2話 紹介
短いです
「戦闘員K?
変わったお名前ですね」
アーディン王が戸惑ったように言ってくるので、
「正確には名前ではなく、コードネームみたいなもんだ。
組織に入った時点で名前は捨てたからな。
組織のフロント企業では仙桃院渓とか、『地壁の鬼士刑十郎』とも名乗っているが、本名じゃないしな」
「騎士ということは、先ほど『幻影帝国』とも言っておられましたし、国に仕えられていたのですね?
しかも、名前を捨てなければならないような組織に所属していたということは、かなり特殊な部隊だとお見受けしますが」
アーディン王が、見当違いの予想を立ててきた。
「そんな良いもんじゃ無ェよ。
『幻影帝国ファントム』ってのは、会社名……商会名や屋号みたいなもんだ」
俺がそう言うと、アーデイン王は顔を赤くしてしまった。
更に、
「俺の事を聞くより、周りの奴等の紹介や、召喚した目的を話すのが先なんじゃ無ェか?」
と言ってやると、更に顔を真っ赤にし俯いてしまった。
こんな奴が王で大丈夫か?この国。
そんなことを思っていると、アーディン王の隣の青髪の女が話してきた。
「申し訳ありません、救世主様。王に代わりまして、私が紹介させていただきますね」
「好きにしな」
「私は、王の姉で補佐役をしております、人族人種のアーデリア・ウィラ・メローネンと申します。
救世主様のお隣は、ご存知かもしれませんが、我が国の五大神神殿の総巫女長、人族エルフ種ハイエルフ種族のファエリア・アーキン。
あちらの男性は、大臣の一人で政務卿の魔族魔人種のハクタ・デルハイト。
メイドは、私付きのメイドで獣族獣人種牙種族狸氏族のモイネ・ラクーンです」
王の姉(内親王というやつかな?)が、そう紹介したところで、メイドの横の扉がノックされた。
「お茶をお持ちしました」
「お入りなさい」
アーデリア内親王が応えると、扉からティーセットを載せたワゴンを押しながら女性が入ってきた。
やはりメイドだが、今度のメイドはスカートの下から蛇の体が覗いており、首の辺りに鱗が見えている。おそらくだが、ラミアやナーガとか言う種だろう。
「失礼いたします。
執務室付きのメイド、魔族妖魔種ラミア種族のシャーラ・ウィップテイルと申します」
やはりラミアだったか。
ラミアのメイドが優雅な仕草で茶と茶菓子を用意して、それを、いつの間にか近付いて来ていた狸メイドが手伝った。
「失礼いたしました」
茶の準備が終わるとラミアメイドはワゴンを押して出て行き、狸メイドは元の場所に戻った。
王様は15歳くらいで、まだ未熟です
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