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灰色の薔薇  作者: 白夜琉音
8/22

8.秘密潜入

すみません、更新また遅れてしもた、、

地道に書きます…頑張って…泣




どうしても彼女との関わりを残り5日だけで終わらせたくない、というのが本音だった。


とにかく、自分のした強引な行動は少し軽率だったと反省する。



…ちなみに、今日は来客が来るわけではない。

むしろ、こちらが望まれない客になるとでも言おうか。


ーーーそう、今日は首相に以来された任務を実行する日である。

今回の任務の難易度はそこそこくらいか。


標的(ターゲット)となる人物の家へ潜入し、金庫にある目的の文書を取ってくる。


標的が家にいない時間帯に潜入するし、鉢合わせした時の対策もとってある。

あらゆる可能性を考え、それに対応する解決策も算出済みだ。



準備を整え、後輩に電話をかけた。


「…俺だ。準備は大丈夫か?」


「バッチリですよ。ってか、ほんとに1人で大丈夫ですか?」


「俺をなんだと思ってる…

2人中に入ると見つかる確率も高くなるから俺1人で十分だよ。



ーーーそれじゃ、今からの予定を説明する。


ターゲットは前方に見える家に住む国会議員の木村透。


今の時刻は10時50分、11:00になったら作戦を始める。


1分で2階窓の暗証番号を解読し、3分で目標物のある部屋の鍵を開ける。


30分で金庫の鍵を解読、10分で全てを修復し脱出。

延べ44分の作戦だ。


お前は窓の暗証番号の解除と脱出のルートをひらいて貰う。ここまで質問は?」


後輩は少し考えてから質問した。


「うーん、暗証番号の解読機は金庫用、窓用、部屋用の3ついりますよね?

脱出の時3つも持って帰れます?」


「金庫用だけ先にそっちに渡すよ。他は問題ない」


「わかりました。…では、行きましょうか」




俺は荷物を持って、目標の一軒家まで通行人を装って歩く。


防犯カメラの場所は把握済みだ。


まず潜入の大前提として、防犯カメラのデータの書き換えを行わなくてはならない。


流石は国会議員の家と言うべきか、およそ50m先までを塀で囲まれている豪邸だ。


幸い高級住宅街の奥地に存在するので、人通りも少ない。


そして入口の方を見るとーーそれはあった。


「防犯カメラを確認、接続は問題ないか?」


『はい』


後輩の返事を聞き入れ、ポケットにあるチップを取り出し、それをすかさずカメラに向かって投げた。


数秒あってから、後輩の声が聞こえた


『問題なし。書き換え完了です』


潜入準備は完了だ。

「よし、じゃあ11:50頃に落ち合おう」


『了解しました。気をつけてくださいね』




回線を切り、取り付けたワイヤーで2階の屋根へ上がる。


時間はない。

すかさず窓の施錠の解読機を取り付け、解錠作業に取り掛かった。



下を見ると丁度庭だった。


今日のSPは2人だそうだが、庭の見回りに来る前に侵入できれば良いだけだ。


窓の奥を見ると、ベッドのようなものが見える。


つまり、


「この窓を破れば奴の寝室って事か」


金庫は寝室の中か、その近くの部屋とみた。


サーモグラフィーレンズで周辺の部屋を見渡すが、今のところ人の形の様な熱反応は無かった。


今まで似たような任務をこなしてきたが、我な

がら完璧に全て終わらせてきた。


過去の任務と比べると今回はそこまで苦じゃない方だし、楽である。


今のところ、予定通りーーー


そう考えているうちに、「ピピッ」という電子音と共に解読が終了した。


「よし」


手袋をはめ、音をたてずに窓を開けて侵入する。


回線を再び後輩へ繋いだ。


「…部屋の侵入完了。そっちは?」


「玄関前にSPを1人確認しました。

裏側の玄関の方にもう1人の熱反応があります」


「了解。また連絡する」


回線を切って顔を上げると、目的の物は直ぐに見つかった。


赤い澄んだデザインの金庫。

膝くらいの高さまであり、明らかに重要書類が入っている様に見える。


灯台下暗しという事だろうか?

あからさますぎて笑ってしまった。


「だからといって罠…では無さそうだな」


そこにある金庫は、先週発売されたばかりの最新式のものなのである。

そして、木村が金を受け取った時期と合致する。



…そんなわけで、早速金庫用の解読機を設置する事にした。


さて、問題はここからだ。


解読するまでの30分、証拠消しをする為の時間を含めたおよそ40分を耐え抜かなければならない。


この間に侵入したと思われる証拠を消し、SPに存在がバレた場合は上手く動く必要がでてくる。


「まあ、今回はそんな事も無いだろう…」



*



暇である。


まさか今日来なくていいなんて言われると思わなかったから、何も予定を入れてないし暇だ。


ぼけ〜っと料理番組を見ていると、突然電話が鳴った。


「えっ?!ひょ、あ、ほへひ…」


急いでポテチを喉に流し込み、応答ボタンを押す。


…携帯に来るってことは、仕事の依頼かな?


「…も、もしもし?」


「こちら、木村透(きむらとおる)と申します。仕事の依頼をしたいのですが、波原様でお間違い無いでしょうか?」


きた〜〜〜!!来たぞ仕事ぉ!!!!

口にコンソメ味の味が残ってるぅ!(どうでもいい)


……ん?でも木村透って確か………


「はい!是非お願いします!

詳しいお話は…」


「ご存知かもしれませんが、国会議員を職にしているので外ですと何らかの誤解が生じる恐れがあります。お話はこちらの自宅でも構いませんでしょうか?」


え、ちょ、やっぱり?!?!?!

木村透ってあの有名な国会議員やないかーい!


…てことは今の電話の相手は秘書さんか何かかな?


うへへ…お金入るぞ〜♪


「差し支えありません。いつ伺えばよろしいでしょうか?

今日ですと、今からでも私は大丈夫です」


「只今外出中ですので、30分後にこちらの自宅でどうでしょうか?」


「了解しました!」



住所を聞いて電話を切った。



「………っしゃぁあぁ!!!大物きた〜〜!!!」


これでしばらく我が家は安泰だな。


給料も入る、名声も上がる=依頼が増える!!


ほんと、頑張って来た甲斐があったなぁ。


「………でも」


『倍払おう』


一条さんのあの言葉が脳裏をよぎる。

そして、同時にあの発言も…


ダメだ、恥ずかしいから考えるのやめよ。



一生分の迷惑かけまくってるけどこれ以上関わったら…なんか危険な気がする。


勝手な予想だけどーーー彼には秘密がある様に見える。

たまに見せる暗い表情、明るい笑顔だけれども心のどこかでは笑ってないような表情。


長く関われば触れてはいけない一線に触れる事があると思うし、私もそこまで深い関係にはなりたくない…と思うし。


うん、私は専属家政婦はやらない。


私は再び決心をして、家を出た。


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