申請
関東サッカー協会
受付に、申請書類を提出する田中勝GM
(間違えてないよな、書き直しは勘弁してくれよ
もう書きたくない
受理されるのか不安になってきた)
「新規のクラブ申請ですね」
田中は、不安げに申請書類を見つめます
「そうです、宜しくお願いします」
「暫く、お待ちください担当者が対応いたします」
奥に、書類を持ち職員が歩いていきます
(やっぱり、時間すげえかかるだろうな
1日全部潰れるかも、担当者の人
親切な人だと良いな)
5分ほど、経ち書類の束を持ち
担当者がこちらに向かってきます
「お待たせしました、担当させていただきます
坂本と申します」
坂本主任は、名刺を田中GMと交換します
(主任さんか、へ~)
「田中さん、申請書を読ませていただきました
プロサッカークラブ新設だそうで
間違いないですよね」
「そうです、問題有りましたか?」
坂本主任は、手元の資料を出し
田中GMに、見せます
「このように、プロクラブ新設ですから
ハードル高いですよ
関東はプロクラブが多いですから
特に審査が、厳しくなっていますよ
よろしいですか?」
「お願いします」
(なんだよ、またか書くの?
何枚書くんだよ書類を
供託金も保証金も高いな
安易に、プロクラブを新設させない為だろうな
よく考えてらっしゃる)
「田中さん、話しを進める方向で本当に宜しいですね」
「いや~しかし大変ですね
こんなに大変だと思いませんでしたよ」
「そうですね、一緒に頑張りましょう」
坂本主任は、田中勝の手を取り
ガッチリと掴みます
(熱血な方ですか、坂本主任
手がごつい)
田中勝GMは、苦笑いで手を握りかえします
ネイチャーエネルギー
プロサッカー準備課の明かりは、まだ点いています
疲れ切り、机に書類を大量に置いたままの
田中勝GM
(帰りてえよ、風呂入りたいな
今村は、熱心だな
流石、事務所の所長さんだな)
午後22時頃に今村信長が、横浜緑市の市役所から
戻ってきました
「田中、俺の方が疲れてるんだよ
コーヒ―ブラック」
(酷い顔だな
悪い事したな、今村には
せめて暖かいコーヒーを入れなければ)
田中勝GMが、コーヒーをカップに注ぎます
今村信長の正面に、静かに置きます
今村はコーヒーを、一口含みます
「落ち着くな、何とかスタジアムの使用料は
減額できそうだよ、観客の入場料は7割は貰える契約だ
なるべく早く、自前のスタジアム持たないと
クラブ経営苦しいぞ」
(入場料は全部貰わないとな、削られちゃキツイよな
確かに)
「確かにそうだな、役員会では決定したそうだよ
全天候型スタジアム建設が
一番の宣伝になるからな」
「流石、山口一郎社長だな
仕事が早いよ、そうだ関東サッカー協会で
監督候補のリスト貰ったよな」
山田勝GMは、書類の山から
リストを取り出し、今村に
手渡します
「見事に、日本人ばかりだな
当然だけどな」
「監督より、選手どうするんだよ
三部が、スタートする来年9月までには
最低30人は、必要だよ
選手の保有名簿提出しなきゃいけないよ」
「選手は、任せとけよ
うちの事務所には、世界サッカー協会公式代理人が
2人は、在籍してるから
1部と2部のクラブの、ユース選手をレンタル移籍で
オファー出してるから、
何と言っても、育成は練習よりも実戦だよ
試合で、選手は大きく成長するからな」
「今村、ユース選手はレンタル移籍出来るのか?
初めて聞くけど」
「今は、ユース選手だ
だが、プロ契約してから横浜ミドリシティFCに
レンタル移籍させる、一人当たり500万位だな
相手クラブにも、プラスだからな
選手は実戦で揉まれるし、成長できるからな
そうだ監督は、山田大にしよう」
(今村、クラブの命運を託す
監督なんだから、軽く言うなよな
根拠が、有るんだろうけど)
「選考理由は?」
「アメリカで、ライセンス取ってるだろ
だからだ、それに元サッカー選手では無いから」
(アメリカでか、苦労してるんだろうな
異国でだからな)
「大丈夫?全く山田大氏は知らないんだけど
噂も、聞いたことも無いよ
僕も素人だけどさ」
「大丈夫だ、俺の感を信じろ」
「で、本当のところは?
どうして山田大なの」
「面識はある、山田は手元にある戦力で
最大限の結果を出せる男だ
アメリカのクラブで、監督経験があるからな
手腕は確かだよ」
(アメリカの、クラブレベルは?
全然しらん、ナショナルチームは強いから
強いのか?いや海外で活躍してる選手が
主体で、チーム作ってるからな)
「日本の三部でも、レベル高いよ
カップ戦でも、1部とか破るよね
本当に良いの?」
「大丈夫、大丈夫
明日は、高校と大学のあいさつ回り
行くぞ、申請書類は総務の連中に任せとけ」
「社長に、伺っとくよ
許可が出れば、お供いたします」
(横浜は、大学も高校も沢山有るからな
何処回るのかな?今村は)
お疲れ様です、失礼いたします