魔法世界と二つ名
八神玲人それが俺の名前、科学の力が発達していたこの世界で、五年前、謎の生物が大量に現れた。そして一部の者には、以前存在しなかったもの、魔力が現れた。
魔力適合者、通称魔道師は魔法でしか出来ない事を仕事としたり、持たぬ者達への救助などに利用したりなどした、しかしそれはあくまでも三年前までの話、魔力を持たない者へは差別や今までの世界では禁止されていた、奴隷などを無理やり魔法で隷属化させるなど、魔力を持つ者のみの特権などが作られた、俺は、魔力を持つ人間だ、だけど隷属させたり差別をしたりなどする気もない、世界の中でも珍しい水平魔導師の一人だ。
しかし水平魔導師は日本で500人、世界で100000程度だ、そして水平魔導師のみの人間差別を無くす為の同盟が水平魔導師同盟だ、水平魔導師の力により、この世界に人間差別はなくなった。
そんな話は置いておいて、今俺がいる学校、日本国立魔導師育成学園だ、この世界で一番優秀な魔導師が多くいるのは日本だ、そのため海外からも編入生や留学生が多く来る、おもにこの学園で魔法を持つ者の属性は炎か風が多い、しかし例外も無い訳でもない俺自身も、俺と一緒にモンスター討伐で一緒に名を挙げた親友も、珍しいなんて言葉では表せないほど希少な属性だ、一部の魔導師は二つ名がつく。
俺は学生だが沢山の成果を挙げたため、結構有名な二つ名として『凶星』や『常闇の狂戦士』、そして『虚数地獄』等の二つ名が存在する。
どうも恐ろしい二つ名だが、周りからはなぜかモテる、話を聞くと、「かっこいい」や「二つ名は怖いけど本当は優しいギャップがいい」などの理由があるらしい、さらには親友のハクからは参謀と呼ばれたりなど散々だ、ハクというのは親友の白王 仁だ、こいつの二つ名は『炎色公主』や『封印物語』そして『希望光の守護戦士』など俺とは違い思いっきり護ってくれる感じの二つ名だ、そのため俺よりもてる、べつに女性は好きじゃないが二つ名の違いに少し理不尽さを感じた。
「おーい怜人!優等生のお前がボーっとして、何かあったのか?」
確かこいつはうちのクラスの担任で魔法付加系の教師だった気がする、メガネをかけていて髪が後退し始めている。
「そういえばまだ授業中でしたね、すいません、終わるまでは精々その簡単なことをほかの生徒たちに披露してあげてください」
とりあえず皮肉を込めて言ってみる、しかしこの世界でかなり希少な属性の『闇』を持つ俺と戦えば付加魔法使いなどのような支援型が勝てるわけがない、そのため担任は何も言えずに黒板に魔方陣を書く、そうしてこういった。
「これが攻撃付加の魔方陣だ、だれかやってみろ」
誰も手を挙げない、それもそうだ。付加系魔法など自身の強化魔法で普通に応用できるし起動が難しい、さらにこの教師は失敗すると全ての教科点数を下げるようにするのだ、だれも手を挙げないわけだ、そのため俺が挙手する。教師にでは怜人、と言われたので立ち上がりこう言った。
「わかったよ、またここの奴等は人に頼る、ここで俺がお前らに特別講習だ、付加魔法系は魔方陣が複雑で覚えるのが難しい、だから大抵付加魔法を使う際は何かに書いて魔力を流し発動し消耗品として扱う、だが逆に言えば、すべて覚えればいつでも付加することができる、こんな感じにな」
俺が付加対象としたのは教師の頭、詳しく言えば後退したところやしかけたところだ。
俺がそのとき思ったことは。
「やりすぎた…」
教師の髪の毛が、滝のように教室の床へと垂れ下がった。