表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

一話

「久しぶり、透真」

 ある日、僕が起きると、よく知っている男が僕じゃない名前を呼んだ。僕は、この男の頭がおかしいんじゃないかと思った。だって、そいつの名前こそ…透真なんだから。僕の、昔馴染みで親友。

「透真…?」

 また、透真は心底心配そうに自分自身の名前を呼ぶ。まるで僕の名を呼ぶように。苛立った。思わず、

「お前はなんで、お前の名前を何度も呼んでるんだよっ」

 なんて言ってしまった。すると、透真は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして、涙を流しはじめた。

「なんで…お前、泣いてんだ?」

「本当に…オレの名前が、透真だって言ってるのか…?君は…」

「ああ、そうだ。それがどうしたんだ?」

 透真は少し考えるような顔をして、すぐに何かを自分の中で決めたような顔をした。

「じゃあ、君の名前はなんだか分かる?」

「僕は、鈴木しずむ。お前の幼馴染だ」

「そう…じゃあ、オレの名前は?」

 こいつはさっきから何がしたいんだ。正直に答えていいものなのだろうか。いや、親友なんだ。信用しよう。

「お前は、佐藤透真。僕の…親友」

「そうか、分かったよ。君のこと」

「どういうこと…」

 僕が問いかける前に、透真は「またね」なんて言って、病室から出ていった。なんだったんだ…。というか、なんで僕は病室なんかにいるんだろう。

 ふと、枕元に何かがあるのが見えた。手に取ってみると、誰かの日記のようだった。僕は読んでみることにした。

 僕は知ることになった。僕が、誰で、本当は透真が誰なのか。そして、病室にいる理由も。

いいね・ブックマークよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ