04 女の子と一緒にベッドに入る
「ところでテツヤさん。あなたはどうしてこんな場所にいたんですか? それも……パジャマで」
「ああ、やっぱりパジャマなのが気になる?」
「いえ、滅相もありません! きっとテツヤさんには私如きには想像もつかない深い思惑があるのでしょう!」
「いや、たんにさっきまで寝てたんだよ」
「……はぁ」
あれ。ちょっと呆れられた!?
「こんな森の中で、わざわざパジャマになって野宿ですか?」
「確かに客観的に考えると変だけど! いや、あれを見たら納得するかも!」
ここには俺のベッドもある。
ベッドで寝るならパジャマになるのはむしろ当然だ。
というわけで、ここまで空飛ぶベッドを呼び寄せよう。
夢の世界なんだから、遠隔操作くらい出来るはず!
「おお、本当に飛んできた」
「わっ、何ですかこのベッド! と、飛んでる!?」
ふわふわと俺の前まで飛んできたベッドを見て、アリアは目を白黒させていた。
「この空飛ぶベッドで適当に飛んでたらここに来たんだ。だから、ここがどこかも知らないから……もしよかったらアリア。町まで案内してくれないかな?」
「空飛ぶベッドなんて見たことも聞いたこともありません! テツヤさん凄いです! 私も乗りたいです!」
「案内してくれるなら乗せてあげるよ」
「無論、お任せ下さい!」
「助かる。じゃ俺は着替えるから、ちょっとあっち向いてて。それとも見たい?」
「ご、ご冗談を! 私はあっちを向いています!」
アリアは真っ赤になって俺に背を向ける。
いちいち可愛いなぁ。
なんて思いながら、俺はベッドの収納スペースを開けた。
ここに着替えや、寝る前に読むマンガ本。ノートパソコンなどが入っているのだ。
が、変だ。
何もない。
ないというか、暗黒の空間になっている。
「え、ええ!? 俺の服はどこだッ?」
慌てて俺は暗黒の空間に手を突っ込む。
すると衣類の手応えが。
引っ張り出すと、見慣れた白いシャツが手に握られていた。
ふむふむ。
どうやらこの収納スペース。俺が欲しいと念じたものが出てくるようになっているらしい。
整理整頓しなくていいから楽ちんだ。
もしかして、無限に収納できたりするのだろうか?
夢って凄いなぁ。
「アリア。もういいよ」
俺はシャツにジーパンに着替え、アリアに呼び掛ける。
振り返ったアリアは俺を見て、「素敵です!」と言ってくれた。
「見慣れない服装ですが、とても似合っています! テツヤさん格好いいです!」
俺は別にイケメンではないし、この服は安さ重視で買ったものなのだが……アリアは命を救われたことで、すっかり俺に心酔してしまったようだ。
まあ、ここは夢の世界。
目覚まし時計が鳴れば全て消えてしまうのだから、それまでの間、アリアの好意を楽しもう。
「さあ、アリア。ベッドに乗って。町に行こう」
「は、はい……しかし男性とベッドを共にするのは……初めてです……!」
「そんな赤くならなくていいから。ただ移動手段として使うだけだから」
「分かっていますが……ああ、どうしましょう!」
アリアは両手で頬を包み、全ての血液が頭部に集まったのではというほど真っ赤になった。
こんな反応をされると、こっちまで恥ずかしくなってくる。
「いいから、ほら!」
「で、では失礼します……!」
俺が寝そべるベッドにアリアも潜り込み、ぴったりと寄り添ってきた。
このベッド、キングサイズだから密着する必要はないんだけど。
まあ、美少女と身を寄せ合っても俺は一つも損しないからOK!
「じゃ、飛ぶよ」
「わくわくです!」
俺とアリアを乗せて、ベッドは空を飛ぶ。
あっという間に森の木々より高くなり、そして青空へ向けてぐんぐん昇る。
「ひゃあ高いです! そして速いです!」
アリアは布団の中で俺にぎゅっとしがみついてきた。
そして柔らかいものがムニッと俺に押しつけられる。
この子……意外と胸が大きいぞ!
「……お、落ちたら大変だから、もっと強く抱きついて!」
「は、はい!」
「もっと!」
ムニュムニュ!
「テツヤさん、結構えっちなんですね!」
「見破られた!?」
「えへへ、ごめんなさい」
アリアはてへぺろと舌を出す。
可愛い!
「大人をからかいおって。悪い子め!」
「ひゃー、だってテツヤさんが必死だったから……わつ、そんなとこ触っちゃ駄目ですよぉっ!」
そして俺は、町に着くまでベッドの中でアリアにお仕置きをした。
いや、お触りしただけだよ?
中学生くらいの女の子にそれ以上のことはしないよ!
俺は紳士だからね!