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女子が二人


2027年 4月10日 PM6:40

特別等の二階、階段を登りきって右端にある教室は、資料室。帰宅部の部室だ。

資料室は帰宅部の部室以外では使われておらず、部屋の中には大きめの机が置いてあるだけの、何もない部屋だ。

「し、失礼しまーす」

俺は今日から部室になる部屋のドアを開けた。

中には女子生徒が二人。黒髪にポニーテールの女子は本を読んでいる。金髪にショートの女子はスマホを触っている。

「あ、あの俺今日から帰宅部に入る…」

俺が喋り終える前に、金髪が言った。

「私達も今日が初めてよ。でもこの部活は何をしたらいいのか分からなくて……」

「あぁ、俺もその事を担任に聞いたんだが、見てからのお楽しみって言ってたぞ」

「見てから?ここの部室何もないじゃない」

俺は部室を改めて見た。

確かに机しかない。

「私も担任に聞いたけれど、何をしてても構わないと言っていたわ」

いつに間にか本を閉じていた、黒髪が喋る。

「じゃ、今日は何をするの?確か部員はこの3人しかいないはずだけど」

「待って、レイこの部活に入るの?何にもないんだよ」

金髪が言う。

「入るわ。何か楽しそうだし」

「そっか。じゃ、私も入ろっ!」

金髪は笑い、黒髪に抱きついた。



「俺の名前は坂井瞬。瞬でオッケーだ。えっと…よろしく」

黒髪の提案で俺達は自己紹介をしている。

実にいい提案だ。

「私の名前は北乃唯よ。唯でいいわ。レイとは幼馴染で家も隣なの。まぁ、俗に言う恋人ね♪」

金髪は、いや唯は笑ながら言っていたが、隣で座っている黒髪の目が殺気になっていた。

「私は山口冷よ。冷で結構よ。唯とは幼馴染だけど恋人ではないわ」

冷が椅子に座り終えると唯が、言う。

「な、嘘ついた。昨日の夜キスした時言ってたじゃん、私たちは恋人って!」

「い、言ってないわよ。しかもキスもしてない。誤解しないでね、瞬!」

おいおい、やけに瞬って文字にだけ圧力があったぞ。

まぁ、しかし唯の言ったことは本当だろう。

なぜなら冷の顔が赤すぎる。見てるこっちが恥ずかしい。

「なぁ、ちょっと聞いていいか?」

「いいよ」

唯が頷く。

「今日はもう帰るだろ。明日からは何時に部室に来ればいいんだ?持ち物は何がいる?」

「そうね………集合は授業が終わってすぐで、持ち物は………」

困っている唯に冷が助け舟を出す。

「持ち物はなしでいいんじゃない。まだ何をするか決まってないんだし」

「あぁ、そうだな。………じゃ、俺は帰るわ。今日は食事当番なんで」

俺は鞄を持つ。やけに重たい。

「うん、わかった。また明日ね♪」

「あぁ、了解!」

俺は唯と冷のいる部室を背に向け廊下を歩き出した。

さぁ、家に帰ってご飯を作ろうか!

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