違和感と転校生と破壊力
俺は今、とてつもない違和感に襲われている。
家から学校まで追われることなくたどり着いたのだ。
…いや、それが普通なのだが。
普段なら女子の2~3人に追われていてもおかしくないはずなのだが。
そして今、俺は学校の校門に立っている。
ここでその違和感が本当におかしいことに気がついた。
いつもならここで待ちかまえてる女子の大群がいるはずなのだが、
今日は至って平和な学校だ。
「ここまで来ると逆に不安だな…これを異常だと思ってしまう俺も俺だが…」
「おーい、陽ー」
突然の後ろからの声。
「おう、大鷹じゃねえか」
後ろからパタパタと小走りで近付いてきたのは隣の席の大鷹だった。
「珍しいねー、陽が他の女子に追われてないなんて」
「…お前もそう思うか?」
「うん。…あ!」
「どうした?」
突然大鷹が何かを思い出したかのように手を叩く。
「そう言えば、今日転校生が来るって噂があったんだよー」
「転校生?」
「そうそう、まあ噂に過ぎないんだけどね」
「ふーん、それを見に行ってるとすれば辻褄はあうな」
そんなことを話しているうちに教室まで着いてしまった。
自分たちの席に着くなり先生が入ってくる。
「皆さん席に着いて下さーい、今日は皆さんにお知らせがありまーす」
それを聞いた俺と大鷹は顔を合わせる。
「もしかして…」
「もしかしなくても転校生だろ、こりゃあ」
「ではどうぞー」
先生が扉に向かって声をかけるとガラッと開き、そこから現れたのは…
「…おお」
「うわあ…」
「鷺元クリスです、よろしくお願いします」
金髪、碧眼、高身長、整った顔立ち、俺でも分かる。
「すっげえイケメンだな…」
「こりゃすごいねえ…」
あまりの破壊力にクラスがシーンとなってしまっていた。
俺には微笑んだ口元から除く歯がキラーンと光っている気がした。




