表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/46

02 レベル106になりました

 ぎゅーん、ぎゅーん!

 ぶわーん!


 凄いぞ、このベッド!

 俺の思いのままに加速するし、高度も自由自在。

 夢とはいえ、怖いからあんまり無茶はしないが、電車並の速度は楽々出るし、百メートルくらいまで上昇しても落ちる気配がない。


 しかし、随分と遠くまで続く森だなぁ。

 地平線の向こうまで終りが見えない。

 いや、目をこらすと、遠くに町が見える……かな?

 小さすぎでよく分からない。


 試しに町まで飛んで行ってみよう――と思った瞬間。

 森に轟音が鳴り響いた。


「な、何だ!?」


 音が聞こえた方角を見ると、何とドラゴンが木々の間からヌッと頭を出していた。


「ぎゃおおおおおんッ!」


 もの凄い鳴き声だ。

 見つかったら火とか吐かれそう。

 これはちょっと下に降りて隠れた方が良さそうだと思い、俺はベッドを地面スレスレまで降下させる。


 ふう。これで見つからないだろう。

 しかしドラゴンをもう少し見てみたいなぁ。

 どうせこれは夢なんだ。

 踏みつぶされたりしても大丈夫なはずだ。


 というわけで、ベッドをそろりそろりと近づけていく。

 すると驚いたことに、女の子がドラゴンと戦っていた!


 金色の長い髪をひるがえし、剣で斬りかかっている。

 しかし人間一人でドラゴンを倒すなんて、どう見ても無茶だ。

 案の定、堅い鱗に弾かれている。

 そしてドラゴンは口から炎を吐く。

 女の子は間一髪で回避したけど、このままではいずれ殺されてしまう。


 というか、俺も逃げないと巻き込まれてしまいそうだ。


 だが、女の子を見捨てて逃げるなんて、男のする事じゃない。

 怖いけど……これは夢の中!

 ベッドが空を飛んだくらいだ。

 俺がドラゴンを倒せても不思議じゃない……と思う!


「うおおおお!」


 俺はパジャマのまま飛び出して、ドラゴンへと走っていく。

 いや、それにしてもドラゴンはでかい。

 三階建ての家くらいありそうだ。

 やっぱり、やめておいた方がよかったかなぁ?


 あとそれから、さっきから俺の視界の端のほうにピコピコ表示されている文字が気になるんだよな。


【レベル52になりました】

【レベル53になりました】

【レベル54になりました】

【フレア・ファランクスを習得しました】


 何か一歩ごとに数字が増えている。

 よく分からないけど、今はドラゴンが先だ。

 夢の世界よ、俺に力を!

 女の子を助けるため、必殺パンチだ!


【レベル100になりました】

【時空断裂剣を習得しました】


 俺の拳がドラゴンに激突する。

 その瞬間、どかんと爆音が鳴り響き、ドラゴンは吹っ飛び、森の木を倒しながらゴロゴロ転がっていった。

 おお、流石は夢の中。

 運動不足の俺がこんな凄いパンチを撃てるとは、リアリティの欠片もない。

 それにしても、このレベルって何だろう?

 確かにベッドからここまで百歩くらいだったけど……。


 なんかゲームのステータスみたいなのも表示されている。


HP:8000

MP:7200

攻撃力:360

防御力:250

素早さ:210

幸運:300


 うーん、俺の強さを意味してるのかな?

 自分の夢とはいえ、よく分からない。

 あ、それよりも女の子は無事かな?


「君、大丈夫?」


 俺は、剣を持ったまま地面にへたり込んでいる女の子に歩み寄った。


【レベル105になりました】


 やっぱり歩くたびにレベルが上がってるなぁ。

 ゲームだとしたらチートだよ、これ。

 最初は楽しいけど簡単すぎて途中で飽きるタイプのチートだよ!


「あ、あの……助けて頂きありがとうございました! まさか拳一つでドラゴンを倒してしまうなんて……!」


 俺を見上げる女の子の表情は、尊敬で染まっていた。

 というか、めっちゃ可愛い!

 驚いた俺は一歩後ずさってしまう。


【レベル106になりました】

蘇生魔術(リザレクション)を習得しました】


 これでもレベル上がるのかぁ……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ