表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋する変態  作者: うらら
4/7

異世界2

「異世界」の続きです。編集前とそんなに変わりません。


 私は見知らぬ部屋にいた。というか寝ていた。


「えっ……ここ何処?」


 もしかして誘拐された……? もしそうなら悠長に寝ている暇は無い。

 不安になって辺りを見渡すと木の窓が目に入った。


(落ち着くのよ。まずは状況確認しなきゃ)


 そろそろとベットを降りて窓まで音をたてないように近づくと、金属の留め金を外した。

 ゆっくり窓を開けて、外を覗く。



 絶句。



 ──月が二つある……。



 青白い満月が二つ。その下には月光に照らされた小さな町──明らかに日本ではないし現代でもない──があった。そして、町よりもちょっと遠くにある巨大な建物。


(な、なにあれ……お城?)


 子供の頃に行った旅行先で似たような建物を見たことがある。

 月が二つもあるおかげで、月明かりだけで思ったよりもよく見えた。――全く嬉しく無いけれど。

 

 一旦窓を閉めることにした。背中を尋常じゃない量の冷や汗が流れ落ちているのが分かる。



 深呼吸をしてから勇気を出してもう一度窓を開ける。


(私はタヌキに化かされてるだけ。私はタヌキに化かされてるだけ)


 ──希望の呪文に効果は無かった。窓を閉めずにベットに戻る。もう窓には用は無い。


(ま、まぁ誘拐じゃないことだけは確かね。いくら誘拐することに長けてる人でもこんな異世界になんて……)



 冗談でしょ……。



「……異世界……」



 自然と口から出ていた。頭の中で今まで読んだ沢山の小説がピックアップされていく。


 月が二つの異世界……読んだことある。……中世ヨーロッパの様な町並み……これも読んだことある。ていうか大体そうよね。……お城……王道すぎる。でも私、事故にあったわけでもないしどうやって……。

 ──あっ!!!



 そこで自分の部屋に居たときのことを思い出した。


 天井から降ってきた桜の花びら、窓は開いてなかったのに吹いた風、突然の虹色の光。

 それに今いる──月が二つもある──知らないこの世界。


 頭の中で、仮定が確定に変わっていくためのパズルのピースが一つ一つ、着実に、はめられていく。

 

 開けっぱなしの窓に視線を向けた。


「ここは……異世界なのね……」


 不思議と悲しくはならなかった。

 ただ、今まで生んで育ててくれた両親の顔を思い出すと、そんな自分にすごく罪悪感を感じた。


(お母さん、お父さん、みんな……ごめんなさい)


 それでもこの解放感を否定しようとは思わなかった。

 それよりも美鈴には考えなければいけないことがある。


 これからどうやって生きていくのか。私はどうしてここにいるのか不思議と悲しくはならない。ただ、今まで生んで育ててくれた両親の顔を思い出すと、そんな自分にすごく罪悪感を感じた。

 それでもこの解放感を否定しようとは思わなかった。



 それよりも美鈴には考えなければいけないことがある。


 これからどうやって生きていくのか。私はどうして此処にいるのか──


作者「あー疲れた。今午前三時だよ。こんな時間まで起きてるの久しぶり。中学生に戻った気分」

美鈴「へぇー中学生?」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ