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魔界家庭訪問~悪魔アモン編①~

「ああああ、悪魔ぁ!?」


悪魔と言えば、あの悪魔でしょ!?

蝙蝠みたいな翼が背中に生えてて、角がある残虐な性格の…!

どうしよう。見たとたん気を失う自信がある。


「そう、悪魔アモンちゃん」

「アモン…ちゃん?」

「そう。可愛い子だよ」


女の子なの?

可愛いということは、幼い子なのかもしれない。

それなら大丈夫かも。ちょっと安心。

カースさんはにこやかに家に向かって呼びかける。


「アモンちゃーーーん!遊びに来たよーーーっ!」


するとどうだろう。

家の中から足音がする。


コツコツコツコツ  バァン!


「ミスターカース。私の名前をちゃん付けで呼ぶのはよせ。貴殿は本当に人が嫌がることをするのだな」


家の中から出てきたのは、女の子ではなく……梟の頭と人間の胴体を持った人物だった。

ああ、駄目よ千里。悲鳴をあげて気を失いたいけど耐えるのよ…!

元の世界に帰るために、元の世界に帰るために、元の世界に帰るために(暗示中)

ほら、カースさんが言ってたとおり、鳥の頭が可愛く見えないこともないわ。(必死に自己暗示中)

私がそんなことを考えていたらアモンさんと目が合った。


「なんだこの人間は。貴殿の獲物か?」


え、獲物って…

私が引きつっているとカースさんが否定してくれた。


「ううん。違うよ。それに人間を捕らえるのは勇者法で禁止されてるだろう?」


ゆ、勇者法…?

なにそれ、ダサイ。


「それもそうだな。では、何故?」

「ははは。聞いて体中に鳥肌立ててよね」

「もったいぶるな」

「彼女は僕が召喚した新しい魔王様だよ」

「……どうも」

「新しい…魔王だと?この人間が?」


アモンさんの丸くて大きな目が私を見る。

品定めをするように、じろりと見られて全身から冷や汗がドバッっと流れる。

鳥に狙われる小動物ってこんな気持ちなのだろうか。


「見たところ、何も力もないようだが?」

「そうだよ」

「何故?貴殿なら、勇者のような力を持った人間を呼び出せただろうに」

「わざとだよ」


どや顔で答えるカースさん。何がそんなに楽しいんだ。

はぁぁーー…とため息をつくアモンさん。

アモンさんは見た目とは裏腹に、意外にも話せる人(?)のようだ。


「貴殿も災難だな」

「はは。そうですね」


私は言われた言葉を否定しなかった。

事実だし。


「だが、私は貴殿を魔王とは認めない。私にとっての魔王はあの方だけだ」

「あの方?」

「先代の魔王だよ。魔王様と違ってすっごく強かったんだ」


カースさん、一言余計だ。

私が脳内で突っ込みを入れていたら、アモンさんが私に手を差し伸べた。

まるでダンスを誘うかのような優雅な仕草で、彼は言葉をつむいだ。





「というわけで、死んでくれ」



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