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異種族エンカウント ~王女の命令で始めたら、異種族娘が可愛くて文化になった~  作者: ある
第一章 ~この世界、接客の基本は触れ合いから~ スライム娘
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スライムの優しさに溶かされて

 この国――〈ミューリア辺境自治区〉は、いわゆる“異種族の国”である。

 エルフ、ドワーフ、獣人、ハーピー、リザードマン、スライム、サキュバス――

 名を挙げればキリがないほど、多種多様な種族が当たり前に暮らしている。


 そしてもう一つ、この国には「店文化」というものがある。

 それぞれの種族が自身の特性や性を活かした〈もてなしの店〉を営み、客はそこに通う。

 ただ酔い、ただ癒やされ、ただ満たされる。争いも政治もここにはない。


 男たちは言う。「あそこは楽園だ」と。

 女たちは言う。「男ども、また行ったの?」と。


 そして、俺――シンヤは、そんな世界に惚れ込んでここに住みついたひとりの人間だ。




「……で、今夜はスライムか?」


 ギルドのカウンター前、木製の机に肘をついて座るのは、ドワーフの戦士・モグ。ごつい指で酒瓶を転がしながら、ニヤついている。

 コイツは同じ常連で、だいのふともも好き。異種族のふわふわ具合にうるさい。


「ふむ、僕は初見の店は好きじゃないが……“ぬめり対策クッション”という気配りには興味がある」


 隣でワイングラスを回すエルフの魔術師・ティルも、真剣な顔で呟いた。

 コイツは理知的なくせに、異種族文化にハマり知識をひけらかす。俗にいう、インテリオタクだ。

 エルフにしては妙に性に貪欲で気が合う仲になった。


「さすが俺のセンスが分かるやつらだよ」


 俺――シンヤは満足げにうなずいた。

 三十を少し過ぎた、地味な冒険者。戦って、稼いで、そして夜になれば店に通う。それが俺のライフスタイルだ。


「しかしお前が店に俺らを誘うとはな。珍しい」


「……まあ、ちょっと見せたいもんがあってな」


 俺は腰の袋から、小さな丸いクッションを取り出した。触るとぺたっと柔らかく、内部は耐水性のスライム用繊維でできている。名付けて――


「"ぬめり対策クッション・Type S"ちゃんだ」


 モグとティルの目が光った。


「お前、こんなもんまで作ってたのか」


「これ……店側が泣いて喜ぶよ。いや、実際に泣くかは種族によるが……」


「スライムの身体って、床に長時間接してると水気が偏るんだよ。だからこういうのをさっと敷いてやると、すごく喜ばれる。まあ、常連の礼ってとこだな」


 そう。俺はただの女好きじゃない。

 自分の気持ちを満たすことと、相手がどう感じるか。そのバランスを大事にしてる。

 その気配りが効いたのか、俺が紹介した店は外れなし、って評判になってるらしい。


「また、妙なもん作って」


 横から冷めた声が差し込んだ。

 カウンターに肘をついていたのは、ギルドスタッフのリア。長いピンク髪をひとつに結び、淡いグレーの瞳がじっと俺を見ている。


「そんなに毎日通って、飽きないの?」


「飽きたら人間なんてやってないさ」


「……ふぅん。じゃ、せめて酔い潰れないように」


 そう言ってリアは、蒸気の立つハーブティを俺の前に置く。目を合わせず、だがカップの中には"いつもより多めの回復草"が浮かんでいた。


「ありがとうよ。今度、リアの好きなクッションも作ってやるよ」


「いらない。……でも飲み忘れたら許さない」


 リアはそっぽを向きつつ、耳まで赤かった。


「よし、行くか。今夜は“ぬめりと灯りの部屋”でリフレッシュだ!!」


「ハーレムじゃなくリフレって言い方するあたり、逆に深いよな……」


 モグとティルが笑いながら立ち上がり、俺も腰を上げる。夜の風が吹き込むギルドの扉を開けると、外には異種族たちの看板が灯る幻想的な街が広がっていた。


 今夜の相手は――スライムの娘、ミィナだ。

 彼女の柔らかさに、心も身体も、全部溶かしてもらおうじゃないか。


「俺はこの国の全ての異種族っ娘をしゃぶり尽くすッ!!!」

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― 新着の感想 ―
初めまして、私も異種族っ娘好きです。 同ジャンルフェチとして、続きも楽しみです!
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