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逃走とお嬢様と理由
「ぜえ…ぜえ…も、もう来ないか…?」
なんとか女子をまくことに成功した。
「とにかく…教室に行かないと…」
ふらふらとした足取りで教室へ向かう。
この学校は実は相当なお嬢様学校だったらしい。
そう、だったのだ。
この学校は、今年から共学化された。
それを知らずに俺、鈴河陽は転入してきてしまったのだ。
さらに今年の男子入学者は0人。
つまり現在、この学校に在籍する男子は俺一人。
だが、いくら男子が俺だけだと言っても、
特に顔がいいわけでも金持ちでもない俺が追われるのには訳がある。
この学校にくる生徒は大体がいい所のお嬢様。
その中でも俺の事を追ってくるのは、一人っ子の女子だけだ。
何故かと言うと、他に兄弟がいないとなれば学校を卒業したら待っているのは、
父や母の跡を継いで、働くという選択肢のみだ。
つまり、それを避けるため唯一の男子である俺を狙っているのだ。
「はあ…勘弁してほしいよ」
なんとか教室までたどり着いた。
ここに来るまで他の女子に見つからなくてよかったな…
とにかく…自分の席で休まないと…




