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16:フェリアンヌの魔法の授業とマヤ

16:フェリアンヌの魔法の授業とマヤ



 あれから数日後、ワタシは猫砦の拡張に、避難民の住居の建築にと、忙しい毎日を送っている。ラザ村からの避難民は、ワタシの広げた畑の管理や、生活物資の製作に余念がないようだ。

 

 そんな避難民を助けるために、四苦八苦したフェリ姉ちゃんとラルフさんだが、いまだにこの猫砦に居座っている。現在ラルフさんからは剣の手ほどきを受け、フェリ姉ちゃんとはまるで姉妹同然の間柄となっている。両者とワタシの関係は、良好と言える。

 そんな二人がこの猫砦に居座る理由は、避難民の行く末を見届けることと、ワタシという個人を、見極めるためのようだ。

 それに加えフェリ姉ちゃんは、ワタシを彼女の父親であるオルブラント公爵に、紹介したいとも言っていた。それはマヨネーズの問題や、様々な問題を、解決してもらうためでもある。

 ワタシの工事が粗方終了し、避難民の生活が落ち着いてくれば、オルブラント公爵にお目通りすることになるだろう。既に工事の終わりも見えているし、その日が近いことも確かだ。


 そんな中ワタシはフェリ姉ちゃんから、魔法について学ぶ機会を得ることが出来た。


 フェリ姉ちゃんは魔術学園の入学試験を、わずか10歳で首席合格した、神童なのだそうだ。そんなフェリ姉ちゃんが、この日魔法の授業を、してくれることになったのだ。


 最近のフェリ姉ちゃんといえば、セリアちゃんとメルちゃんを伴い、ここら周辺の狩りをする毎日を送っていた。もちろん狩りで得た魔物は、皆の貴重なタンパク源となっている。

 そんな彼女だが、セリアちゃんとメルちゃんの魔法について、思うところがあったらしく、今日この日に魔法の授業をすることになったのだ。するとその情報は瞬く間に広がり、他の子供達も集まり、皆で授業を受ける運びとなったのだ。そんな中その授業に興味を引かれたワタシも、子供達に混ざり、授業に参加することにしたというわけだ。


 今まで魔法のことなど、学んだことのないワタシは、期待に胸躍らせながら、その授業が開かれるのを待ちわびる。


「ちょっと・・・・マヤに私の授業が必要だとは思えないんだけど?」


 するとフェリ姉ちゃんは、子供達に混ざり授業を受けようとするワタシに、そんなことを言って来た。


「意地悪しないでくださいよ~。ワタシだって魔法は初心者なんですから」


「はいはい・・・・初心者ねえ・・・・・」


 そんなワタシをジト目で見ながら、フェリ姉ちゃんの授業は開始された。

 この世界の魔法は、基本4属性の、火水風土に分類されている。それに特殊な雷、光、闇、精神、植物属性が追加されるのだ。ちなみに氷魔法は水魔法の上位魔法で、水魔法が使えれば、修行しだいでは使えるようになるという。

 ただワタシはここまで話を聞いて、不意に疑問に思ったことがあった。


「あの・・・・フェリ姉ちゃん?」


 ワタシは手を上げて、フェリ姉ちゃんに質問する。


「な~にマヤ?」


「生物魔法は何属性に分類されているのでしょうか?」


 ワタシの習得魔法一覧には、確かに生物魔法なるものが、存在しているのだ。生物魔法には主に【身体強化】や【治療】が分類されている。


「生物魔法は古い文献に記されている魔法ね。我が国の国教である創世新教がその存在を否定しているし、今ではその詳細を知る者はごくわずかだと思うけど・・・・」


「そ・・・そうですか・・・・」


 国教である創世新教が否定しているということは、生物魔法については触れてはならない案件なのかもしれない。


「私としては貴女がその情報を、どうやって知り得たかが非常に気になるところだけど?」


 フェリ姉ちゃんはジト目でワタシを見ながら、そんなことを口にした。


「あの・・・・今のは聞かなかったことにしてください・・・・」


 君子危うきに近寄らず・・・・くわばらくわばら・・・・・


 また創世新教では4属性それぞれに、順位をつけており、最も重く地上にある土が一番順位が低く、その次に軽い水が3位で、さらに軽い風が2位、一番軽く最も天に近い火が1位に位置付けされているという。また雷と光も火と同様に最上位の属性だ。ちなみに聖職者の使う回復魔法は、光魔法と考えられているようだ。闇魔法や精神魔法に関しては、不浄の魔法とされているため、当然土同様最下位に位置しているという。


 また魔法には適正属性なるものがあり、人によって使える属性と使えない属性があるという。


「私は火の魔法が得意だけど、風も少しなら使えるわね・・・・」


 基本魔法は1属性までしか使えず、稀にフェリ姉ちゃんのような多属性が使える者が、存在するのだという。そしてフェリ姉ちゃんのように2属性持ちをデュアル、3属性持ちをトリプル、4属性持ちをクアッドというらしい。

 また2属性持ちでも珍しく、その先の3属性以上となると、国に一人いるかいかの超レアケースとなるようだ。伝説上の存在には、5属性のクインティプル、6属性のセクスタプル、7属性のセプタプルというのもいたらしいが、確認はできていないという。

 その属性を基準にすると、ワタシは伝説上の存在、セプタプルのさらに上ということになる。そこのところどうなんだと、丁度足元にいたカロンの顔を、意味ありげに見ると、プイッ!と目をそらされてしまった。


「マヤが色々可笑しいのはわかるけど・・・その属性数については口にしない方がいいと思うわよ?」


 するとそんなワタシの行動から、その思考を読んだのか、フェリ姉ちゃんがそんなことを口にした。まあ出る杭は打たれるというし、色々出すぎたワタシの杭については、語らないのが吉だろう。


「それじゃ次は、詠唱について学んでもらうわ!」


 詠唱・・・・。生まれてこの方ワタシが触れたことのない、魔法を行使するための手段の1つである。

 この詠唱については、適正属性であれば、だいたいは使えるのだという。ただ魔力の問題や、活舌の問題、長い詠唱になると読み間違えも発生するので、高度な魔法ほど練習が必要になるという。また不思議と棒読みだと、成功しないというから、またそこで難易度が跳ね上がる。


「まずは私が指に炎を灯して見せるから・・・・」


 そう言うとフェリ姉ちゃんは、指先に意識を集中し、呪文を唱えた。


「ハツァーター!!」


 ズボボウ!!


 フェリ姉ちゃんが呪文を唱えると、指先に小さな炎が発生した。


「うお! かっこいい!」


 そこでワタシの厨二心が、激しく揺さぶられる。その様子はまるで、どこぞの格闘ゲームのキャラのようであった。


「ラートゥース!!」


 ズバァウ!!


 次にフェリ姉ちゃんがそう唱えると、指先の炎は飛んで行き、空中で掻き消えてしまった。


「貴方達もやってみてくれる? 火属性に適性があればこれで使えるはずよ」


 フェリ姉ちゃんがそう言うと、子供達が一斉に呪文を唱え始める。


「メルには少し適性があるみたいね? 指先から煙が出ているわ・・・・」


 どうやらメルちゃんには、火属性の適性もあったようだ。そしてワタシと言えば・・・・


 ズバボオオオウ!!!


「ぎゃああ! きょてえ~!」


 指先から特大の炎が発生したのだ。その炎はワタシが縮こまると、不意に消滅し、霧散して掻き消えてしまった。どうやらワタシには、火属性の適性もあったようだ。


「マヤ・・・・あんたは皆から離れた場所で練習なさい・・・・」


 フェリ姉ちゃんは怪訝な顔つきで、ワタシにそう指示を出した。そこからワタシは一人寂しく、練習するはめとなったのだ。そして今回驚いたことに、ワタシの習得魔法に火魔法の、【発火】が追加されていたのだ。まさかこんな方法で、魔法が追加されるとは、思いもよらなかった。


 習得魔法一覧

  火魔法 【発火】

  水魔法 【操水】

  風魔法 【操風】【空中移動】

  土魔法 【操土】【操鉄】【結晶抽出】

  生命魔法 【身体強化】【治療】

  光魔法 【浄化】

  闇魔法 【黒渦】

  精神魔法 【思考加速】

  植物魔法 【植物改良】

  合成魔法 【魔石操作】【突きの達人】


 これでもう火打石は必要ないと思ったが、そう簡単にはいかなかった。魔法によって発生した火は、物体に引火しにくいため、薪に引火させるのは難しいのだ。そこで薪に火を付けるのに、かなりの練習を要したよ。

 また森羅万象を使わないために、奇跡ポイントは消費しないが、複雑な魔法操作するためには、森羅万象の存在が必要不可欠だ。森羅万象で習得する魔法は、その知識までもが、まるまる習得できるのだ。

 今回の場合それがなので、その操作方法を、自ら学んでいく必要があるのが、難点と言える。ただ魔法を習得する上で、これが当たり前なのは、言うまでもない。今までが可笑しかったのだ。


「それでマヤ・・・・貴女、今日期待に胸躍らせながら授業を受けた子供達にも、魔法を授けるつもりなのかしら?」


 そしてフェリ姉ちゃんは授業の最後に、ワタシにそう尋ねてきたのだ。

 そう言えばワタシは、セリアちゃんとメルちゃんに知恵の実を与えて、魔法が使えるようにしたのだ。でもフェリ姉ちゃんには、知恵の実のことは話していないので、本気でワタシが2人に魔法を授けたと思っているのかもしれない。

 

 ちなみに知恵の実の木は現在、小屋の裏庭にしれっと植えてある。だがその木が知恵の実の木だとは、誰も思ってはいない。なぜならその存在を隠すために、その実はすべて収穫済みだからである。知恵の実さえ生っていなければ、知恵の実の木は、リンゴの木とさして見た目は変わらないのだ。

 知恵の実が光を発するのは、食べごろになったころである。それまではリンゴの実と見た目は変わらない。そのためある程度育った時に、【植物改良】で成長を加速させ、光を発した頃に収穫しているのだ。

 だからこの知恵の実の木は、皆実を付けないリンゴの木と思っていることだろう。

 だがその知恵の実の秘密は、いつかフェリ姉ちゃんには、打ち明ける必要があるかもしれない。


「えっと・・・・なんのことでしょうか?」


「この期に及んでまだ惚けるのね?」


 ワタシがフェリ姉ちゃんの言葉に、惚けた返事をすると、フェリ姉ちゃんは呆れたように、そう返してきた。

 今はまだマヨネーズの問題もあるし、片付ける問題が他にも目白押しだ。それに知恵の実の問題を打ち明けるのは、もう少し彼女のことを知ってからでも、遅くはないだろう。


 お読みくださりありがとうございます!!


 マヨネーズが好きな方★

 冒険が好きな方★

 食べるのが大好きな方★


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