雨が降る日は
とある王国に暮らす お姫様
今日は 朝からずっと 雨が降っていて
お城の中も どんよりとした空気が 漂っている
いつもなら メイドさんたちが 家中のカーテンを開けてくれて
キラキラ ぽかぽかと
温かい日差しが 部屋全体に 差し込んでくれるので
良い気持ちで 一日をスタートできるのに
今日は それがないので ちょっぴり残念な気持ちになる
「雨 早く 止まないかなあ
早く 良いお天気に なってほしいんだけれど」
そんなことを言いながら 部屋の窓から 外を眺める
空を見上げると まだまだ 灰色の雲たちで覆われていて
太陽の光なんて どこにも見当たらない
ずっと 雨がザーザーと 降っていて
まるで 気持ちが沈んでいる お姫様の心情みたい
「はあ」と ため息をつきながら 視線を下の方へと向けると
王国に暮らす 人々の姿が 目に入った
こんなにも 雨が降っているのに 外に出ている人がいるなんて
しかも どこか楽しそうな様子にも見えるわと お姫様は驚いた
その人たちを見ていると 手には 農具を持っていて
田畑を一生懸命 耕していたり 草むしりのようなことをしていたり
どうして こんな雨の中で 働いているのだろうと
お姫様が不思議に思っていると 部屋の外から ノックをする音が聞こえた
「お姫様 失礼いたします」
メイドさんが 食事を運んできてくれたのだった
「今日は 雨が続くようですから
お食事が終わりましたら ダンスのレッスンを致しましょう」
と メイドさんが 午後のスケジュールを教えてくれる
お姫様は ふと疑問に思ったことを メイドさんに尋ねてみた
「ねえ どうしてあの人たち こんな雨の中
働いて それに どこか楽しそうなのかしら」
メイドさんは 「どこですか?」と
お姫様が見ていた 窓のところまでやって来て 外を見た
そして 「ああ」 と口を開く
「農作業を されている方々ですね
農業をされる方にとって 雨は 天からの恵みと言われますから」
不思議そうにしている お姫様の様子を見て メイドさんは話を続ける
「お姫様や 我々が 普段から食べている
野菜や果物などの 植物は 主に水で育ちますからね
雨が降ることで 水分が行き渡り よく植物が育つのですよ」
「そうなの」
お姫様は もう一度 窓から人々を眺める
「雨って 大変だし 良いことなんてないと思っていたけれど
たくさんの人の 役に立っているのね」
「そうですね」
メイドさんは お姫様の言葉に 優しく微笑んだのであった




