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130話 トップの力

レイ・クラウド帝国闘技場 観客席ーー


「凄い……」


 ユイがそう言うのも無理もなかった。

 シロネが、昔見てきた実力者や国を守る者達がここまで強くなっているとは考えてもみなかった。偵察をしてはいたがここまで実力を見れる機会などほとんど無に等しく、さらに言えばここまでの人には普通に見つかり壊されたりもしている。

 見た目がちっちゃいスケルトンだからあまり注視されてはいないが、これだとシロネも少し考え直す必要があった。


「本当ですね」


 エーフも同様にユイの横で真剣に見ていた。

 しかも、今会場で喋っている者や騒いでいる者など一人もいない。 実況も最初は空気の重さに頑張っていたが、いつの間にか口を閉じていた。


 それほど、二人の戦いは人を魅了するものだった。

 このイベントという場所で本気を出すとは思えない、見世物程度の力しか出していない。

 それでも戦っている二人の実力は底しれなかった。


 ユイの姉、ツランの方はまだ良かった。

 それでもかなりの実力者には違いないが、問題はそれを相手している方だった。


ーーキサラギ・ネル……こんなやつが国の聖王国の要とは……と言うかこんなやつだからこそなんじゃろうな。

 シロネは久しぶりに己以上の実力者を見て闘志が沸き立つ。


「ユイ、エーフ二人とも良く見ておけ、これが今のトップの戦いじゃ」


 この二人の戦いはシロネにとっても参考になる。恐らく意識はしていないだろうが、こんなイベントで見せるものではなかった。


「二人を見てると、やっぱり聖王国のキサラギさん?が優勢だね」


 エーフはシロネに質問を投げかけるが、静かな場所で喋ると目立って少し恥ずかしいのでもうちょっと声の音量を下げて欲しかった。


「まあの……恐らく属性相性が悪いんじゃろ」

「そうね、私のお姉さまの攻撃は基本範囲攻撃に加えて、属性の何かしらの効果がある……」

「ユイは姉の属性は知らんのか?」

「私と姉が一緒にいたのは小さい頃だったから……分からない」

「そうか……やはり、対面して戦ってみないと分からんものじゃな」


 属性と言うのは人それぞれ千差万別。それを遠くから眺めているだけで解析出来るようなものなら誰も対策に苦労はしない。

 それに、国の重役。そんな位置にいるものがわざわざ見せびらかすわけがない。


「じゃが、聖王国の方は属性が割れておるんじゃろ?」

「うん、確か回復系の属性だったはず……こっちの方では、’ポーションの擬人化’って言われてる人だよ」

「それほどなのか?」

「うん、どんな傷を受けても超高濃度の自然治癒力で直し、どんな傷を負ってる人でも直してしまうと言われてるほどだね」


 この世界にポーションはロウ、ノーマル、ハイポーションの三つ種類があり、ランクはD、C、Bに位置付けられる。その上になってくるとそれはもう蘇生だ。

 そして、ちょうど、時間が四十分になった時、最後の意味を込めて二人はわざと魔法とスキルをぶつけ合い綺麗な光が会場に輝き渡る。


 その輝きが終えた瞬間ーー周りからは大歓声が鳴り響く


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