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推しが神様の世界に転生したのならば俺は……  作者: 大坂オレンジ
そんな世界に転生したら俺は神様にだって……

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そんな世界に転生したら俺は神様にだって……31

 ティマリール神が現れたとされる森から戻った俺たちは、城下町へと向かう俺と、再度講堂に向かうライラとメイに分かれることとなった。

 ライラはロッカ村の教会運営に活かせる知見がないか、メイから詳しい実務の話を聞くようだ。

 俺も当初の予定通り、一人で礼拝をするつもりであったが、メイからの情報提供により、急きょ城下町へと足を運んでいた。

 城下町、特に商店が集まる場所は、昨日に引き続き大きな盛り上がりを見せていた。日用品や嗜好品などが売っている店先は特に顕著である。

 しかし、俺が向かった先は、それらと違って物静かに構える店だ。

『ヴァーレは比較的、信仰が厚い国ですから。前回のように歩き回らずとも、見つけることができると思いますよ』

 メイのその言葉の通り、しばらく散策しただけで目に入ったのは、彫刻や石像が並ぶ骨董品店である。

 美術品と並べられる彫刻像には様々な形があり、一際輝いて見えるのがそう、

「うおおおおおぉぉぉぉ…………っ!!!」

 ティマリール神像、である。さっきもそうだが、俺はたまりるを見ると唸ることしかできない。

 以前、譲り受けた時のお店とは違って、数多く並ぶティマリール神像の感動たるや!

 店内が静かなのは、これらの用途が飾るくらいしかない芸術品であったり、文字通りの魔除け程度でしかないから、なのだろうか。確かに、神様の彫刻などは盛り上がって眺めるものではないか。

 となると、店内のティマリール神像を、目を輝かせながらはしゃいで見ている俺は、かなり怪しい人物なのかもしれない。それもそうだ、俺のこれは信仰ではなく推し活なのだから。

 それに、今回はちゃんとお金もある。前世とは違う種類のお金はイマイチ理解出来ていないけれど、多分買える……はず。

 俺は、大小あるティマリール神像を片っ端から物色することにした。シンプルな立ち姿のものだけではない、祈る姿や我々を慈しむ姿など、どこを切り取っても絵になるたまりるを、ひたすら吟味し続けた。

 それから、店内をひたすら歩き続けて、どれくらい経っただろうか。

 まるで本業の職人のような鋭い観察を続けた結果、一つの結論に至る。

(…………他の店も見て回るか)

 これだけ商品を睨みつけるように観察して、何も買わずに出ていく俺の背中に、店員の視線が突き刺さるように思えた。仕方ないだろ、全部は無理なのだ。

 いや、国王様に今からでも直訴するか? 魔王神討伐の報酬は、城下町にあるティマリール神像の全てでお願いしゃっす、って。だから、本当にまた牢屋に入れられるぞ、俺。

 そんな、本当にくだらないことを考え込みながら外を歩いていると、うっかり人にぶつかりそうになってしまった。

「……あっ、すみません……っ!」

 反射で謝罪を口にして顔を上げると、通常見えるはずの顔が見えない。更に上へと視線を上げていくと、目の前にいる男が、随分とデカいことが分かる。

「…………ん〜? 何じゃあ……?」

 そんな大男にぶつかってしまったことに青ざめそうになる瞬間、その男が知っている人間だと遅れて気付いた。

「……どうしたんですか、ダズさ…………えっ? マルコ……か?」

 その後ろから現れたのは、見慣れない軽装に身を包んだダリル、そして俺がぶつかった男は、魔王神討伐任務にて合流した、ダズ・グレイスであった。

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