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17話 疲れ


 アキトは意識が戻る。

 今現在の状態を確認しようとするが手足が動かない。ここはどこかと見渡し、今いるのはシロネの作成したテントの中だ。


 日は沈んでいて、辺りが真っ暗だということがテントの布ごしでもはっきりと分かる。隣ではシロネがスヤスヤと寝息を立てながら寝ている。


 普通なら何らかのアクションを起こすべき事項なのだが如何せんアキトは体が動かせないのでどうすることもできない。


 アキトはあれから三体のスケルトンと夜暗くなるまでずっと戦闘を続けていた。

 スキルポイント(SP)を使い果たしてからも、永遠とスケルトン相手に殴り続けていた。


 アキト今日の成果を見るためにステータス画面を見ようとしたが、その気力すら残っていないのか今度は眠気が襲ってくる……なのでアキトは明日にすることにした。


 落ちていく意識の中でアキトは明日どうするのか最後まで考えるのだった。


**


 朝目覚めるとシロネの姿はもうなかった、アキトは近くの川辺で顔と昨日洗えなかった体を洗いさっぱりする。


 そして、テントに戻るとシロネがスケルトンの準備を始めていた。


「シロネおはよ〜」

「ふわぁあ〜、うむおはようなのじゃ」


 アキトが挨拶をすると、シロネは眠たそうにあくびをしながら挨拶を返す。


「昨日はありがとうな、テントまで運んでくれて」

「気にするでない、それくらいやってもらわないとと意味がないからの」


 レベル上げはアキトだけがしているわけではない実際のところ『和衷協同』でシロネのレベルも上がれば良いな程度で期待している。


 アキトは一旦テントの中に戻り、ステータスを開く。アキトのレベルは十五になっていた。

 新しく覚えたスキル、魔法もあるので今日からはなかなかいい戦いができそうだった。


 アキトはテントから出ると、ウォーミングアップを兼ねていつものルーティンをやりレベル上げを開始する。


 今日の相手はスケルトン五体。いきなり二体も増やして大丈夫かと聞かれると大丈夫ではないがそんなこと気にしている暇はない。


 アキトは息を整えながらスケルトンの動きを観察する。昨日の三体の攻撃のパターンはだいたい覚えたので躱しきれるが、新しく追加された二体、これがまた厄介度を増している。


 今回追加されたのが大剣を持つスケルトンと片手剣を持つスケルトンだ。前衛に二体も加わり、攻撃に厚みがます。それによりさらに後衛がこれまで以上に脅威となる。


 アキトはもうすでに何発か被弾していた、前衛に意識を持っていかれすぎて後衛に対する対処がずさんになっているのだ。


 自分では分かっているのだが、それができないのは歯がゆかった。

 アキトは新しく覚えた回復属性魔法<低級回復/ライトヒール>を唱える、するとさっきまでの傷が淡い緑色の光に包まれ少しずつ傷が修復されていく。


 まだ、低級なのですぐに回復とはいかないが今はそれでも十分すぎる程だった。

 大剣のスケルトンが大振りの斬撃を繰り出す。大雑把だが当たれば大打撃を受けるけるので今は躱すしかない、そこへ左右から二体の片手剣スケルトンがアキトめがけ剣を振り下ろす。


 流石に躱しきれないのでもう一つ新しく覚えた重力属性スキル<重力圧縮波/グラヴィティウェブ>を使う。両手の平を開き、周りにある重力を圧縮するイメージで両手に貯め、それを一気に両側のスケルトンに放つ。


 真っ黒な重力の波動はスケルトンに直撃し、ギシギシと骨と骨が掠れる音が鳴り響く。

 左右のスケルトンは軽々と吹き飛ぶ。一体は木にぶつかり、もう一体は地面へ激突していた。


 このスキルは威力が大きいため次使うまで少し時間がいる。さらにSPも異常に消費するため今の段階では一日に撃てて五発だった。

 アキトがスキルを放った瞬間、三本の矢がアキトに向かって飛んでくる。アキトはそのまま二本を重力属性スキル<重力拳/グラヴィティナックル>で撃ち落とすが一本避けきれず掠ってしまう。


 やはりかするだけでもかなりの激痛がはしる。

 改めてしっかりと痛み、痛覚がある事を自覚し、アキトは気合いを入れ直す。

 そしてその間に杖を装備したスケルトンが回復属性魔法<低級回復/ライトヒール>をすでに一体にかけている。


 今日もかなりの長丁場になりそうだーー





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