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第40章

アレフの生活はもうここで半年が経とうとしていた。近くの地理についてももう慣れたものだった。あの後水晶部屋には行けなかった。というより行かなかった。なぜならリチアから手紙が届いたからだ。届けたのはいつもの見習いの魔女だった。この魔女も仕事にはもう慣れてきたのだろう。こちらも目も見ずに手紙を置いていった。

リチアからはこっちは大丈夫心配はない。と書いてありあとは普段の日常について細々と書いてあった。これなら大丈夫そうだ。アレフは思った。何せ敵のことを知らなければ防御の手段も取りようがないからだ。このプラチスへの旅の初日に思ったことだ。リチアを狙う組織は必ずある。それも近くに。この半年で様々な情報を集め経験を積んだ。

どうにもスライムからの情報によればパイサリートのトップ謂わば頭領がよくないことをしているとの共通の噂が信じられていることがわかった。どういうふうに良くないのか、何が悪いのかはまだわからない。みんなそこまでは知らないようだった。しかしこのプラチスが作られた建国の神話のようなものと関わっているというのがわかった。つまりは最も良いものは悪を伴うという何らかの題だった。よく考えてみればこのプラチスの人々はそういう側面を持っていた。奴隷制がまずそうだし町並みは綺麗だが地下社会は存在する。カジノで儲かっているようだが奴隷に全てやらせている。汚い仕事をだ。


地理には詳しくなった。突然外を歩きたいと思ったアレフは公園まで行くことにした。そこで森の雰囲気を楽しみいい空気でも吸うことを考え向かった。

見たことのある顔がいた。一人でいる。子供だ。ドワーフの女の子だった。確かパイサリートの入口で掃除をしていた子だ。

その子と目があった。

「お兄さんまた会ったね」

話してみるといい子だった。今日は月一回の祝日だそうだ。奴隷というのは可哀想なことように思えた。何しろ月1日しか休みがないのだから。

いろいろと話しをした。アレフがこのプラチスに半年前にやってきたことなど。この女の子の話を聞いて思った。この子は奴隷からの解放など思っていないようだった。心が麻痺しているのかそういう思考回路が育っていないのか。いずれにせよ幼少時代からの習慣は染み付くものだ。現状変更を願ったところでもう無駄だということが分かったのかもしれない。いろいろと思っていたところでもう行くという。

「今度また会いたいね。」ドワーフの子が言った。

また同じ日の来月に会うことになった。今度はジュースを奢ってあげることにした。今は財布を忘れてきたのだった。

女の子は嬉しそうに帰っていた。



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