表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

街が独り

作者: 白狐さぐじ

ふと思いついて小説を書ける人が羨ましい今日この頃。

気楽に読んでいただけたら幸いです。

 目覚まし時計の音で目を覚ました。


 起き上がって、布団を綺麗に畳む。


 カーテンを開けてもまだ外は暗く、少し肌寒い。



 顔を洗って髪を整える。エプロンを付けて、冷蔵庫を開けて…。

 これといった食材が無かったので、エプロンを外して冷凍食品を袋から取り出して電子レンジにかけた。

 朝食が出来上がる間に、出かける支度をする。

 大体は肩から下げるバックに入っているので大丈夫なのだが、消耗するものはある。そういったモノをバックに入れていると、電子レンジに呼ばれた。

 詰めるものは詰めたので、電子レンジ…我が愛しの朝食に会いに行くことにした。


 今日の朝食は残念ながら肉まん三つだけ。それでも大きさはあるので、腹ごしらえには丁度良い。二つ目の肉まんを口に入れてところで、あるものを忘れていたことに気づいた。

 急いでやかんに水道水を入れて火にかける。それと水筒にインスタントのコーヒーを入れて置く。


 お湯が沸くのを待ちながら三つ目の肉まんを口に入れて、外を見る。やっと薄暗い感じになってきたが、まだまだ寒そうなので上に羽織るものを用意しておく。



 やかんが泣き出したので急いで慰めに行く。

コンロの火を止めて、水筒にお湯を注ぎ込む。ほんのりとインスタントコーヒーの香りがした。本当は本格的なコーヒーを入れて持っていきたいのだが、朝は時間が無いのだそれは無理だった。


 水筒の蓋をしっかりと閉めて、バックに仕舞い込む。さっき用意した羽織るものを着て、バックを肩から下げ、洗い物を水に浸けて部屋をでる。

 小さな玄関で靴を履いて、ドアを開ける。鍵を掛けることは勿論忘れていない。



 車はこの時間帯だからか、あまり見かけない。

 まだ街灯が点いているのを見ながら歩道を歩いているところで、足が止まった。


 ずっとずっと奥の方に山が見えた。朝日に照らされた山が。

 何だかそれが綺麗で道の真ん中に居ること忘れて見入ってしまった。


 歩道の信号機が点滅しているのに気づいて、小走りに渡り終える。


 学校に着くまで、あの景色の事だけを考えていた。学校に着くころには太陽はほど良い場所で顔を出していた。

 部室に入ると誰も居なかった。



 画材を用意して、さて何を描こうか。

 その時ふと浮かんだあの風景。


「あの景色を描こうかな。そうだな、題名を付けるなら…


    『街が独り』



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ