閑話の小ネタ集①
2巻の書籍化作業中のため、しばらく更新をごぶさたしております。
お待たせしている間に、ちょこちょこと小ネタやSSを放流させて頂きますので、本編の続きはもう少々お時間下さいませ。
【ワルツ・オブ・マリー】
「お二人の婚約式で踊られる、マリー様のイメージ曲を作らせて頂きます。つきましてはマリー様のご趣味や日常生活をお聞かせ下さい」
「え……と。わたしまだこの城に来たばかりで、お話しできるのは実家での暮らしになりますが……」
「――お待たせ致しましたグラナド伯爵、奥様のイメージ曲が完成致しましたので、演奏させて頂きます。曲名……『朝から地獄』」
「踊れるかっ!」
【馬の名前】
「ルイフォン様の愛馬の名前、面白いですね。誰が名付けたんですか?」
「もちろん僕さ! ……と言いたいところだが、実はこれは第二案でね。最初は全然別の名前だったのを、キュロス君が気に入らないって、無理矢理変えさせたんだよ。急に言われても思いつかないから、その場にあったものから取っただけなんだ」
「まあ、そうだったのですね。それはちょっとキュロス様も横暴な……第一案はどんな名前だったのでしょう」
「キュロス、ミオ、リュー・リュー、アルフレッドだよ」
「それは……ダメですね……」
【たくまし令嬢】
「そういえばマリー、前にロバを飼っていたと言ってたな。馬車の代わりに使っていたとか」
「ええ、ドンキという名前で。でも五年も前に……わたしが生まれたときから家にいて、可愛くて頼もしかったのだけど……」
「そうか……それは悲しい思いをしたな」
「はい……美味しかったです」
「………………あっ、そっちか……」
「だけどドンキのあとにすぐ牛を買いました」
「ああ、牛車か。可愛いよな牛」
「どちらかというと、ドンキのほうが美味しかったです」
「やっぱりそっちか~~……」
【キュロス様の疑惑】
「ルイフォン……前に、初めは痛いだけで全然気持ちよくない、って言ってたよな。……あれは……ガセか?」
「うん、僕の言い方が悪かったんだろうから笑わず普通に教えてあげるね。それって女の子の話だよ」
【ミオ様の襲撃】
「ミオ、あのカチコミは少々やりすぎだぞ。なるべく穏便にと思ってたのに……なんで男爵を窓から落としたんだ?」
「下が柔らかい土と芝でした。二階からなら死にはしないかと」
「何故落としたかの理由になってない」
「一度落としてみたかったので……」
「清々しいほど私怨」
【謎多きトッポ】
「やぁよいこのみんな~チュニカさんだよぉ。今日は個性的すぎると評判のグラナド城使用人一同の中、ひときわキワモノのトッポ料理長に、色々と質問してみたいと思います~」
「はーい。本名と国籍以外は何でも答えるよー」
「あっもうこの時点で怪しさモリモリ。えーとではまず、年齢はっ」
「ヨハンと同じ年だよ」
「……。……あっはい、次。身長と体重はっ」
「百四十センチ~百八十センチ。六十キロ~百二十キロ」
「なんですかその『~』は。ではいよいよ気になる、恋愛遍歴はっ!?」
「貴様は食べてきたパンの数を覚えているのかい?」
「それではまた来週! ありがとうございましたーっ!!」




