表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オープン・ステージ  作者: 藤田 紗碧
13/55

2-1

「ねぇ螢ちゃん、こっちはどうかな?」

「うん、いいんじゃない?」

 もうすぐ八月に入る。

 佳くんは夏休みに入ると、すぐにこちらへやって来た。

 彼がこちらへ来た日、俊太と三人で例の場所へ集まり、夏休みの予定を組んだ。

 佳くんにとっては学生最後の特別な夏ということもあり、夏の間にこの町で出来ることを、できる限り実行しようという話になった。

 ほたるり、花火、夏祭り。それから、昼間に日陰でのんびりとアイスを食べるだけでも、三人ならきっと楽しいはずだと、私は何故だか熱くなって話していた。今年の夏は楽しくなりそうだと、少し興奮していたのだ。

「こっちもいいね」

 今夜は蛍狩りに出かける。三人で夕食をってから川へ出かける予定だ。しかしその前に、私たち二人にはやるべき事があった。

 二日後の七月二十八日は、俊太の誕生日なのだ。

 プレハブ小屋の飾り付けについての話し合いやケーキの予約は済んでいる。今日は、プレゼントを探しに雑貨屋まで来ていた。私と佳くんはこそこそとバースデーパーティーの準備を進めていた。

 二日早いけれど、蛍狩りの日に三人が集まるのだから、その日に祝ってしまおうという事になったのだ。

「準備、結構ギリギリになっちゃったね。ごめんね、僕がもう少し早くこっちに来られていたら良かったのに」

「そんなこと、全然大丈夫だよ。バッチリ間に合うしね」

 そう言って、私は右手の親指を立てながら佳くんに笑いかけた。そんな私に、佳くんも笑顔で応えてくれる。

 佳くんと俊太は、前回会った春休みの間に仲良くなれた。二人は結構相性が良かったらしく、俊太は佳くんをホシケイと呼ぶようになり、三人で本当に楽しく過ごせるようになった。

「あ、螢ちゃん、あれ見て!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ