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07 どうやらレベル20になれば一人前らしい。俺レベル141だけど

 ところでさっき『ステータス鑑定』というスキルを手に入れた。

 ウインドウの説明を読むと、相手のステータスが分かるスキルらしい。

 さっそく使ってみよう。

 ポチッとな。



名前:アリア・アストリー

レベル:18

HP:103

MP:77

攻撃力:22

防御力:25

素早さ:31

幸運:28



 ふむふむ。

 高いのか低いのか、よく分からないな。


「なあ、アリア。レベル18って高いの?」


「えーっと、一般的にはかなり高いですが、冒険者としてはようやく半人前を卒業したと言った感じでしょうか」


「へえ。アリアはまだ十四歳なのに、半人前を卒業したのか。偉いなー」


 ご褒美になでなでしてやる。


「えへへ。ありがとうございます……って、なんで私がレベル18って知ってるんですか!?」


 アリアは今日一番の驚愕を顔に浮かべた。


「えっと。ステータス鑑定ってスキルで確かめたんだけど……このスキル、珍しいの?」


「珍しいです! 超珍しいです! 名前は聞いたことありますけど、実際に使える人に会ったのは初めてです!」


 そうなのか……適当に歩いてるだけで覚えちゃったけど。


「けどテツヤさん。ステータス鑑定が使えるのは凄いですけど、勝手に見ないで下さいよ、恥ずかしい! えっち!」


「あ、ごめん……」


 おっぱい揉んでも大丈夫なのに、ステータス見るのは怒られるんだ。

 変なの。


「まあ、えっち、というのは冗談として。ステータスを見られるというのは、手の内を見られるということですから。冒険者としては困ります。だから、人のステータスを面白半分で見ちゃ駄目ですよ。プライバシーの侵害です」


 なるほど。そういうものか。


「気をつけるよ」


「はい。分かればよろしいのです。それにしても、前にギルドで計ってもらったときとレベル変わってなかったんですね。ちょっとショックです……」


「ん? もしかしてアリアって、自分のステータスを自由に見れないの?」


「普通は見れません。ギルドで測定してもらわないと分からないんですよ」


 不便だなぁ。


「それって、自分がどのくらい強いか分からないってこと? 何か変だなぁ」


「いえ。レベルもステータスも、あくまで目安ですから。その日の体調や精神状態でも強さは変動しますし。明らかに成長したときは、いちいち数値を測定しなくても実感できますよ」


「へえ。じゃあレベル100とかになっても、実は大したことなかったり?」


「な、何を言っているんですか! いくら強さが変動するとはいえ、レベルの差が10もあれば絶対に勝敗はひっくり返りませんよ。食中毒にでもなっていない限り! いいですか。一人前といわれる冒険者のレベルは20~30くらい。50を超えると超一流。国家騎士団からスカウトされます! そしてレベル100というのは、生涯を武に捧げて、ようやく到れるか否か、という領域なのです!」


 アリアは鼻息を荒くして解説してくれる。

 それにしても、そうか、レベル100ってそんなに凄いのか。

 俺、もうレベル141なんだけど……いいのかなぁ。


「それで。テツヤさんのレベルはいったいいくつなんですか?」


 アリアはじろりと俺を見つめ、詰問するような口調で言ってくる。


「ひ、秘密……」


「駄目です! 乙女のレベルを見ておきながら自分だけ秘密なんてズルいです!」


 うーむ。

 確かに俺だけ黙っているというのはフェアじゃないか。

 驚かれるかもしれないけど、正直に話そう。


「141……」


「は?」


「141」


「へ?」


「だからレベル141だって!」


「ご、ごめんなさい、何か非現実的な数字が聞こえたので、意識が飛んでいました。私の耳には141と聞こえたのですが……」


「いや、それであってるよ。俺のレベルは141」


 そう断言すると、三秒ほど間を置き、アリアは「どひゃぁ!」と大声を上げる。


「ひゃ、ひゃひゃひゃ、ひゃくよんじゅういち! テツヤさん、どうなってるんですか、若く見えますけど、実は二百歳とかで、ずっと修行を続けていたとか!?」


「いや……普通に二十三歳だけど……」


「どひゃぁぁ!」


 アリアは驚くのに忙しそうだ。

 しかし、さっきの説明を聞く限り、レベル141というのは規格外もいいところらしい。

 驚くのも仕方がないいのかも。


 というか、俺、今日141歩しか歩いてないのか……。

 流石にダラけ過ぎだな。

 けど、これは夢の中だ。

 問題ない。問題ない。

 多分ね……。

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