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初めての登校と異形討伐①



 鏡に映った自分の姿を見る。


 黒のダブルの六つボタンのスーツ、素材も上質だから凄い品があるように思える。これだけで男前度が上がったような気がする、気のせいだろうけど。


 さて、ちょっと緊張するけど自室を出る、そこにはイシスとサクヤがいた。


「あら似合っているじゃない」


 にっこりと笑うイシスにサムズアップするサクヤ。うん、ちょっぴり照れくさい。


「さて、これから登校してもらうことになるわけだけど、例の風呂覗きの件について学院長から裁定と貴方と処遇が決まったわ」


「ぐふっ……」


 風呂覗き、もう、言われると心に刺さる。もういい、なんだろうな、奉仕活動なのかそれとも別の補修とかもあるのかな。


 そんな憂鬱なテンションの下、イシスによる裁定が下されたのであった。



「…………」


 登校、といっても敷地内の移動は徒歩10分で校舎に到着する、だから短い登校時間なのだけど。


 全員が一斉に俺の方を見て何やらクスクス笑ってヒソヒソ噂している。


「真っ赤になって可愛い~」


 って声がそこかしこから聞こえてくる。


 そう、俺の状態は両手の花の状態での登校している。


 これが俺の処分、正確には監視処分、つまり変なことをしないように学生生活を見張られるわけだが、その監視者がイシスとサクヤなのだ。


「つまり常に私たちと行動を共にすることよ、元より想定していたことだから、それに乗っかった形になったのよ」


「ああ、それは分かったけどさ、そもそもわざわざ中央歩く必要あるの? そもそもなんで俺が中央なんだよ。立場的にイシスが真ん中じゃないのか?」


「だって恥ずかしがる貴方を見ると萌えるのよね」


「…………」


 うん、段々分かってきたぞこいつの性格が。まあいい、処分は分かった、事実上のおとがめなしだ、元よりお嬢様学校なら俺は余り単独行動はしない方がいいからな。


 しかし本当に俺は学院生になるのか、だけど……


「なあ、本当に俺が通って大丈夫なのか?」


「だから風呂覗きの件は」


「そうじゃなくて、こういった格式の高いお嬢様学院というのは、そもそも男から遠ざける意味も含んでいるわけだろ?」


 女ひとり身ではいろいろと危ない、というのは特に語る必要もないことだ。それに男から遠ざけて貞淑に育てたいというのは、日本だってある考え方だ。相当な反発があると思うのだけど。


「ああ、その点についても大丈夫よ、貴方が心配するような懸念材料はないわ」


 という俺の心配をよそにあっさりと頷くイシス。


「へー、さすが王女様、こういった無理も通るんだなぁ」


「じゃなくて、あなたは私にベタ惚れという設定だから」


「…………」


「…………」


「へぇ?」


「えーっと、あなたは、某国の貴族の末裔で、社交界で私に一目ぼれ、熱烈に愛を告白するも玉砕、それでも諦めずアタックし続けたの。そんな貴方を私は最初は気持ち悪がっていたのだけど、そのひさむきさに私が折れる形で「お試し期間」を設けることにしたの、とはいえ私は王女だから下手に隠すとそれこそ貴方が心配した「貞淑」に関わることになる。だからあえて公表することにより、そのイメージを崩さないようにしたの。そこで取られた特例措置がお試し期間の間だけの特例編入、つまり今の貴方は私のポイントを稼ぎたくて必死なわけなのよ」


「…………」


「…………」


「へぇ?」


「私に熱烈に想いを寄せている状況で、他の女に現を抜かすことが他の女生徒達から不興を買うのは言わなくても分かるわよね♪ それこそ過失の風呂覗きなんかよりも余程ね♪ ああ、楽しくてしょうがないわ♪ うふふ♪ あははは♪」


 心の底から楽しそうに笑うイシスの顔を見て、何故かドラクエⅢのラスボス曲であり神曲「勇者の挑戦」が頭の中に鳴り響いたのだった。


次回は16日予定です。

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