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天涯孤独の、ふたりだから  作者: 640orz
第三部 秋から、新たな日々へ
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第五十三話 愛する者の、願い

 

            第五十三話 愛する者の、願い

 

 

 ぴぴぴ、と。姉の腋に挟まれた体温計から軽い電子音が聴こえて、雪羽は風邪薬の箱裏に記載された、用法・用量の注意書きへと落としていた目を上げる。

 

「──八度五分。うん、やっぱし……風邪だね」

 

 いっぱい、雨に打たれて。身体が冷えたからかな。

 熱を帯びた苦しげな吐息を繰り返し、毛布へと包まる姉に、彼女から訊かれたわけでもなく呟きを向けながら、雪羽はそこにすまなさを主成分として含んだ表情をつくる。

 昨晩の、姉の帰りは遅かった。

 通学鞄と一緒にその手には、洗濯させてもらったのだろう、学校の制服の入った紙袋を抱えて。

 夕矢の服を、その袖と裾とを余らせがちにその身に通した彼女は、夕矢に送られて、戻ってきた。

 泣きはらしたその目が、痛々しく紅かった。泊まってくかって、姉ちゃんも訊いたんだけど──夕矢がぽつりと言ったその言葉に、きっと彼ら姉弟の前でもそうしたのだろう、小さく姉は首を振った。

 ごめん。心配かけて。

 ごめん。──大丈夫だから。

 とてもそうは見えない表情で、とてもそうは見えない覇気の乏しさで、掠れ声に姉は言った。

 そして実際、大丈夫ではなかった。

 今朝、起き出してこなかった姉。朝食の準備を終えて、エプロンを外して。制服姿の雪羽が起こしに行くと、ベッドの上の姉は高熱にうなされていた。

 どう考えたって、昨日の大雨に打たれたのが原因の、風邪だった。

 ごめん、学校行って。うわごとのように発せられる姉の言葉に、昨日の今日では素直に頷くことは雪羽にはできなくて。

 学校に電話をして、ふたり休んだ。星架先輩と、彩夜にも一報を入れた。

 だってこれはきっと、あたしのせいだから。

 二、三日預かっておくからと、白鷺のおばさんがひかりを迎えに来てくれた。

 そんな家の状況だから──今はここには、雪羽と姉の、ふたりきり。姉の部屋にふたり、寄り集まっているから、家の中はしんと静まり返っている。

 

「ごめん、……お姉ちゃん」

 

 あたしがきちんと、リースのことを止めなかったから。

 泣くばかりで。ただ泣き疲れて眠ってしまったあたしを受け止めてくれたのは、お姉ちゃんなのに。

 お姉ちゃんにばかり、心労をかける。

 

「でもさ、……それでも、お姉ちゃん。あたしは」

 

 あたし自身の願いとして、お姉ちゃんのそばにいたいんだ。

 ずっと、ずっと。

 もう、家族のそばから離れたくない。手放したくない。ずっと、幸せでいたいんだ。家族、一緒に。

 

「あたしから、離れたりしない。離さない。だから──信じて」

 

 ドラッグストアの市販薬とはいえ解熱剤が多少なりと効いてきたのか、額に冷却シートを貼った姉の寝顔は、いくぶん発熱の苦しみから放たれ、和らいだように見える。

 呼吸も、変わらずの口呼吸だけれど、それでもリズムが少し、ゆっくりなものに変わってきている。

 

「一緒にいたいって。お姉ちゃんにも、願ってほしい」

 

 ひかりの未来を一緒に、祈ってほしいんだ。

 祈ってくれるだけでいい。

 お姉ちゃんも、ひかりも。きっと一番近くであたしが、見守るから。

 その想いを込めて、そっと姉の、汗ばんだ掌を握った。

 雪羽の気持ちは変わらない。リースの誘いに対し、断るつもりしかこの段階には持っていなかった。

 その意思と、決めた方向性それ自体が、姉の思い悩むこれからの未来図とはすれ違ってしまっていることに、自覚のないままに。


                 *   *   *

 

「ほん……っとに! あの姉妹は! もー!」

 

 窓の外には、雨が降り続いている。

 自身の大切な人とともに廊下を、詩亜は両手に抱えたプリントの山を運び、生徒会室まで歩く。

 大袈裟な、大きな声。オーバーな溜め息のアクション。

 つい先日、生徒会長なる役職に任じられたその人は言葉と裏腹に、そこまで怒ってはいない。ともにいたいと願い、そういう関係性となった詩亜だから、くすりとした苦笑交じりに理解できる。

 

「あまり大きな声を出していると、貫禄が薄れちゃいますよ、『会長』」

 

 だからちょっぴり意地悪に、詩亜は敢えてそう呼ぶのだ。

 当人がまだその立場になれていなくて、呼ばれることにむず痒さと困惑とを憶えることを、わかっているからこそ。

 彼女のパートナーの、特権として。真波先輩をついつい、弄ってしまう。

 

「う。いや、だってそれは……! あれだけ星架を心配させるなって言ったのに、だからであって──」

 

 詩亜からそう呼ばれたことに一瞬どぎまぎとしながら、ショートヘアの彼女は自身の言い分を並べる。

 彼女の友が、愛する少女のこと。そしてその、妹であり、詩亜の友である少女のこと。少女たちのことを。

 彼女たち姉妹は今日、ふたり揃って学校を休んでいる。

 不知火、風邪だって。雪羽も休むって──連絡を受けた妹や、彩夜たちからそう告げられたから、もちろん詩亜も知っている。

 

「真沢先輩、お見舞いとかには」

「やめとく、ってさ。あとで雪羽ちゃんには連絡入れてみるって言ってたけど」

 

 この件に関しては、家族の問題だから。私には見守ることくらいしか、できる手立てはないだろうから、ってさ。

 すごく、心配してた。真波さんはもう一度溜め息を吐いて、肩を落とす。

 

「先輩は──……真波さんは。ほんとに、真沢先輩を大切にしてるんですね」

「そりゃあね。幼なじみだし」

「なんか、妬けちゃいます」

「え」

 

 そう、弄りたくなるのだ。

 彼女は、詩亜の「彼女」で。

 詩亜が彼女の「彼女」だから。

 

「あ、いや。あの、あのね詩亜。べつにこれは浮気とかそういうのじゃ──」

「大丈夫。わかってますよ」

 

 しどろもどろになる彼女を可笑しく思いながら、見えてきた生徒会室の扉を詩亜は示す。

 ほら、着きましたよ。はやく鍵、開けてください。『会長』。

 ことさらにもう一度、強調するように他人行儀な、役職による呼びかけをして。詩亜は彼女の反応を意地悪に楽しむのだ。

 最近、彼女の人柄の楽しさがわかってきたのもあるけれど。

 最近の、友人姉妹の不安定さを知っているからこそ、それを思えば沈みがちになり得る気持ちを、楽しませていたかった。

 

「え、あっ。ちょっと待って」

 

 鍵、鍵。空けた片手でポケットをまさぐる年上の少女。

 そんな真波さんに、詩亜は問いを向けてみる。

 

「真波さん」

「んー?」

「もしわたしが、……わたしが妹と、歌奈ちゃんとふたりで、ふたりにしか解決できないことに直面したら。心配してくれますか」

 

 そこであなたが、踏み込めないとわかったとしても。

 すべて、もしも。仮に、の話です──……。

 

「そんなの、当たり前じゃん。大好きな詩亜のことだよ。する。すっごい心配、するよ」

 

 鍵穴に、引っ張り出した銀色のキーを挿し込みながら、真波さんは改めて言うことでもないというくらい当たり前に、こちらを見返すことすらなく、動作とともに返した。


                 *   *   *

 

「──ん……」

 

 目覚めたそこにある視界が、なんだかぼやけている。

 眠る前、泣いていた、わけではない。なのに開いた瞳がどちらもなんだか、涙っぽく潤んでいる。

 ああ。やっぱり具合、悪いな。どのくらい寝ていたんだっけ。枕元に携帯を求めて伸ばした手が、重くって、また肘や、肩や。節々もぴきりと痛んだ。

 指先に当たったスマートフォンの画面の冷たさが、発熱した自身の体温の高さゆえに気持ち悪くひんやりとして、頭痛に痛む眉根を、不知火は更に寄せる。

 

「……ゆきは……?」

 

 枕元には、スポーツドリンクのボトル。常温でも問題ない、ゼリー飲料。風邪薬の箱。妹が置いていってくれたのだろうと思しきそれらに混じって、走り書きのメモが残されていた。

 

『家にはいます。無理して起きてこなくていいよ』

 

 そう、読めた。

 

「結局、休ませちゃったんだ」

 

 熱に浮かされ、ただでさえどんよりとした頭が更に、妹への負い目の感情に重くなる。

 ほんとうに、私は。いったいなにをやっているんだろう。

 年に二度も風邪をひくなんて、果たしていつ以来だ。

 携帯の液晶を立ち上げると、いくつかのメッセージがあった。

 星架さんからも、きっとゆきが伝えたのだろう。具合を心配する文面が届いている。あとできちんと、返さないと。

 思うと同時額に当てた手の甲に、貼られた冷却シートが触れる。

 ひんやりとした感触は既にない。ぶよぶよしていて、不知火自身の体温に同化して、それはひたすらになまぬるかった。

 

「また、ゆきに心配をさせてしまった」

 

 あの子の日常を、阻んでしまった。もとより沈んでいた感情である。風邪によって肉体的にも弱って、更に落ち込んでいるのかもしれない。そのことを理解しつつも、やはり不知火の心に去来するのは疚しさ、すまなさだった。

 卑屈すぎる、と他者が見れば思うだろう。

 妹を信じるのではなかったか、とかつてを知れば、他者は指摘するはずだ。

 だが所詮は人の心である。揺らぐし、惑いもする。そこに一切のブレなど生じない、ということはあり得ない。そうやって割り切って、心情というものと現実の状況とをすり合わせ、受け容れていかねばならないものだ。

 だがその境地に至るには、不知火はまだ十代という幼い年齢下にすぎない少女であった。ゆえに熱に浮かされる中、自己嫌悪に苦しむよりなかったのである。

 そのうちにゆきは、スリッパの音を伴って部屋をノックするだろう。

 大丈夫? とか。

 具合、すこしはましになった? とか。

 そんな気遣いを帯びた言葉とともに──不知火が、気遣わせて。

 心配をして、やってくる。不知火が、させる。その光景が容易に想像できる。

 

「……苦しい、よ。兄さん」

 

 兄さんは、兄として私に、ゆきと過ごす日々を、この家を。たくさんのものを遺してくれた。

 小雨さんも、いっぱい。いっぱい、ゆきに遺して旅立っていった。

 なのに、私は。今こうして、現在進行形のゆきの時間を無駄にさせて。

 ゆきから、将来の時間ももらい受けようとしているばかりだ。

 

「きれい、なんだ。ゆきの弾くヴァイオリン。今も、昔も──小さな子どもがあんなにきれいな音色を奏でられるんだ、って驚くくらいに」

 

 昨夜。濡れ鼠で訪れた不知火に、彩夜は一本のカセットテープを探し出してきてくれた。

 それには幼い頃の、年代と。雪羽の名。そして、その内容が吹き込まれた日付とが記載されていて。

 大丈夫かな、まだ動くかな。そんなことを呟きながら、布をかぶせて部屋の片隅に置かれていた古いステレオ・ラジカセに彼女はそれを挿し込んだ。

 昔習ってたヴァイオリンの先生がね。……ああ、もちろん雪羽ちゃんが、だよ。

 アナログな人だったから、録音は全部カセットテープだったんだ。

 その頃の、雪羽ちゃんの、演奏です。

 配信や、ダウンロード音源とは異なる、年代を感じさせるざらついた音質がやがて、再生されていく。

 幼い頃の、妹の演奏。そのとき不知火は、それをはじめて聴いた。

 

「ゆきは、望んでくれてる。私とともにあること。あんなに素敵な音楽を生み出せる、ゆきが。私を。ひかりを。求めてくれている」

 

 その音色が、ともにある。それはとても、素敵なこと。このうえなく、望むべくもないこと。

 だけど同時に、それは妹から奪うことでもある。

 実姉の音色を喪った彼女から、今度は自分自身が生み出せたかもしれない、最高の音色を身に着けていくというチャンスを。

 それがどうしようもなく、不知火に罪悪感と自己嫌悪を生み落としていくのだ。

 

「私……ゆきに、なにができるの?」

 

 お姉ちゃん、って呼んでくれるあの子に。

 私が──お姉ちゃんとして、できること。選ぶべき、こと。


                 *   *   *

 

 放課後、部活を終えて。学校を出る頃には、晴れ渡るとまではいかなくとも、雨は止んで、曇り空のところどころに、雲の切れ間が見えていた。

 

「そう。──でもそれは、あなたのせいじゃないわ。雪羽ちゃん」

 

 今、ここでこうして、見上げていてもそれら空の様子が見てとれる。

 不知火と、雪羽ちゃんの家。そのマンションの、部屋玄関前の通路にて。

 

「むしろ、あなたこそ大丈夫なの。突然やってきた相手に、突然そんなことを蒸し返されて」

 

 閉じた玄関の扉に背中を預けて、ひっかけたサンダルの両脚を組んでいた少女は、星架の言葉に顔を上げる。

 発熱中だというから、不知火と会えるとはもとより思ってやってきたわけではなかった。もちろん恋人のことだって心配だったけれど、……なんとなく、今朝にその妹の送ってきたメッセージにどこかひっかかるものがあった、星架がこの姉妹の家に足を向けるに至った理由として一番にあったのは、その部分である。

 だから訪れた。玄関先でこうして顔を合わせ、なにがあったのか話を聴いた。

 自分が訊くべきではない、立ち入れない領域のことかもしれない。そう思いながらしかし向けた問いに、茶髪の少女は拒絶することなく、ここ数日のうちに起こった出来事を伝えてくれた。

 突然の、旧友の来訪。

 その友人から投げかけられた、今更の誘い。

 不知火へと投げつけられた言葉、そしてそれから先の、不知火の様子の変化。

 昨日の、雨の中に起こった出来事。

 彼女自身きっと噛み砕ききれていないであろうそれらの出来事を、順を追うようにして彼女は星架に話してくれた。

 おかげで、合点がいった。

 昨日の、あまりにも弱々しく傷ついた不知火の有様を。納得した。

 帰るよう促した自分の判断は、……結果的に風邪を引かせてしまったけれど、彼女の心への配慮としては間違ってはいなかったのだ、と思えた。

 

「……あたしは、べつに。もともとずっと昔に諦めたことだったから。今更言われたって、将来設計は変えられませんよ」

 

 もう、決めたことだってある。困ったように微笑をつくって、雪羽は息を吐く。

 

「あたしと、小雨姉さんでは才能が違う。周囲がどう思っても、あたしの中でそう結論が出ている以上、あたしが同じ道を歩むことはないです」

 

 選択は変わらない。あたしはお姉ちゃんと一緒にいる。

 限られた、お姉ちゃんの前に広がる世界の時間を。ともに過ごす。

 

「だから却って、お姉ちゃんに申し訳なくって」

「申し訳ない?」

「リースたちは、お姉ちゃんにとって初対面の相手でした。あんなことをリースが口走る前に、あたしがちゃんと止めなくちゃいけなかった。そうすればお姉ちゃんは傷つかなかったのに、って」

 

 悔やむように、彼女は言った。

 片腕を抱き寄せて、落とした目で足許を見つめていた。

 傷つける、か。彼女の言葉と仕草とに、星架は彼女ら姉妹の関係性を改めて、認識させられた気がした。

 

「雪羽ちゃん。──ひょっとして、今回の件以前にも最近、不知火との間になにかあったんじゃない」

 

 本質的に、彼女たちは互いに対する臆病さという点で似たもの同士なのだ。

 

「え?」

「何日か前。不知火が電話してきた。なにか、隠してるみたいだった。……べつに、心当たりがあったら言えって、そう要求してるわけじゃない」

 

 ただ、思い出してね。

 

「そのとき、ずっと不知火は気にしてた。あなたを傷つけてしまったと。そういう出来事があったのだと」

 

 星架がまっすぐに見つめると、彼女は息を呑んだ。

 思い当たる節があるのだと、一見してわかる反応だった。

 

「不知火にも、催促しないと言った。だからあなたにも詰問はしない。でも。……でもね?」

 

 ああ。この姉妹は互いに互いを、想いすぎている。

 だから些細なことでも傷つく。より大きなことならば猶更。傷つけてしまったと、傷ついてしまう。

 互いが、唯一無二だからこそ。

 互いの唯一無二を、喪ってしまった少女たちであるがゆえに。

 普段は平気にしていても。彼女たちに自覚がなかったとしても──きっと、まだ。彼女たちは本質的にまだ、振り切れてはいないのだろう。

 愛する、親しき者たちの死を。この世にいないということ、それ自体を。

 当たり前だ。まだ半年ばかり、前のことなのだから。すべてを吹っ切れというのが無理な話だろう。

 

「あなたは傷つける以上にいつだって、あの子にたくさんのものをくれている。逆もきっと、そうでしょ?」

 

 ふたりで選んで。ふたりで進んでいくしか、ないんだ。互いを恐れ、互いを愛しながら。

 

「そんなの。お姉ちゃんがいてくれなかったら、あたし。今頃なにもかも喪って、どうなっていたか」

 

 ああ──そう、それでいい。

 

「それでいいの。そのことを忘れないで」

 

 歩み寄り、彼女の両手を掌に包む。

 この子にとって不知火が希望なら、不知火にとってもこの子が、希望だ。

 希望の明かりがあれば、きっと未来にふたりは進んでいける。

 

「私も面倒な子を好きになったものね、って。不知火にはほんとうに思う。だけどやっぱり、あの子が大好き。そんな不知火にとってのあなたは、私にだって届かない場所にいる、そんな子なの」

「星架先輩……」

「私は不知火が好き。心から、愛してる。あなたはあの子の、かけがえのない存在なの」

 

 そのことだけは、忘れないで。

 

「傷ついても、迷っても。あの子にはあなたがいる。あなたにもあの子がいる。ふたりでならきっと、後悔をしない選択をしていけるはずだから」

 

 自分を信じなさい。あの子のためにも。

 あの子を信じなさい。あなた、自身のために。

 

「不知火を、お願い」

 

 愛する不知火のことだけでなく。

 星架はこの姉妹、ふたりのことを想い、そう願った。

 

 

          (つづく)

多忙につき更新遅れてすいません。

次回更新は、9月12日を予定しています。

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