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天涯孤独の、ふたりだから  作者: 640orz
第三部 秋から、新たな日々へ
56/74

第五十五話 姉妹たちの、事情から

 

            第五十五話 姉妹たちの、事情から

 

 

 学校帰りである。彩夜が呼び出され訪れたのは、自身の家業である喫茶『白夜』と並んで、町内において老舗と言っていい、幼い頃よりよく知る、小ぢんまりとした、静かな雰囲気の甘味処だった。

 この街の人々の憩いの場という点も、『白夜』と同じ。

 店主は感じのいいおばあさんで、彩夜の子どもの頃からまったく外見が変わっていないようにさえ思える。

 この間に来たのは、いつだったっけ。考えながら、自身を呼んだその相手の姿を店内に探す。

 畳の生地をその敷物と、背中とにあしらった椅子の、テーブル席。

 並ぶそれらは三分の一ほどの席が埋まっていて。

 一番奥のそこに、ひとりぽつりと、彼女はいる。

 

「やあ。待っていたわ、アヤ」

 

 否、彼女は──戻ってきた。そう言うべきかもしれない。

 この甘味処の名物の、田舎風かぼちゃ汁粉を彼女は昔から好んでいた。折につけ、自分や、弟や。雨宮姉妹たちとともに幼い頃、彼女はここを訪れては、同じものを注文していた。

 そして今、彼女の目の前に置かれているものも、かつてと変わらぬ同じもの。

 その半分ほどを既に手を付けた汁粉を前に、銀髪おさげの少女は、ひと目見てそれがかつてと同じ彼女だとわかる顔立ちと雰囲気とで、彩夜を迎えた。

 

「時間ぴったり。相変わらず、きちんとしてるわね」

「──リース、ちゃん」

 

 期せずして彼女がこの街へと、日本へと戻ってきたことを知った。

 だから今更、驚きはない。

 ただこの再会を自分の中で噛み砕きかねている、持て余す感覚が心に満ちる。

 歓迎と、困惑と。両方を感じている自分がいるのだ。

 前者は、旧い友人として。かつて知る彼女は、多少強引なところはあれ、旧交をあたためることを拒むべくもない、よき友人だった。

 後者は、今の自分が得た友人と、その懊悩のために。

 また会えて、嬉しく思う。

 けれどあの日の不知火の弱々しい様を見て、接して。知っているからこそ、彼女をただ素直に歓迎のみするわけにはいかなかった。そういう気分にもまた、なれなかった。

 

「久しぶり。──なんだか、あまり驚いていないようね?」

「雪羽ちゃんから、聞いていましたから」

 

 交わした言葉は、半ばは真実で、半ばは嘘。

 直接、雪羽から彩夜に告げられたわけではない。

 あの雨の日の一件があって、訊ねた彩夜に対し、雪羽がそれを否定せず頷いただけなのだから。

 

「ほんとに、戻ってきてたんですね」

 

 彼女の対面に座る。お茶を運んできてくれたおばあさんに、餡団子を、と、見るまでもなく把握しているメニューから注文を済ませて、ひと息を吐く。

 

「そう。知っていたのなら話が早いわ。ユキのヴァイオリンのこと──あなたにも話を通しておきたくて」

「話? 通す?」

「ユキを連れていくこと。連れていくべきだってこと。あの子のために必要だって、白鷺のおじさまたちにもきちんと許可をとらないといけないでしょう?」

「ああ……許可。話って、そういう」

 

 いわゆる、根回しということか。

 彼女の連れていきたい少女の、幼なじみで。家族同然で。

 両親が、かの姉妹の後見人をつとめている彩夜を、味方につけようとしているのだと、そういうこと。

 そんな政治的な行為をするようになった友の賢しさを今、素直に受け容れられる彩夜ではなかった。あまり好ましい反応をできない。

 彼女が、不知火をあんな風にしたのだと──たとえそれが言葉の綾の結果にすぎなかったとしても、思いたくは、なかった。そのような結果を直接目にした以上は、やすやすと賛同など、できようはずもない。

 

「リースちゃん。あのね、彩夜は」

 

 今回の、あなたのやり方は強引で、間違っていると思う。

 引っ込み思案で、あまり直接的に他者を否定することを得意としない彩夜だけれど、今ここでははっきりそう言うべきだと思った。

 雪羽と不知火、彼女ら姉妹を想えばこそ。

 目の前の少女をもまた、友であると信じるからこそ。

 

「彩夜は、賛成できない? ──そんな顔、してるわよ」

 

 だから言い当てるように機先を制されて、息を呑んだ。上手に立たれたことで、動揺が表情に漏れ出るのを防ぎ得なかった。

 なにより雄弁な答えを、声も言葉もなしに、彩夜は彼女へと伝えてしまった。

 

「そう。反対なのね。──それはやっぱり、あなたがユキの、新しいお姉さんとも親しいから?」

 

 取り繕いようもなく、彩夜はぎこちなげに頷く。

 目の前の、銀髪をした友人は眉根を寄せて、双眸を細くして。腕組みをしたその指先で、とん、とん、と自身の肘へとリズムをとる。

 

「……私だって、あのときは言いすぎたとは思ってる。でもあのときは、言ってしまった。もうそれは戻らない。わかってるわ」

 

 ただ、私にとって、ユキの姉とはコサメで。たった半年やそこら、一緒にいただけで覆せるようなものではないの。そのことも、わかってほしい。

 リースは深々と息を吐きながら、彩夜にそう言って、言葉を差し出す。

 彼女にとって、雨宮 小雨という女性の存在の大きさがあったからこそ、今がある。そのことは彩夜だって、これまでの経緯を聞いていればわかる。

 彼女にとって、雨宮 雪羽という同年代のライバルがいて。

 彼女にとって尊敬すべき師表、目標としての、その姉である小雨さんがいた。

 きっと彼女もまだ、受け容れられていないのだ。

 喪失を。

 彼女の場合の──時間差を置いて訪れた、ふたつの喪失を。受け止めきれず、呑み込めずにいる。

 

「私は思う。たったふたりの実の姉妹なのだから。喪われた者が、遺したものを大切にすべきだって。少しでも近づいていけたら、って。ユキにとってそれは、コサメ同様にその身に宿した、音楽の才能じゃないの? 最期に引き合わされた赤の他人のほうが、そんなに大事?」

「リースちゃん……」

「ね、アヤ。私、日本を離れてから。ついこの間、妹ができたの。まだほんの小さな、まるで私にとっても娘のような、大切な妹。血のつながった、たったひとりの姉妹。そんな存在があるから、なおのこと思う」

 

 コサメはきっとこう思ってたんだ。こんなにも自分の妹を大切に思ってたんだな、って。

 

「いつか、別離はやってくる。私と、妹の場合はとくに。でもそのとき、私はうんとたくさん、妹に遺していてやりたい。そしてそれを、妹に大事にしてほしい。妹にふさわしい人生の糧として、そのように生きてほしい。そう思うの」

 

 同じ姉という立場で、実の妹を得て。思った。

 与えられた、コサメと同じものを。姉のそれに匹敵するものを、ユキは無駄にすべきじゃない。

 それが、血のつながった姉妹だということの証だ。だから、彼女は──ふたたびヴァイオリンを手にしたなら、そこに向かうべきだと思う。

 

「……逆に、わからない。ユキも、あなたも。音楽の才能より、新しい姉を優先しようとする。出会ってたった半年そこそこで乗り越えてしまえるほど、コサメの、ユキの姉としての存在は薄っぺらいものだったというの?」

 

 別に、不知火というあのお姉さんを否定するわけじゃない。

 ただ、重ねてきた年月の差がある。どちらが多くて重いかなんて明白。それはゆるぎのない事実でしょう──?

 目を逸らし、虚空へとその視線を落としながら、彼女は言った。

 

「そんなことないです。──小雨お姉ちゃんは今でも、雪羽ちゃんにとってたったひとりの、実のお姉さんで。もちろんその感覚は、同じようにかわいがってもらった彩夜にだって、近いものがあって」

 

 リースの気持ちも、わかる。彩夜だって「姉」で。小雨お姉ちゃんを慕う「妹」であったのだから。

 彼女がそのように思うのもある種、無理のないものだと。でも。

 

「でも。でもね、リースちゃん。たった今、あなたが言ったように、すべては「まだ半年」なんです」

 

 三月や、四月にはじまって。ほんとうにまだ、半年ちょっと。

 小雨さんを喪って。

 不知火ちゃんと出会って。

 雨宮 雪羽という少女に訪れた劇的過ぎる変化は、そのはじまりからたったそれだけしか、まだ経っていない。

 

「なのに、雪羽ちゃん。たくさん、笑ってるんだよ。笑えている。笑えるように、なったんだよ。不知火ちゃんと一緒に。不知火ちゃんのおかげで」

 

 今、あなたは言ったよね。生まれたばかりの、妹がいるって。

 

「だったら、逆に。彩夜からも逆に、考えてあげてほしい、って思います。リースちゃんが「これから」、妹さんのためにいっぱいのものを積み上げて、贈っていきたいと思っているように。血のつながりの有無や、年齢の違いはあっても。その「これから」をはじめたばかりだというのは、不知火ちゃんと雪羽ちゃんも同じなんですから」

「あ……」

「時間じゃないんです。これからあのふたりは、「これから」を時間のかぎりに、描いていこうとしている」

 

 そう。不知火というひとりの少女が、その光を失う瞬間まで。そして、それからのことも──……。直接、リースへと口に出しては言えなかったけれど、心の中で彩夜はそっと、呟く。

 

「小雨お姉ちゃんのこと。いっぱい悩んだり、辛かったこと。雪羽ちゃんにはあったと思います。そしてそれは、不知火ちゃんも、お兄さんのことで同じで」

 

 でもこの半年、ふたりは支えあい、悩みあい。泣きあって、抱きあって。笑いあえる関係性を紡いできた。

 このたった半年で、それだけの期間であっても数えきれない思い出をあのふたりは重ねてきたんだ。

 

「小雨お姉ちゃんだったら、「やるじゃん」って言うんじゃないかな。なにしろ不知火ちゃんは、小雨お姉ちゃんにはできなかった、雪羽ちゃんの手にヴァイオリンを取り戻すということをやってのけたんだから」

 

 ハッとしたように俯くリース。

 運ばれてきた餡団子を前に、彩夜は彼女の声を待つ。

 

「……そう。そう、かもしれない。……やっぱり、そうなると。アヤはユキのヨーロッパ行き、反対?」

 

 おずおずと、上目遣いに訊ねてくるリース。

 微笑んで、ほうじ茶をひと口、軽く呷って。そっと首を横に振る。

 

「賛成も、反対もないです。リースちゃんが、雪羽ちゃんに可能性を提示してくれたこと自体は素敵なことだと思うし。……やりかたがちょっと強引だっただけで。ただ──、」

 

 そこから先は、自分やリースにどうこうできる領域ではない、とも思う。

 

「あとは、本人がどう望むか。どうしたいか。それだけなんじゃないかな」

 

 他人が無理にどうこう、強制できるものじゃあない。

 言葉の月並みを自覚しつつ、彩夜は素朴に意見を告げて、餡団子に添えられていた竹の楊枝を手に取った。


                 *   *   *

 

 娘がそうやって来訪者と対峙をしていた頃。その父もまた、やはり進行形として、同質の状況に対面をしている。

「どうも、ご無沙汰をしております」──そんなひと言からはじまった、背広姿の青年との、対話を。

 彼自身の城たる、喫茶『白夜』の最奥のテーブルにて。

 自ら淹れたコーヒーを前に、顔を突き合わせている。

 

「そうか。……不知火がそんなことを」

 

 後見人として思わず漏れ出た呟きに、黒沢は小さく頷く。

 聞かされていたのは、彼の帰国からこれまでの、少女たちの一部始終。

 リースリアが雪羽に、あるいは不知火に向けた言葉と。

 黒沢との間に、不知火が吐き出した言葉。

 

「まだ高校生のあの子に、……兄を喪ったばかりで必死に姉をやろうとしてきた彼女に、そのようなことを思わせ、言わせてしまったのは、大人である私たちの責任なんだろうね」

「……ええ。そう思います。私ももっとはやく、帰国するべきでした。ずっと仕事を一緒にしてきた私だからこそ、小雨のことであの姉妹に伝えてやれること、してやれること、たくさんあったはずなのに」

 

 白鷺は思う。

 目の前のこの青年は、きっとまだ、不知火の両眼のことを知らない。

 伝えるべきか、どうか? ……いいや、言っても今はまだ詮なきことだ。ただ不知火が彼に向けた言葉や、子どもにふさわしからぬ重く背負い込んだ態度について彼がより深く、深刻に納得をする、ただそれだけの変化しか生むまい。

 彼が違和感を覚え、気付き。彼の側から問うてからで、告げるのは遅くはない。

 そのようなかたちで、小雨のやり残したことの後始末に奔走してくれていたこの青年を責める気には、白鷺はなれなかった。

 

「いいや、彼女たちのそばにいた我々の責任だよ。きみは海外で、ほんとうによくやってくれた」

 

 今回の一件だって、彼自身には落ち度はない。

 雪羽の旧知の少女を、彼女の求めに応じて連れてきただけ。雪羽を知り、その才能を認めているからこそ、その可能性を提示しようと試みただけだ。少女の紡いだ言葉にまで責任は負わせられない。

 海外は、この街に根を下ろし生活を営む自分たちには遠すぎる。彼がいなければ、彼がそうしてくれたほどにきちんと、小雨の遺したものをこと細かに、適正に処理していくことなどできはしなかったろう。

 

「不知火は、ほんとうに──雪羽の姉であろうとして、彼女を心からかわいがってくれている。うちの娘から、彼女が再びヴァイオリンを手にしたと聞いたときは驚いたものだ」

 

 雪羽も、また今では不知火もまた、白鷺にとっては娘も同然の存在だった。

 小雨を喪ったことにうちひしがれ、折れてしまうようなことはないだろうか──そのような心配ははじめ、常にあった。けれどそれが杞憂と終わったのは、ほかならぬ、雪羽の得た新たな姉のちからによるところが大きい。

 そうやって姉をやってくれていた不知火だから、彼女自身にも、己の幸せを願ってほしいと思う。

 

「私もです。小雨からは何度も、自嘲気味に聞かされていましたから。自分が妹の音楽的才能を眠らせてしまったのかもしれない、と。……その言い回しから、未練があることも見てとれましたけどね」

 

 折った、潰した、ではない。

 眠らせてしまった──つまり、なにかのきっかけでそれを目覚めさせることもできるのかもしれないと、故人はきっと諦めきれずにいた。

 その予測を耳にしながら、お互いコーヒーを啜る。

 

「そんな小雨を見てきたから。旦那さんに「いつか、聴けるといいね」と語る彼女を見ていたから余計に──個人的には、雪羽くんにはもう一度、ヴァイオリンに打ち込んでみたらいいんじゃないか、と思います」

 

 あくまで、彼女がそれを肯じて望むのならば、ですが。不知火くんのおかげで彼女がその手にヴァイオリンをとったのなら、可能性はある。

 曖昧に、白鷺は黒沢へと頷いた。

 同意というよりそれは相槌に近い。

 おそらくは今のままでは、雪羽はその選択をすることはないだろう、と、身近に少女を見てきた者としての予想があるからだ。

 青年の気持ちや気遣いはわかる。しかし──……。

 

「だが、リースくんだったね? 昔の彼女には私も幾度か会ったことはあるが、欧州から留学を誘われるほど、楽器の演奏家として将来有望な存在になっていたとは知らなかったな」

「彼女の腕前は確かですよ。小雨が目をかけていただけのことはある。それこそ、小雨のように妹を、家族を自分の腕一本で支えるつもりでいる。それを傲りといえないくらいには、有望株です」

 

 小雨への憧れや、彼女を喪ったこと以上に。妹への想いが彼女をより一層駆り立てるのでしょう。

 日本にきてからも、一日たりとも練習は欠かしていません。

 

「ふむ? 妹さん……生まれてまだそれほど経っていないという?」

 

 歳の離れた妹への想い。それはたしかに、小雨を見てきた白鷺にも理解できるものだった。

 護るべき存在。大切な、相手。それは大きな原動力となるものだから。

 

「ええ、あの子と、あの子の妹には既に、タイムリミットが提示されているから」

「タイム……リミット?」

 

 果たして、こんな偶然が起こり得るものだろうか?

 青年が語り始めるのは、彼の知る、若手ヴァイオリニストと、その家族の事情。

 銀髪の少女が愛する、妹のこと。

 生まれついてのこと。今のこと。将来のこと。

 彼が半ば軽率にも思えるこの瞬間に白鷺へと告げたのは、感覚を共有できたことによる気の緩みか。同じ保護者、後見者としての立場にあるもの同士として、口が軽くなったのか。

 それとも、少しでも自分やリースに対し好意的であってほしいという打算が、意識してか無意識にかそこにあったのだろうか。

 だが、ただそれは一介の喫茶店店主に、ごくりと息を呑ませるには十分すぎる衝撃と、出来過ぎの既視感とを叩きつけ、その表情を硬直させる。

 脳裏に描くのは、雪羽のこと。不知火のこと。

 ふたりの、事情のこと。

 遺された少女の愛する、「お姉ちゃん」のこと。

 生まれついてのこと。今のこと。これからのこと。

 そしてアメリカよりやってきて、「同じ事情」を抱える患者のために戻っていった、眼鏡の金髪女性のこと。

 年齢相応に、また父親たる存在として、白鷺はさほど感情に身を任せる性質ではない。

 だがそれでも、ただ混乱をし、名状しがたい感情が胸に渦を巻いて、神だとか、運命だとかいう超越的な代物の身勝手さ、性格の悪さというものを意識せずにはいられなかった。

 そんな、符合だった。

 ふたつの姉妹の状況は合致し、そして交差し符合を描く。

 

「リースもまた、妹のために彼女のできるかぎりのものを、妹の時間があるうちに刻みこもうとしているんです」

 

 だからきっと、姉を喪った雪羽くんにも、姉の遺したものすべてを握らせてやりたい。掴んでほしいと思っている。

 青年の見解はもはや殆ど、白鷺の耳には入っていなかった。

 不知火。──雪羽の、姉。

 リースリア。その、妹。

 ふたつの姉妹が見せた符合の、それゆえ生み出されたすれ違いの残酷が、そこにあったから。

 責められない。

 こんなもの、誰だって、誰も責められやしない。

 彼女たちは望まず、背負わされた。ほんとうにただ、それだけなのだから。

 似たもの同士が、知らず傷つけてしまった。傷ついて、悩み抜いていた。その不幸がただ、そこにあった。

 

 

          (つづく)

珍しく雪羽も不知火も登場しない回でした。

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