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第33章

バスを降りると種族でごった返していた。少し歩くとパイサリートというカジノの看板が見えみんな入っていくのが見えた。入口に子どもたちがいた。みんな霧吹きと雑巾を持って入口付近を清掃している。おそらく奴隷の子供なのだろう。少し見物していると子どもたちは休み始めた。休憩時間だ。子どもたちはひたすら話を始めた後、遊びを開始した。

ドワーフの子供とおぼしき男の子が

「せぇっせぇっせぇーのセスキ」と笑いながら歌っている。反対に受け手だったラミアの女の子が同様に「せぇっせぇっせぇーのセスキ」と歌った後スプレーをドワーフの子供にシュシュっとかけている。彼らは子供だが非常におかしな遊びだという印象を受けた。

子どもたちを背にパイサリートに入っていく。

エントランスは豪華絢爛でどこにも塵一つ無い。さすがは世界一売上を上げているカジノだ。少し歩いたところに大きなポップアップがあった。首を覗かせて見ると大きな競技のようだ。少し興味があったのでカジノに併設された競技場にも向かうことにした。

競技場は熱気で溢れていた。ざっと2000人は入るであろう施設で入ったときにはすでに競技は始まっていた。最初はわからなかったがすぐに現状を理解した。ポップアップには只の競技それも格闘技と書いてあっただけだったがそれは実質殺し合いに近いものだった。戦っているのは奴隷で非常に人道に反していると言わざるを得ない。この国の裏の世界を見たようだった。アレフの旅に出る前に住んでいたワタ村いやオーガッツという広い範囲で考えてもこんな競技はあり得ない。どこにもなかった。

競技は終盤だった。最後の競技者を見た瞬間怖れが全身に殺気だった。そこにいたのはシロンだった。いきなり消えたシロンがなぜそこにいるのかを理解するのに時間がかかった。しかしシロンは奴隷だったのだ。幸いなことに本当に不幸中の幸いという意味だがシロンは死ななかった。競技に勝ちどちらも死ななかった。観客2000人あまりは「なんだぁ」「つまんえねぞ」などと怒号が走ったがアレフにとってはひとまず安心といえるだろう。何せ少しばかり関わった人が死んでしまうのは心持ちが悪くなるからだ。

しかしこれでわかった。このプラチスという都市の裏の側面は徹底的に野蛮である。


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