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華黄四武将登場〜フェイ編〜

ブラックマウンテンの頂上目指して現在移動中。

私はいまだお姫様だっこされながら須賀君に運ばれている。



「須賀君、疲れない?」

「大丈夫だ。気にするな魔王」



須賀君、大分私の時も作ったキャラの口調でしゃべれるようになったなぁ。

中二病を見ているようで少々しょっぱい気持になるが、それもいずれ慣れるだろう。

それにしてもさっきの須賀君はすごかった。

あんなに強そうな人をいとも簡単に倒してしまった。しかも私と言う重りつきで。

流石チート勇者。

強い強いとは聞いていたけれど、あくまで伝聞だったので正直ピンときてなかった。

須賀君が噂どおりのチートだと確認できてよかった。

アモンさんとディーンさんを逃がしておいて正解だった。

二人も十分強い。

今までモンスターが数十体襲ってきても怪我一つしてない二人だ。

けど、なんていうか、須賀君とは強さのレベルというか世界観が違った。

地球人で一番強いクリ○ンレベルのアモンさん達と、スーパーサ○ヤ人4の須賀君というか…

正直戦闘能力0の私には須賀君とアモンさん達の強さが具体的のどのように違うかは理解できておらず説明できない。

感覚としか言いようがない。

私は須賀君対抗策を倒すべき須賀君に運ばれながら考えた。



「あ、あの…勇者様」

「どうした?ディアナ姫」



ディアナ姫が顔を赤らめながらおそるおそる須賀君に話しかける。



「そろそろ休憩になさいませんか?わたくし疲れてしまって…」

「この程度の距離で疲れた?ディアナ姫、体調でも悪いのか?」

「いえ、あの、そうではないのですわ」

「我が姫・ディアナ!体調が優れないのでしたら私がおぶります!」

「カ、カトレット!違いますわ!わたくしは健康です!」

「ではなぜ!?いつもならもっと距離を進めれているはずです!」

「そ、それは」



もじもじするディアナ姫に心配そうなカトレットさんと首を傾げる須賀君。

う~ん、これは察するに…トイレかな?

お姫様なら言いづらいよね。いや、私もあんまり声を大にして言いたかないけど。



「いいから須賀君、ディアナ姫の言うとおり休憩にしようよ。私ちょっとお腹すいたし」

「魔王様…」

「あそこの一際大きな木の陰で休憩しようよ。それがいい。さ、早く行こう」

「あ。はい」



困惑しつつも私の言った木の陰に行こうとする口調が戻っている須賀君。

ディアナ姫はほっとした顔をしていたが、カトレットさんは納得いかないようだった。



「勇者・ヒロユキ、魔王の言うことを軽々しく聞くべきではないと思う」

「しかし、休憩はディアナ姫の提案だ。罠はないと思う。だからいい」

「…了解。従おう」



最後にギロッとカトレットさんに睨まれた。

うう。何回彼女に睨まれれば済むのだろう…






大きな木の陰にて休憩中。

トイレに行ったディアナ姫と護衛のカトレットさんはその場を離れていったので私と須賀君二人っきりになった。

思えばこの世界で彼と二人っきりになったのはこれが初めてだ。



「須賀君はこの世界に永住するつもりなの?」

「……まだ、わかりません。元の世界に絶対帰る…そう言い切れないほど、俺はこの世界に長く居過ぎました」

「…そっか」

「高塚さんはどうなんですか?」

「私は…まだ来て浅いから元の世界に戻る気は満々。けど、このままでは帰れない。私は魔王としてこの世界を変えるって決めたから」

「…そうですか」



須賀君はそう言ったきり黙っていた。

私も話を続けずにただ木の陰をぼうっと見つめていた。

須賀君たちを振り切ってどうやってアモンさん達と合流しようか…

そんなことを考えていたその時


ぐにゃり



木の陰がいびつに歪んだ。



「!?」



驚くしかできない私の前に立ち、戦闘準備の構えを取る須賀君。



「華黄四武将だな?姿を見せろ」

「……是」



歪んだ陰からすうぅっと人が現れた。

その姿を見て、私は少々驚いた。

年は結構若めで20代半ばだろうか。顔はさっぱりしょうゆ顔。

細身で背が高く、手足も長いのでナナフシのような印象を与える体型。

暗殺者のような全身をピッタリ包んだボディスーツのような鎧。

鎧の模様はどうやら鱗のようで、なんていうかナナフシの身体と相まってなんだか薄気味悪い。

しかし、そんな特徴的な胴体よりも視線を奪うのは彼の髪型だ。



「ス、ス○オヘアー…」



そう。国民的キャラ未来から来た猫型某ロボットに出てくるあのキャラの髪型にそっくりだった。

どうやってあの髪型を維持しているんだ…?

須賀君を見ると肩が震えていた。

どうやら笑いをこらえているようだ。



「我、闇紛布鋳。勇者、討伐参」



ううん?なんて言ってるかよくわからない。

私の聞き取りに問題があるのではなく、向こうのしゃべり方に問題があるようだ。

須賀君も「は?」という顔してるもの。



「お前、日本語話せよ」



須賀君。ここは日本じゃないからそれは難しいと思うよ。



「言葉意思疎通難解。別戦闘行為」



スネ○ヘアーの人は再び陰の中に戻ってしまった。

このまま帰って…なんかくれないよね。

案の定、沢山ある木の陰から陰へと移りそこからスネ○ヘアーの人は攻撃してきた!

小型のナイフかと思えば黒い炎だったり、黒いムチだったりした。



「陰から陰へ渡れる移動法に黒い炎…闇属性か」



ああー。ぽいぽい。

確かにすこし根暗そうで闇属性っぽい雰囲気。(失礼)

須賀君は360度何処から来るか解らない攻撃をこのごとくかわしていた。

そしてだんだんコツを掴んだのか、攻撃を剣で打ち返すようになってきた。

お~い。ここはバッティングセンターじゃないんですけど。

随分余裕だなぁ。

残りの四武将さんはまとめて出てきた方がいいんじゃないだろうか?



「奥義!蒼龍水陣破壊波!!」



スネオヘアーの人が必殺技っぽいセリフを叫んだ。



「!?」



影から大量の黒い水が溢れ出す。

しかしそれは意思をもち、蒼い目の龍の形になり、須賀君を襲う!

おお、見かけによらず凄いぞスネ◯ヘアー!

さっきのイーエンさんもこんな奥義もってたのかな?

見る前に倒されたからわかんない。

さて、須賀君どう出るかな?



「これは流石に剣では難しいか…」



須賀君は剣を納め、私の元に駆けてくる。

ん?なんでこっちに?

ーと、思った瞬間須賀君に抱きしめられた。



「‼⁉」

「暴れないで。高塚さんを巻き添えから守る為だから」



へ?へ?

私が目を白黒している内に龍が此方に突進してきた!!

ひゃあああああああああああ!

私は声にならない絶叫をした。

…が、



パキィィン!



龍は私達の側までやってきたが、突如現れた魔法陣に吸い込まれた。

へ?へ?へ!?



「俺のスキルを知りませんでした?俺はあらゆる魔術を反射する魔術反射スキルを持ってるんです」



あ。そう言えば知ってた。

じゃあ、あの龍は…



「唖々唖々唖々唖々唖々唖々唖々!!」



スネ◯ヘアーは魔術反射され、自分の近くに出現した龍に襲われていた。

うわー…



「さ、さて、ディアナ姫とカトレットが帰ってくる頃ですし、出発の準備をしませんか、高塚さん」

「あ、うん」



抱きしめていた身体を不自然に離す須賀君。

照れてるな。

私もだけど。



「あれ?スネ◯ヘアーは?」

「何処か逃げたんだと思います。…って言うかスネ◯ヘアーって……!」



あ。また須賀君笑い堪えてる。

て言うか、須賀君の笑いのツボがわからん。

確かに面白い髪型だけど、そこまで笑うほどかなぁ?


私はそこまで考えて首を捻った。













「老師、どうアルネ?私らに勝機は持てそうアルか?」

「……」

「無言と言う事はまだ策が決まってないネ。いいアル。私、行くヨ」

「悪い、山崩れの」

「構わないネ。老師が良い策を考えつくのを期待してるアルヨ」




「華黄四武将が一人、山崩れのレイリン。参るネ!」



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