単刀直入に確認するが、両世界の劣勢種の平均レベルと平均数値はどのくらいなんだ?」


 久遠の言葉に少し怯んだようだが、クランドールは答えてくれた。


 「主に、LV15~20の範囲がほとんどになる。

 クラス的にはE-~Eで、300~400の数値になる。

 現在の生き残りで、最高LV200位になる。クラスはもちろんA+にはなる」


 「LVの上限はどのくらいになるんだ?あと、数値も」


 「上限は創造神に聞かんとわからんが、4桁はあるのじゃないかと思っている。

 数値の方も同じで、千万・8桁くらいは軽くあるんじゃないかと思っておる」


 実際のところはどのくらいなのかは分からないようだ。

 ただそれでも、大まかな数値が分かっただけでも儲けものだ。


 「俺たちは、どうなるんだ?」


 「詳しいことは、向こう(ヴェラリーズ)に行かないと言い切れない。

 だが異世界転移(フィスフェアル)を行うので、称号(ピュリア)に"異世界人"が付くのでそれの補正がかかることのよる、数値上昇が発生するはずだ。

 最低でも2倍、下手をすれば数倍の補正がかかるかもしれん」


 クランドールの言葉に二人は頷いた。それだけでも十分だ。

 そうなると、先程の能力(スキル)が気になる。


 「先程言っていた固有(ユニーク)や、称号(ピュリア)について詳しく聞きたい。

 固有(ユニーク)って言う能力(スキル)がある以上、鏡面世界(ヴェラリーズ)に生きる"全ての生命体もしくは、知的生命体"は固有能力(ユニークスキル)を持つって認識でいいのか?」


 久遠の言葉にクランドールは、ゆっくりと頷いた。


 「少し訂正する部分があるが概ねその通りだ。

 この鏡面世界(ヴェラリーズ)に在るもの全てに、実のところは有る。

 それを知るのはワシら神のみだ」


 二人はその言葉に驚いた。


 「そんなことを教えていいのか?秘匿事項だろ?」


 「言い方は変かもしれんが、お主たちにワシら神が頼む以上必要なことだと判断した。

 それに言わずとも、お主らは自身の経験から理解しそうだからな」


 クランドールはそんなことを言ってのけた。


 「否定・・・出来ないな・・・・・・」


 ぽつりと呟いた永久の言葉は果たして2神に届くのだろうか?


 「久遠の質問に答えると能力(スキル)は、大まかに2種類に分かれる。

 知っているだろうが、自発型能力(アクトスキル)自動型能力(リアクトスキル)の2つだ。

 意識して使うOr無意識下で使うかだ。アテンドールの挙げたものは全て自発的能力(リアクトスキル)になる。それ故に、任意での発動は不可能に近い」


 クランドールの言葉に疑問を感じた。


 「不可能ではなく、不可能に近い(・・・・・・)とはどういうことだ?」


 それに素早く気付いたのは永久だった。


 「気づいたか。理由は簡単だ。 

 称号(ピュリア)により発動する(つく)能力(スキル)がある。

 有名なのは英雄(ヒーロー)魔王(デビル)だな。効果は"威圧(プレッシャー)"だ」


 「両方とも同じものと思ってもらって構わない。ただ人が崇拝する対象か、魔族が崇拝する対象かの違いだ」


 クランドールの言葉に、アテンドールが補足を加えた。

 

 「内容は"崇拝(キボウ)"が自動型能力(リアクトスキル)で、"威圧(プレッシャー)"が自発型能力(アクトスキル)と言うことか?」


 永久の確認にアテンドールが頷き詳細を語る。


 「能力(スキル)は、幾つかのランクがある。

 一番多い"能力(スキル)"、能力(スキル)の進化系"特化能力(エクストラスキル)"、稀少性の高い"固有能力(ユニークスキル)"、最後は圧倒的に少数で最も強力な"神権能力(レジェンドスキル)"の4区分になる。」


 永久はうんうん頷いている。


 「"神権能力(レジェンドスキル)"に当たるのが、不老長寿、LVアップ時ステータスアップ、獲得経験値・増、必要経験値・減、好感度補正になる。

 ”特化能力(エクストラスキル)”には残りの、身体能力上昇、絶倫になる」


 久遠は『そうなるか』と内心思った。ただ、固有能力(ユニークスキル)が一つもないことが少し気になった。


 「固有能力(ユニークスキル)を俺たちは持たないのか?」

 

 「ラグドリーズに行ってもらう者には、固有能力(ユニークスキル)の”迷宮創造(ダンジョンクリエイト)”を筆頭に”魔物創造(モンスタークリエイト)”・”悪魔召喚(サモン・デーモン)”・”魔物融合(モンスターユナイト)”などを受け取って貰おうと思う」


 クランドールがそう言った。


 「フェブリーズに行く者には、固有能力(ユニークスキル)は”鑑定(アナライズ)”・”自動地図作成(オートマッピング)”・”技術獲得率上昇”・”迷宮帰還(リターン)”数が少なくて申し訳ないがこれが限界になる」


 アテンドールは申し訳なさそうにしている。

 恐らくこれでも、かなりのチートになると思う。


 「気にしないでくれ。そう言ってもチートだから。

 それの他の能力(スキル)は貰えるのか?」

 

 マイペースな永久には、かなり些細なことらしい。

 アテンドールは、


 「あまり多い能力(スキル)はトラブルの元になる。

 主に、妬みの方向でな・・・。ワシらの与えるもの以外は、ポイントの引き換えにしてみよう。」


 と言った。正論であるため二人には文句などない。


 「引き換えで・・・ってことは、能力(スキル)以外にも使うってことか?」


 「そうだ。ステータスの基礎値、初期所持品その辺りを含めてだ」


 クランドールはそう言い、アテンドールは頷いている。


 「ここから先は、向かう世界を決めてから話そう」


 クランドールの言葉に、久遠はどうしても確認しなくてはならないことを思い出した。


 「俺たちが話を受けて、鏡面世界(ヴェラリーズ)に行ったらこの世界ではどんな扱いになるんだ?」


 『そういえば!!』と言う顔の永久と、『神隠しは嫌だぞ』と言う久遠に対し、アテンドールはこう言った。


 「安心できるかは分からんが、『最初から存在していなかった』ことになる。

 お主たちの存在を知るのは、ワシたちとお主らのみだ」


 「家族に心配をかけなくて済むなら安心だな」


 そういう久遠の側で永久は決めたらしい。


 「久遠。俺はフェブリーズに行って、冒険したい」


 「わかった。俺はラグドリーズに行こう」


 「「感謝するぞ!!お主たちの選択に!」」


 2神には笑顔が浮かんでいる。


 「永久はワシ、アテンドールが導こう!」


 「久遠はワシ、クランドールが導こう!」


 2神の言葉に、二人の意識は薄れていく。


 「「元気でな!また、会おうぜ!!」」

 

 そう、白無の空間に響いた。


 プロローグはこれで終わります。

 次話から、久遠・ダンジョンマスター編になります。


次回更新は、1月10日を予定しています。


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