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俺式異世界冒険譚!  作者: 明智 烏兎
最終章 ~俺式オープンエンド!~
80/80

後書き

 初めにお知らせしておかなければいけない事があります。

 これはサブタイトルからも分かる通り、単なる後書きです。本編のストーリーは前回で終わっています。

 そして、この後書きには本編のネタバレも含まれます。

 なので本編を最後まで読み終えた方、

 ネタバレなんか気にしないという方、

 本編には興味ないけど後書きには興味あるという方、

 そういう方だけ読むようにお願いします。





 さて、本編の最後を読んだ方ならもうお気付きでしょう。カエデ達の冒険は、本来ならばここからが本番です。

 それなのに、連載はここまでとなっています。それはなぜか?


 その理由は──続きがないからです。

 続きがないというのは、ストックがなくなったとかそういう意味ではありません。

 この作品『俺式異世界冒険譚!』には、原作とも言うべきものが存在します。連載開始時の活動報告にも書きましたが、ここでもう一度書いておきましょう。


 『俺式!』は、僕の師匠が十年以上前に書いていた黒歴史ノート『レヴェリーズ・サーガ』を、師匠の許可を得て僕が改稿したものです。

 で、続きがないというのは、“黒歴史ノートがここまでしかない”という意味なのです。

 師匠はラノベ作家を本気で目指したいという理由から、長過ぎてどの公募にも応募できない『レヴェリーズ・サーガ』をここまで書き、別作品の執筆に移った……そういう訳です。


 なので『俺式!』は永遠に未完の作品であり、ここまでで終わりにする事は連載開始時点から決まっていました。

 この先の展開を師匠から聞きながら、僕が続きを書く事は可能でしょう。ですが、それはしません。

 それをするくらいなら、今思い付いている新作の執筆に時間を使いたいからです。

 ただ、新作は書き上がっても公募に応募するのが先なので、それを「なろう」に投稿するのは遠い遠い未来の話ですが。

 僕も師匠と同じく、ラノベ作家を目指す身なので……どうしても公募用原稿の執筆が第一になってしまいます。


 公募用に書いたけど結局駄目だった作品も多数ありますが、公募用だけに「なろう」に投稿するにはボリューム不足。

 大幅に加筆修正しなければ「なろう」への投稿に踏み切れず、そんな事をする暇があったらさらに次の新作のアイデアを練りたい……と、ずっとそのループです。とにかく小説を書く時間が全然足りないのが現状です。

 でも、僕もちょうど「なろう」で人気の『主人公が車に轢かれて始まる系』の作品を一つ持っているので、いつかはそれを投稿してみたい気がしています。


 その忙しい中で『俺式!』を「なろう」に投稿したのは、今思えば正解だったと思っています。

 なぜなら、連載している二カ月半の間に、僕にとって良い事がたくさん起こったからです。


 一つは、『俺式!』がかなりのアクセス数を獲得した事。人気ジャンルだから今まで投稿した作品よりは多少読まれるだろう、くらいには思っていましたが……予想以上でした。

 日間ランキングに入った訳でもないのにこのアクセス数、これは健闘した方なんじゃないかな~と思います。


 もう一つは、この二カ月半の間、某新人賞に応募していた三作品の内、二作品が一次選考を通過した事です。

 僕が作家を志してから、もうかれこれ五年経ちますが……五年間で一次選考を通った事は一度たりともなかったのです。

 それがここに来て、二連続で一次通過メールが届きまして、僕自身かなり驚いています。

 腕が上がってきたのか、運が向いてきたのかは分かりませんが、どっちにしても嬉しい事に変わりはありません。この調子でどんどん上に行きたいものです。


 賞に応募しても落選、「なろう」に投稿しても読まれない。

 そんな日々が続いて消沈していた僕の肩をカエデが叩き、


「諦めんなよ! もっと熱くなれよ! ほら、欲しかったアクセス数だ! 一次も通してやったぜ!」


 と言ってくれたような……今はそんな気分です。カエデ、ありがとな。



 と、僕の話はこれくらいにして『俺式!』の話に戻りましょう。

 上でも述べたように、カエデ達の冒険はまだまだ続きます。連載は終わりですが。

 でも、最終的な結末も見えないまま「あとは読者諸君の想像にお任せする」で終わらせてしまうのは、良くない事です。

 なので師匠から聞いたこの先の展開を、大まかに書いておきます。



 この後カエデは、転成したミューの願い『フィアルを助ける』という目的のために動き出します。

 もうお分かりでしょうが、カエデをグランスフィアに召喚したのはミューです。つまり、カエデがグランスフィアで真に成さなければならない事は、フィアルの救出だったという訳ですね。


 ですが、フィアルは自身が使ったロストスペル『モロスの鎖』によって封印されています。モロスの鎖を断ち切るためには、グランスフィアの創造神『ゼークヴァリス』の加護を享けしエクルオス──『金色のエクルオス』が必要なのです。

 カエデのエクルオスは兄・メイガスと同じ真紅が本来の色だったのですが、召喚主であるミューの願いを叶えるため、召喚時に加護を付与されて金色になったのです。


 しかしカエデはロストスペル『エレボスの洗礼』の代償によってルオスを体外放出する技能を失い、エクルオスを練れなくなっています。

 失った力を擬似的に補うために精霊界へと赴き、プロローグに名前のみ登場した“バルド”という人物に会わなければならない。そしてバルドから『ルオスアキシオン』と呼ばれるスキルを継承しようとします。

 が、ルオスアキシオンは体内のルオスを体外へと強制的に放出し続ける技であり、カエデのような人間がアキシオンを継承してしまうと数日の内に死に至る。なので、ルオスの放出を任意的に抑える紋章『精霊封印』を先に入手するため、精霊界を冒険する事になります。

 精霊界にはセイラの兄・アレスも向かっているため一石二鳥! という訳で、カエデ達は精霊界へ。

 しかし精霊界で再会を果たしたアレスは、そこに居合わせた“真紅翼の堕天使”によって重傷を負わされていた。

 カエデ達はアレスに加勢して真紅翼に戦いを挑むも、その圧倒的な強さの前に苦戦。もう駄目かと思われた時、一丁の大鎌が降ってきて戦場の中心に突き刺さる。

 その大鎌の柄に降り立ったのは、スロームの技を身につけ、三体の幻獣を従え、最強キャラへと成長したティリス。彼女の登場によって真紅翼を追い払う事に成功します。


 その後は、ルオスアキシオンを継承してアガムを取り戻したカエデと、アレスとの再会で揃った紅と蒼のエアリアルリングの力で光の翼を手に入れたセイラの二人が、真紅翼に戦いを挑みます。

 15神具の一つ、天翔剣ネフジードを使って飛行能力を得たカエデとセイラの最強タッグは、ついに真紅翼の堕天使を撃破します。


 セイラの抱えた問題をクリアしたカエデはいよいよフィアル救出に向けて動き出すのですが、フィアルを救おうとすれば世界が滅びてしまうという事実をミューから聞かされます。

 グランスフィアは大昔に崩壊してしまった世界であり、楔の剣は世界がバラバラになるのを防ぐために打ち込まれた剣です。

 フィアルは楔の剣を大地に繋ぎ止めるための鎖によって縛られており、フィアルを助けるために鎖を断ち切れば楔の剣も抜け、世界が滅ぶ……そういう理屈です。


 ただし、フィアルを救う方法が一つだけあります。

 その方法とは、世界の滅びの意思──“イド”を復活させて倒す事。もちろん、簡単ではありません。

 強大な力を持つイドを倒すため、カエデはかつて共に旅をしたヒロイン達を再び集める決意をします。そしてイド復活の鍵となる15神具も一緒に集めていきます。


 そして、その途中である問題が発生します。海王獣ファントナエラの襲撃です。

 世界の海を股にかけた、壮大なるファントナエラ討伐作戦が幕を開けます。

 アスラート王率いる戦闘船団を世界中の海に配置し、それぞれの船に幻獣を召喚できるヒロインを乗船させ、ファントナエラに対抗する作戦です。

 アポカリプスを従えるルナ。

 ラグナロクを従えるコロナ。

 エレボス、メラニオン、アタランテを従えるティリス。

 玄武神を従えるシオン。

 リヴァイアサンを従えるテティス。

 この五人が、ファントナエラと順番に激突していきます。

 サモンアガムを全て出し尽くして戦う迫力の大怪獣バトル! カエデも15神具の一つ、『空間剣ラストーヴァ』を使って五隻の船の上を瞬間移動しながらヒロイン達を守ります。

 最後は戦闘船リヴネイルの主砲、『ディザスターノア』がファントナエラの顔面に決まり、勝利を手にします。そこでテティスが正式に仲間キャラとしてパーティーイン。


 その後は、各キャラの最強装備を集める話とかを予定していたそうです。

 カエデの最終的な装備は竜宝剣ゼーランディアと無名剣ウーティスの二刀流。その他にシャローシュカノンの一つ、イザヤの書から最後の守護獣・パステルを呼び出すイベントがあったり、ミリーの黒宝眼に関するイベントがあったりするのだとか。


 四大世界の中心にあるという封印の狭間で、カエデはモロスの鎖を断ち切ります。

 鎖から解放されたフィアルに、世界が滅びる前にイドを復活させて倒す作戦を伝え、最終バトル。

 死闘の末に見事勝利を収めたカエデ達は、世界を救った英雄として凱旋。ルーラントの屋敷へと帰ります。



 しかしそこで、悲しい事実が判明します。

 “フィアルを救う”というグランスフィアでの役目を終えたカエデは、地球に強制送還されてしまうのです。

 カエデとの別れを惜しむルナ達。

 カエデの体を目映い光が包み込み、その光が消えた時……。

 カエデはその場に留まっていました。


 なぜカエデは地球へ強制送還されなかったのか。

 その理由は、第二章 ~失って得たものは~ の中で使ったロストスペルにあります。

 赤宝眼の竜からルナを守るために使ったロストスペルで失ったもの──それは、『地球に帰る術』だったのです。

 カエデはあの時、もう二度と地球に帰れない事が決まっていた。故に強制送還もされなかったという訳です。


 カエデはグランスフィアに残り、その後の人生をルナと幸せに暮らしましたとさ……めでたし、めでたし!



 ……と、こんな感じだそうです。

 地球に帰れないと書きましたが、実はこの後の展開でカエデは時空を超える力を持った少女と出会い、地球に帰る事も可能になります。

 メイガスに『混沌を映す瞳』の使い方を教えたのも、時空を超えて過去に飛んだカエデの仕業なのですが……それはまた別のお話という事で。

 かなり大雑把ですが、細かい部分は皆様のご想像で補完して下さいませ。


 さて。予想以上に長くなってしまいましたが、これで後書きも終わりにしたいと思います。

 ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございました。

 お気に入り登録して下さった方、感想を下さった方、評価を付けて下さった方に多大なる感謝を申し上げます。

 それでは、またいつか!


 2013年 3月17日 明智烏兎

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