そんな世界に転生したら俺は神様にだって……27
ダリルたちとは、あの日のロミ平原で別れてから会っていない。兵士としての活動に支障をきたす何かがあったのだろうか。
「私も詳しくはお伺いしておりません、個人的な事情かもしれませんし。ただ、レオン様から直々に命ぜられたようで……」
メイはすぐさま、レオンの印象が悪くならないように弁明した。
「勿論、レオン様のご判断が間違っているとは思いません! あの方は、厳しくもあり、それ以上にとてもお優しい方ですので……!」
「ええ、私もそう思いますよ。……ですが、少し残念でもありますね」
ライラは寂しそうに目を伏せた。彼女は俺とは違い、自身の村を守ってくれる衛兵としての感謝もあっただろう。
「二人がここを立つのは、しばらく先の話です。レオン様に聞けば、お会いすることも出来るかと思います。ただし、向こうはマルコさんたちがヴァーレにいることを知らないと思うので……」
なるべく早めに動かないと、ということか。
ダリルとは、ロッカ村で初めて見かけ、ティマリール教会で敵として戦い、その後共闘することになった、波乱の関係性だったな。
「……そうだね。ライラさんも、時間が合うようだったら一緒にどうです?」
「勿論です。シスターとして、二人の旅路にティマリール神様のご加護をお祈りしなくてはいけませんから」
人との関係性は、いつまでも一定に続くものではない。出会いがあるように、別れもまた人に付きまとうものだ。
俺がこの世界に転生してからは、この世界の様々な人と出会ってきた。誰かと出会うばかりで、そんなことをすっかり忘れてしまっていたのだろう。
なんだか少しだけ、これから先のことを考えてしまった。
俺はこれから、どこに向かっていくのだろうか。目の前に起きた出来事に対応することに精一杯で、ゆっくりと考えることもなかった。
こんなに知らないことばかりの世界で、何を想像できるのか? というのは言い訳だな。誰かに尋ねることだって、自分で調べることだって、今なら出来るのだ。
まずは目下の課題である、ユウナ姫の問題だ。だが、それと同時に、そこから先のことも考えないといけない。
ダリルの退役は、俺にそんなことを考えさせた。
「……ところで、ダズはこれからどこへ?」
「ああ……、あの人は元々足取りが掴めない人でしたから、また好きなように生きるんじゃないですか?」
メイのややぶっきらぼうな言い回しに違和感を覚えると、
「あの男……今回の任務に対する報酬で、レオン様との一騎打ちを希望しまして……」
それはまた……、まさに戦闘狂というか。だからメイも荒れているのか。
「全く……、レオン様が止めなければ、私がヴァーレ城の新しいモニュメントにしてあげたところを……」
据わった目でブツブツと呟くメイ。気になるマッチアップではあるが、今の彼女に詳細を聞くと、それこそ芸術品にされてしまいそうなので、ここは口をつむぐこととした。




