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イノセント田中 第1話

作者: 千彩仙人

    『プロローグ』


 滋賀県の甲賀の街に、忍者の末裔たちから「曲者」と呼ばれている男がいる。彼の名は田中無垢〈たなか むく〉。年齢は三十歳。職業は人肉饅頭研究家。人肉饅頭の作り方などを研究し、書籍を出版したり、講演などを行っている。彼の名が田中無垢であることから、彼は忍者の末裔以外の人間からは「イノセント田中」と呼ばれている。「イノセント」とは「無垢・無邪気」という意味である。



    『第1話 イノセント田中』


 イノセント田中が深夜の公園で我流の酔拳の練習を行っていると、若い男が電子レンジを抱えて公園内に入って来た。男は茂みの中に電子レンジを捨ててその場から立ち去った。イノセント田中はバッグの中から常備している金属バットを取り出して、走って男を追い掛けた。男に追い付いたイノセント田中が金属バットを振りかぶり、男に向かって叫んで言った。

 「不法投棄は犯罪だろ!」

 イノセント田中はそう叫び、男の脳天へ金属バットを振り下ろした。男が「うおわあっ!」と悲鳴を上げて、両手で頭を押さえて崩れるようにその場に倒れ込んだ。イノセント田中が倒れた男に怒鳴って言った。

 「お前みたいな身勝手な人間がいるから地球の環境破壊が止まらねんだぞ!」

 イノセント田中はそう叫び、酒に酔ったように全身をゆらゆらと動かしてから、上体を後ろへ反らして金属バットを振りかぶり、男の腹へ金属バットを振り下ろした。男が「うぐおわっ!」と悲鳴を上げて、血を吐いて意識を失った。この公園の隅のベンチにいたホームレスの男性が、その暴行を目撃して悲鳴を上げた。

 「ああっ! 大変だあ! あの男が殺されちまう!」

 ホームレスの男性に見られていたことに気が付いたイノセント田中は、急いでその場から逃走した。ホームレスの男性が急いで公園の側の交番に行き、交番にいた警察官にこの暴行事件を通報した。しかし、警察はイノセント田中の行方を追おうとはしなかった。なぜなら、そう、彼は地球のヒーロー、イノセント田中だから。(♪テーテーテーテテー、テーテーテテテテー、日本はーまだまだー防犯カメラが少ないー故にー死角にーなる場所はー不法ー投棄がー絶えないぜーしかしー近年ー不法投棄の犯罪がー激減しているぜーそれはーそうさーイノセントー田中がー不法投棄をした奴をー最強のー拳法ーイノセントー酔拳でー立てない体にしてやりー悪因悪果というものをー教えているからなのさー地球のーヒーロー、イ、ノ、セ、ン、トーーー田中!)

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