表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
推しが神様の世界に転生したのならば俺は……  作者: 大坂オレンジ
そんな世界に転生したら俺は神様にだって……

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/125

そんな世界に転生したら俺は神様にだって……10

「ご……ごめんなさい、すぐにオーケーとは、言えず……」

 俺の口から出たのは、こんな美味しい話を断ってしまう言葉だった。

 彼女と目が合った瞬間、色んな思考が頭を過った。彼女の可愛らしさや、もし本当にこの誘いをお受けした時の生活とか、断った時に国王やレオンにどう思われるのか、とか。

 その中にひとつ。彼女はこの話を、どう思っているのだろうか。

 国王も、レオンも、どうぞお願いしますと言った様子ではあるが、彼女はどうだろう?

 俺の想像でしかないが、彼女の立場からすればいい迷惑ではないだろうか。レオンほどの素敵な男性ならまだしも、最近名前を知ったその辺の一般人と急に婚約しろと言われて、困惑や憤りがあって当たり前だ。

 ユウナはこの話が出てからも、ただひたすらに、すました表情である。怒るでも照れるでもない、そんな義務的な表情。

 そんな彼女の顔を見て、国王もレオンも両親も、俺自身の願いも横に置いてしまった。彼女を思うと、どうしてもイエスが出てこなかったのだ。

「……そうか…………」

 国王は怒る事などはしないものの、その失意の返事で俺は我に返った。

 ユウナ姫の為とはいえ、彼らの希望に沿わない返事となったのは事実だ。二人にどう思われるか、想像しただけで具合が悪い。

 それに、俺みたいなアイドルオタクに、こんな可憐なお姫様が嫁になってくれるチャンス、普通だったら一生をかけても巡ってこないだろう。

 二度目の人生にまで渡って掴んだチャンスを棒に振ってしまった。そうか、だから前世では彼女ができなかったのかな。……うるせぇよ。

「国王、今回は期待した返事がありませんでしたが……」

 レオンが俺と国王の間に割って入るように、口を開いた。

「ユウナ姫の呪いを解くには、彼の力が必要となります。先ずは、そこを協力してもらうのはどうでしょう?」

 レオンはそのまま横目で俺をちらりと見る。

「それに、まだ会ったばかりで婚約というのは難しいかと存じます。これからの生活で触れ合う事で、思いが変わることもあるのではないでしょうか……?」

 そんな提案に国王も、そこまで厳しい反応はしていない。その辺が妥当だろうな……とでも言いそうな様子である。

 俺からすれば、一国の姫をまるでキープさせて下さいみたいな提案、口が裂けても言えないけどな。これアリなのかよ?

 いやいや違うな、これはレオンが提案したから通る話だろう。俺が言い出そうものなら、その場でレオンが介錯人になってくれるかもしれない。いや、切腹は誉なんだっけ? それなら介錯ではなくシンプルな斬首だったかもしれない。どちらにしろ、俺の第二の人生が終わるところである。

 ところで、呪いを解くのに俺の力が必要って話だが…………これ、初耳なんだけど。

「……マルコ君、しばらくはこの街に滞在してくれるのだろう? 宿の当てはあったのかな?」

 唐突に国王が話題を変えてきた。質問の意図も、問いに対する回答も分からず、俺は助けを求めるように視線をレオンへ向ける。

「我々の方で宿泊先を確保しております。ヴァーレ城から少し離れた場所になりますが……如何なさいました?」

 レオンの問いに、国王は少し考えた様子で口を開いた。

「マルコ君が良ければだが、この城に宿泊してくれないか? 勿論、ライラ君にも個別に部屋を用意しよう。……どうだろうか?」

 その言葉に、レオンも明るい表情を浮かべた。

「それは良いですね! マルコとは明日以降もお願いしたいことがありますので、そのように手配いたします」

 ハキハキと答えるレオンだが、俺はまだ何も返事していない。国王は今、マルコ君が良ければって言わなかったっけ?

 それでも、国王のお誘いを蹴って狼狽えている俺が、話の流れを切ることはできなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ