13:ロックバードの襲撃とマヤ
「ヒョ~~~ウ! ヒョウヒョウヒョウヒョウ・・・・・!」
ロックバードは翼を広げた長さが6メートル程もあり、人間や魔物を襲って食べる巨大な魔鳥だ。あんな巨大な鳥がなぜ飛べるのかは謎だが、おそらくは風魔法を操り、飛んでいるのではないかと予想できる。その甲高い奇妙な鳴き声は、体の奥底から恐怖を引き立ててくる。そんなロックバードが森を移動する避難民に、迫っていたのだ。
「土精霊! 村人達を壁で守ってください!」
ゴゴゴゴ・・・・
ワタシはロックバードの接近を知るや否や、馬型の土精霊に、土の防壁を造るように命じた。すると土精霊から魔力光が発せられ、土の防壁が地面から出現した。その土の防壁は村人の集団を、挟み込むようにそびえ立ち、ロックバードの侵入を阻んでいる。
「ファイヤーボール!!」
ドドド~ン!!
いくつかの火球が、フェリ姉ちゃんの杖から放たれ、飛行するロックバードに迫る。
「ヒョ~~~ウ!」
だが上空を飛び回るロックバードは、その火球を軽々と躱してしまった。上空の魔物に魔法を当てるのは、思ったよりも難しいようだ。
「ワタシが出ます!!」
ワタシはそう言うと、土の防壁を駆け上がり、その勢いで一気に飛んで、上空のロックバードに迫った。
『無茶だマヤ!』
カロンがワタシに、そう思念を伝えて来るや否や、ワタシの背中に悪寒が走った。何か見えない脅威が、直前に迫っているのを感じたのだ。よく見ると薄っすらと緑に光る、線がそこには見えた。
「危っ!!」
パキュ~!!
とっさに黒塗りの短刀を、その線に向けて構えると、何か刃のようなものが、当たったのを感じた。
『あれはロックバードの魔法、風の刃だ!!』
「風の刃!?」
どうやらロックバードは、風の魔法を行使出来るようだ。
ワタシは風の刃に阻まれ、土の防壁の上に着地する。だがこれではあのロックバードに、近付くことすらできない。
「マヤ! その防壁を降りなさい! そこは危険よ!」
下からフェリ姉ちゃんの甲高い声が響き、ワタシはそれに従い、ぴょんぴょんと飛んで土の防壁を駆け下りた。
ワタシ達は安全な土の防壁の間に入り、上空にいるロックバードの様子を見守る。ロックバードは上空を飛び回り、立ち去る気配すらない。
「カロン・・・貴方は空を飛べますし、上空のあいつを仕留めることができませんか?」
カロンは風魔法を巧みに操り、空を飛ぶことが出来るのだ。そのカロンならロックバードを仕留められるのではないだろうか?
『悪いが今日は調子が出ないんだ・・・・』
するとカロンはそんなことを言って来た。強い仲間が肝心な時に力を発揮できないのは、物語では定番な展開だが、まさか実際にこんな状況に陥るとは思いもよらなかった。
「フェリ姉ちゃんの魔法では、なんとかならないんですか?」
「大きな魔法を使えばなんとかなるかもしれないけど、こんな森で使えば引火の可能性もあるわ・・・・」
魔法による炎は、引火しにくい傾向にあると聞くが、さすがに高温になりすぎると、あちこち引火してしまうだろう。物質は引火点を超えると、自然発火を引き起こすのが世の常だ。ワタシが水魔法で鎮火すれば、なんとかなるかもしれないが、さすがにそれは最終手段だ。その火事で村人に怪我人が出ては元も子もない。
「それじゃあやっぱりワタシがやるしかないですね・・・・」
ここはあのスキル・・・・森羅万象のスキルに頼る他ないだろう。
ロックバードを倒すには、こちらもある程度、上空で移動する必要がある。
何か上空で移動できるような手段が欲しいな・・・・
ワタシはそう願いながら、森羅万象のスキルを使った。
すると森羅万象のスキルが、ワタシの頭の中に、空中で移動するための手段を、イメージとして描いていく。
それは風魔法の【操風】を巧みに使うことで、実現可能な魔法だ。使いこなすのにかなりの修行を要する技術だが、【空中移動】とういう魔法を獲得することで、その制御を魔術的な命令により、手軽に使いこなすことが可能になるのだ。
こうしてワタシの習得魔法に、風魔法の【操風】と【空中移動】が追加された。
習得魔法一覧
水魔法 【操水】
風魔法 【操風】【空中移動】
土魔法 【操土】【操鉄】【結晶抽出】
生命魔法 【身体強化】【治療】
光魔法 【浄化】
闇魔法 【黒渦】
精神魔法 【思考加速】
植物魔法 【植物改良】
合成魔法 【魔石操作】【突きの達人】
そしてワタシの残り奇跡ポイントが消費され残り2となった。
残り奇跡ポイント2・・・・
まさか1つの願いで、2つの魔法が習得できるとは思わなかった。こんなやり方があるなら、もっと願い方について、考えてみてもよかったかもしれない。でもこの後昏倒してしまう事態に陥らないか心配でもある。今までの前例もあるからね・・・・
「いきます!!」
「ちょっとあんた待ちなさい!」
ワタシは土の防壁を駆け上がり、再び上空のロックバードに迫る。だがワタシが森羅万象のスキルを使ったことを、理解できないフェリ姉ちゃんには無謀に映ったのだろう。その直後下から注意が飛んできた。
「ヒョ~~~ウ! ヒョウ!」
ワタシが土の防壁を飛び上がり、再びロックバードに迫ると、ロックバードはまたかと言わんばかりに、再び風の刃を放って来た。だが今度は同じようにはならない。
「空中移動!!」
ワタシは風魔法の【空中移動】を使うと、真横から突風が発生し、ワタシをまるで滑るように移動させる。そしてロックバードの放った風の刃は空を切った。
「ヒョウ!?」
すると空中でいきなり方向を変えたワタシに驚いたのか、ロックバードの動きが止まる。
「もういっちょ空中移動!!」
それを隙と見たワタシは、再び空中移動を使い、そんなロックバードに黒塗りの短刀を突き出して迫る。
「ヒョ~~ウ!!」
だが空中では明らかにロックバードの方に、一日の長がある。その攻撃は簡単に躱されてしまった。
「これならどうだ! 操風!!」
そんなロックバードに、先ほど覚えたばかりの、【操風】を使ってみる。
操風は文字通り風を操る魔法だ。空気を移動させることで、風を生み出すのだ。
ビユゥゥゥ~!!
まだ使い慣れないためか、そこで予想上に強い突風が、巻き起こってくれた。
「ヒョヒョ~~ウ!!」
突風を受けたロックバードは、そのままバランスを崩し、体勢を立て直すので必死だ。
「空中移動!」
ワタシはそんなロックバードに、空中移動で接近する。
「これでどうだあああああ!!」
ザクンッ!!
「ヒョ~~~~~ウ!!」
そして黒塗りの短刀を、ロックバードに突き立てた。するとロックバードは断末魔の鳴き声を上げ、やがて力なく森の中へ落下していった。
こうしてワタシ達は、その危機を脱することが出来たのだ。
結論から言って今回の森羅万象の使用には、昏倒などの事態は起こらなかった。つまり森羅万象は、一度の使用で魔法を2つ覚える結果となっても、気絶するようなことはないということだ。
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