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09.

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。

 カラン、とアトリエのベルが軽快な音を立てて鳴る。

 真新しい制服に身を包んだエルマが、少し緊張した面持ちで入り口へと顔を向けた。


「い、いらっしゃいませっ」


 重厚な扉を開けて姿を現したのは、魔導騎士団の豪奢な制服を着こなす長身の青年であった。

 銀縁の眼鏡の奥で、理知的な灰色の瞳が優しげに細められる。


 店の奥から爽やかな薬草の香りを漂わせて出てきたリーゼロッテが、ふわりと可憐に微笑んだ。


「いらっしゃいませ、クラウス様。こちらは新しく雇ったエルマよ」


「初めまして、クラウスと申します」


「ど、どうもですっ」


 エルマはペコリと深く頭を下げた。

 クラウスは持ち前の高いコミュニケーション能力で、エルマの緊張を解くように穏やかに微笑みかける。


 そして、店内に並べられた品々へと視線を巡らせた。


「本日は、魔道具も扱っていると伺って、買いに参りました」


(アマンダのOTK商会にも卸しているのだから、買うならそっちに行けばいいのに)


 リーゼロッテは首を傾げ、ぷくっと頬を膨らませた。

 自分に会いに来ているという彼の思惑には、欠片も気づいていないのだ。


「これは」


 クラウスの目に、一着の薄手の外套が留まる。

 従来の雨具といえば、着る者が濡れないよう分厚く重い布で作られているのが常識であった。


「なんと軽い。信じられない軽さですね」


 クラウスが外套を手に取り、その極上の肌触りに驚きの声を上げる。


「それはレインコートですわ。特殊な撥水加工が施してありますの」


「はっすい、ですか」


 前世の知識である水を弾くという概念を、リーゼロッテは得意げに解説する。


「ええ。具体的には『水鏡蓮』という特殊な天然素材から油分を抽出し、フラメル式錬金術で繊維の一本一本に極薄のコーティングとして定着させているのです」


 百聞は一見に如かずとばかりに、リーゼロッテは水差しを手に取った。

 ジョロジョロと、冷たい水を直接レインコートにかけ流してみせる。


「おおっ」


 水滴は布地に染み込むことなく、コロコロと玉のように軽やかに滑り落ちていく。

 布の表面は、まったく濡れていなかった。


「なるほど。これは素晴らしい品だ。ぜひ一ついただきたい」


「ありがとうございます。毎度ありですわ」


 リーゼロッテが尻尾をパタパタと振るように目を輝かせると、クラウスは真剣な表情へと切り替わる。


「実は近々、騎士団の遠征があるのです。このレインコートを、大量に作っていただくことは可能でしょうか」


「もちろん可能ですわ。ただ、コーティングに必要な水鏡蓮の素材が足りませんの」


 リーゼロッテはあごに手を当て、少し考える素振りを見せた。


「素材はどうするのですか」


「私が直接、採りに行けば済むことですわ」


「なるほど。なら、私が護衛をしよう」


 クラウスが待っていましたとばかりに、即座に申し出る。

 リーゼロッテはハッとのけぞり、慌てて両手を振った。


「えっ。いや、それは流石に悪いですわ」


「いや、大量に作ってもらうのはこちらなのですから、護衛は当然の務めです。どうか、お任せください」


「そうですか。では、お言葉に甘えて」


 リーゼロッテはすんなりと納得し、コクリと頷いてしまう。

 やり手の副団長は、護衛という大義名分を掲げ、見事に二人きりの遠征、つまりはデートへと誘導したのである。

【おしらせ】

※3/8(日)


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下心がある異性が絡んでくるとなんだかなぁと感じるのは私が枯れているせいなのか? 強引なのがちょっと苦手。 何か、鈍感な相手の良心につけ込んでいるような腹黒さみたいなのが気になってくるんですよ。クラウス…
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