毎日繰り返している日々
「お-い、瞭ー、待ってくれー。ふぅ、やっと追いついた。
どうしてそんなに早いんだよ。」
この気安く話しかけてくる変人は、今井 葉佑。クラスのみんなには〔変態ムードメーカー〕
の称号をもらっている。
変態といっても、急に、下ネタをいいだしたりするわけではない。女子に話しかけてもらうのを
生きがいにしているようなやつだ。
「うるさいな、いっただろ今日の休み時間、「妹に買い物を頼まれているから早く帰る」って。」
ちゃんと聞いとけ、と、内心思いながら瞭は溜息を吐いた。
「え、言ったっけ?そんな気もするが、置いとこうぜ。まぁ、俺も行くよ。
どうせ帰ったって暇だしな。」
帰れ!といいたいところだが、瞭も一人は寂しかった。実質、パシリと思われるのはいやなのだ。
瞭は何も言わないまま、空を見上げながら歩き始めた。
「で、何を買いに行くんだ?」
個人情報丸出しの質問だが…まぁいい。とくに珍しくもない物だからな、と内心、独り言をつぶやく。
「牛乳と、ヨーグルトと、あと、レモンの3個入りだったと思う。」
夢は、晩ご飯用と、朝ご飯用にそれをたのんだようなきがする。まぁ、忘れないよう
携帯にメモはしてあるのだ。
「じゃあ、俺、用意してくるわ。すぐ、お前の家いくから。」
「うん。」
そんな別れ会話をし、家の近くの交差点のところで別れた。
お金を用意するだけだから、葉佑もすぐ来るだろう。家は近所なのだ。
なんだかんだいって、家についた。
「ただいまー。あれ?夢はいないのか。
あ、「今日は委員会の仕事があるから遅い」っていってたな。」
そう、夢は、とても家庭的で、なんでもできる中学生なのだ。瞭とは違って。
「さて、バック、バックーと…あ、あった。」
これは、瞭が愛用しているショルダーバッグなのだ。
まぁ、大きさはあまりなくて、スマホと、財布が入るぐらいの大きさなのだ。
「お、来た。さて、戸締りして出るか。」
この日は気づかなかった。瞭におきている異変に……。