表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
推しが神様の世界に転生したのならば俺は……  作者: 大坂オレンジ
そんな世界に転生したら俺は神様にだって……

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/77

そんな世界に転生したら俺は神様にだって……4

 メイに連れられてしばらくすると、いよいよヴァーレ城の目の前まで到着した。

 高層ビルのような高さは無いが、豪邸を超える横幅や、あらゆるところに表れるデザイン性は、生前の俺が創作の世界でしか知ることのないものだった。

 普段通りの涼しい微笑みを浮かべているライラを横目に、俺は立派な城門を背中を丸めながら進む。

 あまりにも場違い過ぎる自分の様相を恥じながら、国王との謁見にプレッシャーを感じ始めてきた。

 入り口まで進むと、大国の城に相応しい大きな扉を、メイが両手で開く。城内も当然煌びやかな作りとなっており、照明の装飾や絨毯の高級感は、外観に相応しいものだった。

「────どうぞ、お待ちしておりました!」

 扉が開かれてすぐのところに立っていたのは、スーツのような正装を身に纏ったレオンだ。

「レオン様、お久しぶりです。変わらずお元気そうでなによりです」

 俺よりも先に、ライラが丁寧なお辞儀をしながら挨拶をする。

「もちろん! ヴァーレの賑わいはどうだったかな? 後でまた楽しんでほしい!」

 嬉しそうに話し出すと、レオンは建物の奥を指差して「それじゃあ行こう」と進み出した。

「それに、僕は今日をとても楽しみにしてたんだ。やっと君たちをヴァーレ城に招待できるってね!」

 ニコニコしながら先導してくれるレオン。それに対して俺は、変わらずヴァーレ城の空気に呑まれていた。

「……もしかして、嫌なことでも思い出したかい?」

「えっ? いや、そういう訳じゃ……」

 不意にレオンから声をかけられた。あまりにも俺がビクビクしてたから、何らかのトラウマでも心配してくれたのか。

「魔王城も全く同じ構造だったからね。あまり思い出じゃなかっただろうし……だからこそ、この煌びやかなここを見せたかったんだ」

 レオンは普段よりも優しい目で辺りを見渡した。

 言われてみれば確かにそうだ。魔王城で歩んだ通路と全く同じである。

 魔王城の薄暗さとはあまりにもかけ離れた景色だったので、全く気付かなかった。

 レオンなりの気遣いもあっただろうが、レオンが持つヴァーレの誇りも大きくあったのだろうか。

 すると後ろで、メイが恨み言のように溢した。

「私が魔王城に入った時は、意地の悪さを強く感じましたけどね……。ヴァーレ城を模して待つなんて、本当に……」

 確かに、ローブの魔物なんかと相対している時、いや魔王城が見えた辺りから、メイは随分と気力が削がれていたようにも思う。

「でも、だからこそ魔王神まで迷う事なく向かうことができたからね。もしかしたらアレは……魔王神なりのおもてなし、だったかもしれないな」

 レオンは手を顎に当てながら、考え込むようなポーズを取った。

 うげー、そうだとしたら流石にズレ過ぎてるよな。でもマキラならば……充分にあり得るのが嫌だね

 更に進んでいくと、魔王城にあった謁見の間の前まで到着した。あの時、ライラと共に開いたドアと同じ形ではあったが、色合いが違うだけで印象はガラリと変わる。

 「……あっ、すまないマルコ、今日は謁見の間ではないんだ。今回の会談も公のものではなくて……」

「あっ、……そうですか……」

 謁見の間を見つめていたところを、レオンに声をかけられた。

 ここで会うわけではないというのは、正直少し有難い。あんな広間で王様と会うのはなかなかハードルが高いからね。

「この先の部屋だから、もうすぐだよ」

 そう言われると、さっき肩の荷が降りたのも束の間、急にドキドキしてきた。

 国王に挨拶とかするんだよね? 服装についてもそうだけど、挨拶の流れとか全然教えてくれないけど、本当に大丈夫だよね? 直前になったら教えてくれるのかな?

 先導してくれていたレオンが、遂にドアの前に立ち止まり、ノックを二回する。

「レオンです。お伝えしております、二人の主役をお連れいたしました」

 レオンの声掛けに、室内から返事のようなものが返ってくる。ドア越しで良く聞こえなかったが、今のが国王様の声なのだろうか。

「既に国王は中で待ってくれてる。……大丈夫、怖い人じゃないよ、安心して」

 無邪気に笑うレオンは、そのまま俺たちに断りを入れることなく、扉を開け放った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ