表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オープン・ステージ  作者: 藤田 紗碧
17/55

2-5

 ドアノブが回る。

「お前ら、早……っ!」

 パンパーン!! と大きな破裂音が部屋中に響く。

 俊太はわずかに目を見開いたまま固まった。

「二十歳の誕生日おめでとう! 俊太」

「おめでとー。俊太の驚いた顔、久しぶりに見たかも」

「……あ、お、おう。なんか、悪いな……」

 そう言って、俊太は少し不自然な動きになって、そろそろと中へ入ってきた。なんとも居心地の悪そうな表情だ。彼は今、猛烈もうれつに照れている。

「はい、プレゼント! 私と佳くんで選んだんだよ。三人お揃い!」

 駄目だ。顔がニヤけてしまう。

「ほら俊太、開けてごらんよ」

 佳くんは自然な微笑みを顔に貼り付けている。さすが役者だ。

「お、おお、サンキュー」

 まだ少し困惑気味の俊太が、ゆっくりと包みを開けていく。

 そして、

「おい、何だよこれ」

 普段の俊太に戻った。

「ほらほら、私たちも~」

 そう言うと、小さな食器棚から例のカップを二つ取り出して見せた。私のは淡いピンク、佳くんのは淡いグリーン、そして俊太のは淡いブルーだ。

「わぁ~、仲良し♪」

 佳くんが拍手をしながら俊太に笑いかけた。

 俊太が笑い返しながら震えているように見えるのは、きっと気のせいだ。絶対に気のせいだ。

「はい、じゃあ、お弁当食べよう! 私、唐揚げ持ってきたから皆で食べよう。俊太、それにジュース入れようね! 二十歳だけど自転車乗るからジュースね。あ! ケーキケーキ!」

 彼に有無うむを言わせず、バースデーパーティーは始まったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ