11.5話 努力
夜が明け、アキトは目を覚ますーー
シロネはまだ寝ている。
アキトはステータス欄を見る……レベル十になっており装備やアイテムボックスが使えるようになっていた。
なのでステータス画面でアイテムボックスを整理し、装備をする。
すると今着ていた服が少し変化する。
といってもこの世界ではステータス画面で装備品をいじっても実際の自分の姿にはあまり関係ない。装備品分アキト自身のステータスが上がり実際には装備品は見えないし感じ取ることも出来ないようになっている。
「鎧とかどうすんだよっ」と思っていたアキトだったがステータスだけに関与するなら問題なさそうだと安心する。
OOPARTSオンラインではレベルごとに装備できるものが変わってくる、なので今は十レベル相応の装備しか出来ないのでステータスが上がるといってもたかが知れていた。
そして、女神が言っていたことをアキトは思い出す。
本来ならレベルが上がると元の世界で上げたようにステータスが上昇する、だがもう一つステータスを上げる方法があると……
それはこの世界でもトレーニング(特訓、修行)することである、それによりステータスがさらに上昇する。
昨日まで歩き続けなおかつ極限状態だったのでトレーニングによる追加能力がもうすでに付与されている。
モンスター討伐や依頼等をこなせば貰えたOOPARTSオンラインの中での経験値ではなく、実際にこちらの世界で経験し、学習、五感を使った技術など感じた分だけもらえる経験値ということだ。
女神はこれを’努力レベル’と名付けた。
アキトがOOPARTSオンラインをやっている時はほとんど現実にいる時と変わらないくらいの再現度であり、ステータスが上昇するとその分自分が身軽になり普段出来ないような動きが出来るようになるが現実に戻るとそんなステータスはあるわけないのでその落差には驚かされていた。
だが今は違う、OOPARTSオンラインのステータスの恩恵を受けたままずっと過ごすことが可能で現実に戻ることもない。
まだレベル百の時との差には慣れていないが、レベルさえあげればその差は縮まるので問題はない。
だから今は、この和衷協同で経験値を稼ぎレベルを上げつつこの世界での経験を積みその分のステータス上昇を狙う、当分の間はこんな感じで行こうとアキトは自分の中で目標を設定する。
このレベルでの戦闘にも慣れないといけないしね……
一番やりたく無いセーブ無しの戦闘というのがアキトは脳内によぎるが脳の奥の方へ押し込む。
しかし今の自分でどの程度のやつを相手にできるかすら分からない以上迂闊に戦闘をするのは危険であり、その折り合いも重要になってくる。
「うむゃ……お、おはよう」
そう色々と考え事をしているとシロネが起床する、アキトはすぐにステータス画面を閉じる。
「お、おう……おはよう」
昨日は深夜テンションで何かと喋れたがいざこうなると何を話せばいいのかアキトは分からなくなり、少し困る。
*
顔を洗い、今はシロネとアキトの二人は朝ごはんを食べている。
両者無言である。
気まずいと両者の脳内に三十秒置きに訴えてくる。
それをふるい落すように先に口を開いたのはシロネだった。
「アキトよわしもお主の旅に同行してもいいか?」
一拍置いてアキトは答える。
「問題ないよ、俺から頼みたいくらいだったからね」
もう、スキル<和衷協同>に含まれてしまっており同行してもらうか逆にアキト自身がするかどっちかしかなかった。
そして、アキトはこの能力を少し調べて分かったことがあった。
<和衷協同>にはもう一つ機能が付いていて、それは言葉を交わさなくても会話が可能になるというものだ。
稼働範囲はあるがこれはかなり便利だった。
シロネにもこのスキルのことは夜に説明済みで快く快諾してくれた。
もし拒否られたらどうしようかと思っていたがアキトの杞憂に終わった。
そして当面の目標はレベル上げ……あとお金だ。
当面の問題は色々あるがアキトはとりあえず、この地に慣れた人と友達になれて良かったという安心感しかなかった。
「これからよろしく」
「よろくしくなのじゃ」




