凶星【スティグマ】
そこは圧倒的な黒き龍と人々の戦場だった、龍は敵を殺し、人は逃げ惑う、そんな空間。
「あれはッドラゴンっ!?」
「めんどくせぇ、俺達でも勝てないかもしれないな」
「そんな簡単にっ」
決心をしよう、あれを使おう。
「あれを使う」
「なっあれ!?あんなの駄目だ!確かに勝てるかもしれないが!」
「文句を言うな、やると言ったらやる、どけ」
「いやだ!やめろ!絶たごぼっ」
「さて、行くか」
「待って下さい!!」
「なんだ?止めても無駄だぞ?」
「彼がいっていたあれってなんなんですか!?」
「あははははっははははそんなことかよ!?大丈夫さ、死にはしない、ちょーっと左腕の義手がはじけ飛ぶ位だから」
「なっそんな!ていうか玲人さん左手は義手だったんですか!?」
「まあいいさ、見ておけよ、生まれつきの左目の魔眼、凶星・・・スティグマを」
「スティグマって…魔眼なんですかッ!?魔眼って負荷がかかるんじゃ・・・!」
「そんな軟にできていないさ、確かに痛いけどなぁ」
「じゃあっ!」
「痛みを覚悟しないで戦うのなら、前衛職はできないからな、それじゃ」
「そんな・・・」
龍の傍へ行く。
『そなた・・・何者だ、今までとは違いすぎる魔力だ』
「流石龍、念話なんかお手の物だよね、まあ普通か」
『クカカッお主を喰えば強くなれるだろうよ、愉快だなぁお主は、まあ喰うからどうでもいいか、ところで、貴様の左目の眼帯、何だそれは』
「これか…見せてやろうか、少し待て」
そういうとおれは制服から俺の中で一番なじむ魔装―――魔法の装備を付ける。
「じゃあ…魔力解放ッ」
有り得ないほどの魔力を開放し、周りは吹き飛ぶ。
それとともに左目の眼帯が吹き飛ぶ、まだ眼は閉じている…いや、開けられないという方が正しい、この左目は、すべてを通過して見えるから見たいところだけを普通の眼のようにつかう、だがこれは副次的な効果、本来の力は長い詠唱をしなくてはならない。
「行くか… 漆黒に染めるその左目よ、すべてを喰らう闇よ」
「命をもってして彼の物を奪い取れ」
「生きる理由のない、そして求められる黒き光よ」
「すべてに見捨てられ、すべてを受け止め、そして全てと溶け合う闇よ」
「光とともに蒼穹を生きよ」
「そして全てをなきことにしよう。ならば、この生涯に意味はなく」
「この空を、黒き凶星となり、因果を殺す闇となれッ!魔眼解放!!凶星!!」