表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
推しが神様の世界に転生したのならば俺は……  作者: 大坂オレンジ
そんな世界に転生したら俺は神様にだって……

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

87/125

そんな世界に転生したら俺は神様にだって……26

「うおおおぉ…………っ!!!」

 連れてきてもらった講堂に入った時、これには俺も唸り声を漏らさずにはいられなかった。

 ただでさえその外観に圧倒されたが、ロビーや通路を通り過ぎてたどり着いた本堂は、それこそコンサートホールのような造りであった。

 天井は高く、やや下るように並ぶ座席からは、ヴァーレ国王軍の規模の大きさが窺える。

 魔王神討伐任務ではおよそ数十人程度であたっていたが、総戦力でいえばそれを遥かに上回る数なのだろう。

「……如何ですか? これほどの規模を持つティマリール教の講堂はなかなか珍しいかと思いますよ?」

 そんなヴァーレ国王軍魔術師の上層部にいるメイが案内してくれていることも、今思うと途端に身が引き締まる思いである。

 いや、実際はそれどころではなかった。

 まるでステージ上、スポットライトに照らされるように鎮座しているティマリール神像を間近で見ようと、許可が出る前に足が動いた。

 遠くから見えるティマリール神像は、まさにアリーナのスタンド席から見える小さな国木原たまりそのものである。何なのだ、このリアリティは。

 座席間の通り道をするすると進み、台座の目の前でティマリール神像を見上げる。

 近付いてみると、俺の知っている国木田たまりよりも幾分か大きい、銅製の神像であることが分かった。

 そして、模られたたまりるを注視する。今までのティマリール神像は、どれも別々のシーンが切り取られたものだったので、これがいつのたまりるなのかを読み解く楽しみ。まるで考古学のような解読は、オタクが活き活きするシーンのひとつである。

 これは…………はいはい、分かりましたよ。これはデビュー五周年を記念した、5thアニバーサリーライブのワンシーンとみたね。

 更に言えば、この講堂も当時の開催地であるYアリーナを彷彿とさせるキャパシティときたもんだ。

「うっわ…………あっつぅ〜……」

「えっ? 暑いです? 言うほどではないと思うんですけど、……大丈夫ですか?」

 素直に心配してくれるメイ。申し訳ない、俺はずっと前から頭がおかしいんだ。

「マルコさんはいつものことなんで、放っておいても大丈夫ですよ。……でも、本当に素敵な銅像ですね……」

 俺を軽くあしらいつつ、ライラは俺の横でティマリール神像を見上げた。

 不本意な部分もあるが、彼女の言っている事は正しい。ロッカ村のたまりるも良いが、ヴァーレのたまりるも捨てがたい。それを思えば、オタクの俺のことなど放っておいたって構わないのだ。

「他の方々が見えないですけど、いつもこのような……閑散とした雰囲気なのですか?」

「ええ、最近は魔王神の動きもあったので騒然としておりましたが、そちらも落ち着いたので……。今は各自で近くの村や町へ出て、魔物たちからの影響が無いかを調査しているところです」

 なるほど、普段のヴァーレ国王軍の魔術師たちは、そのような活動をしているのか。軍の人たちだし、戦争中とかなら話は別だろうけど、普段はそういった衛兵的なポジションなのかね。

 すると、メイは話の中で思い出したかのように続けた。

「あっ、そう言えば……お二人はダリルさんとダズさんには会いましたか?」

「いえ、ヴァーレでは会ってませんが……もしかして、今はこちらにいらっしゃるんですか?」

 ライラと同じく、俺も二人には会ってはいない。昨日から今にかけて、自由に行動出来る時間も限られていたからね。

「マルコさんとライラさんに会いたがってましたよ。……お二人とも、少しの間ここを離れるようでして……」

「ここを離れるって……。そうか、ダリルはロッカ村の衛兵からも離れるってことか」

「そうなんですね…………次はどちらへ配属されるんですか?」

 何気なくした質問に、メイの表情は少しだけ気まずそうに首を傾げた。

「実は私も存じ上げなくて…………恐らく、国王軍から……退役されるのではないかと……」

 その言葉に、俺たち二人は互いに何かを思ってしまったらしく、目を合わせて口をつぐんでしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ