第二話 目標
第二話 目標
守一の声が聞こえるようになり最初の帰路。俺はふと気づいた。「なぁ守一。お前霊体あるんだろ?」
「ああ」
「霊体って俺の背後と俺の肉体以外どこか収納できないのか?」
「さぁ?試した事ねえからわかんねぇよ。それがどうした?」
「お前の存在がハッキリした以上このまま家に帰るわけにはいかねえ。ウチには美咲がいる。」
「知ってるよ。その前は絵里だったよな?だからどうした」
「だからどうしたじゃねえだろうよ!俺がその......何してるか全部お前に丸見えじゃねえか。そうはいかねえだろうよー」
「クック顔真っ赤じゃねえか。まぁ言いたいことは分かった。今まで無かった俺が今からいますだもんなぁ。かと言ってどうするよ。お前が無視してくれれば1番いいんだけどなあ。」
「仏壇だ。玄関に仏壇置いてやる。頼むからそこに入ってくれねえか? 今から買いにいくから。」
「仏壇に入れるか分かんねえぜ? まぁ俺は間違いなく死んでるから大丈夫だと思うけど。」 決まりだ。スマホで検索して近くの仏壇屋を検索。すぐ見つかった。店内に入り物件?を探す。
「おい薫!コレがいい!ここならずっといられるぜ!防音だしお前も都合いいだろ!」278000円。とても手が出る値段じゃない。俺の手持ちは0が一個足んない27800円。
「なぁ守一。コレなんかどうだ?ちょっと小さいけどオシャレじゃね?」36800円。
「コレはダメだ。壁も薄いし隙間風がすごい。コレじゃ寝れねえよ。」
「オメエ死んでんだろ!? 隙間風が凄えだの寝れねえだのやりてえだのごちゃごちゃ言ってんじゃねえよ! なんだよ壁が薄いって!レオ◯レスかってんだよ!? 金払うのおれだぞ!?」「クッいいのか? んなこと言って? 俺はお前が普通に生活できるようにしてやろうって言ってんだぜ? このままじゃお前俺が消滅するかお前が死ぬまで女の子とお楽しみさえできねえぞ? クククッ」
ぐっ確かにそうだ。だが278000円...コイツをどう用意するか...
「薫、金だろ。お前俺をさっきの店で打たせろ、そうだな、家賃だ。家賃だと思って稼いでやるよ」
「お前ぶてるのか?」
「生前40年、お前が打ち始めて2年この時が来るのをずっと待ってたぜ。」
「分かった。お前の麻雀後ろで見ててやる。頼んだぜ。」
そうと決まったらまず、美咲にメールだ。「悪い。出張バイトが入って2週間ほど帰れないから戸締りとかよろしくね。」
そして石塚さんに電話かけてと。
「石塚さん。ちょっと彼女と喧嘩しちゃってしばらく店で寝泊まりさせてくれないかな? 学校とバイト以外は極力卓入るようにするからさ。うん。ありがとう、じゃあいまからいくね。」
賽は投げられた。俺のプライバシーを賭けた闘いが始まろうとしていた。